大分県信用組合の吉野理事長は、「けんしん」の歴史に残る名経営者である。常に地域社会との利益のバランスを考え、けんしんを経営してきた。その象徴が、企業のみならず、自治体、大学、団体との100を超える包括連携協定の締結である。

 

そんな立志伝中の方にもかかわらず、理事長は経営者の会合などで会えば、私の肩をポンと叩いて気さくに声をかけてくれる。このように腰の低い方なので、これまでに会食や面談の機会を何回か得ることができた。

 

3~4年前だっただろうか?理事長から「何ゆえ吉野理事長が生まれたのかがわかる」逸話を聞いた。

 

それは理事長が若い職員(けんしんの営業マン)だったころの話。

 

バイクで走り回りながら、いろんなお客様(会社、個人)から現金を預かり、支店に持ち帰るわけだが、その折、普通なら「お預かりします。」と言う。

 

しかし、若き吉野職員は違った!

 

「このお金は私がしっかりお守り致します。」

 

と伝えていたそうだ。この言葉は、一生懸命にお客様に向き合い仕事をしている中で「自然と」出てきたものだったそうだ。当然、昇格も早く、今もけんしんで支店長昇格の最年少記録(28歳)を持っているそうだ。

 

 

 

さて、当社は前身の日田時代から「けんしん」さんにお世話になっている。今も大変よくしていただいている。週に数回、当時の吉野職員と同じように、バイクに乗って若い担当者が来社する。

 

今年の2月だったと思う。その担当者が失態を犯した。現金の取り扱いの甘さが原因の初歩的ミスだった。

 

ちょうど、その数週間後に私は吉野理事長に面談の約束をしていた。案件が終わった後、私は吉野理事長にお願いをした。

 

「あの言葉を名刺に揮毫してもらえませんか?」

 

 

その足で、けんしん下郡支店に行き、支店長と担当者に、この名刺を見せながら理事長の逸話を紹介した。

 

 

 

以後、担当者は、必ずこの言葉を使い続けている。

 

 

↑今日の「このお金は私がしっかりお守り致します。」の様子

 

 

人が変わるのは難しい。

だが・・・

 

行動が変われば習慣が変わり

習慣が変われば人格が変わり

人格が変われば運命が変わる。

 

 

↑運命が変わり始めた担当者(高橋さん)

 

第二の吉野理事長を目指してほしいと思います。