許してあげてね。 | どこで輝いていても。~風の声、光の声~

どこで輝いていても。~風の声、光の声~

心理学、脳科学、量子力学、哲学、
精神論、自己啓発を融合した essay。


あの人の事、許してあげてね。

私が心から慕う人に、そう言われた事がある。

別に、あの人に謝ってもらいたいとか。

許してほしいとか、言われた事は無い。

だから私と、あの人をよく知る当人以外の人に、そう言われた日は本当にびっくりした。

私だって迷惑をかけたのだから、きっとお互い様だった。

人間だもの、自分の事を、周りでとても悪く言われていたのが聞こえてきたら、悔しくなったり不条理だと感じるのは当然の事。

だけど、まさかそんな風に間接的に言われるなんて夢にも思わなかった。と同時に、ずっと引きずってきて重かった失望の荷が、肩から背中から、スーっと下ろされていく体感を心と身体の両方で感じた。

ささくれだった傷を柔らかく癒してくれる言葉だった。

私達の周りには、人を癒す言葉と、人を滅ぼす言葉の両方が存在している。

癒す言葉にはバトンが付いている。

だから自分が癒された言葉をバトンにして、私は今日の貴方に渡したい。

許してあげてね。

貴方が、ずっと許せなくて心が疲弊して、明日が見えないなら、受け取って下さい。

そして又、そのバトンを貴方の大切な誰かに繋いでほしい。

あの時の貴方と、あの人は、二人とも生きるのに精一杯だった。不器用で、不必要に傷つけあったけど、それが、その時の精一杯だった。

不完全な人間同士がぶつかり合った。

バトンを渡していこう。貴方の次に、癒される誰かのほぐれた心を思い浮かべながら。