パンダにまみれながら。 | あかるくずぶとく

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関西にて役者として活動中、中嶋久美子(キャパシティせまめ ユニットまいあがれ)のブログです。
活動のご報告、日々のこと。書き綴ります。

荷造りをしている。


退職のタイミングで一度滋賀の実家に帰ることにした。


引っ越しは人生で2回目。

1度目は5年前に実家から今の家に出てきたとき。


なにかとひとの口から

「持ってたけど引っ越しのタイミングで捨てた」という言葉を聞くことがあった。


例えば衣装合わせのとき

ベージュのズボン持ってませんか

「引っ越しのタイミングで捨てたわ」


好きな本のはなしをしていて

「むかし持ってたんだけど引っ越しのときに捨てちゃった」


わたしはとにかく引っ越しをしたことがないので

なんでみんなそんなに捨てるんだろう。

また買うくらいなら持ってたらいいのに。

なんて思っていたけれど。


引っ越しにはものを捨てさせる凄まじいパワーがある。


というか。

わりと迫ってくる引っ越しの日、限りある段ボール。

悩むくらいなら捨てる。

持っててもいいけど洋服関係の段ボールはもう閉めちゃったから捨てる。

もう考えるのがめんどくさいから捨てる。


あぁ!これが「引っ越しのときに捨てた」の心情なのか…‼︎

と驚いている。


小さいおもちゃが大好きで、手芸が好きで本が好きでかわいい包装紙が捨てられない、とにかく生きていく上で持ち物が多いわたしは一度目の引っ越しは「何を持っていくか」だけが悩みだった。

実家が無くなるわけではないのでいらないものは置いていける。

しかし今回はそうも言ってられない。


死んだなほちゃんが中学の頃お誕生日にくれたキラキラのおもちゃのリコーダーを捨てた。


そのリコーダーにまつわる中学の音楽の先生との嫌な思い出がふとよみがえった。


知り合いのデザインしたポストカードを捨てた。

その人とのちょっと悲しい思い出がよぎった。


リコーダーもポストカードも見なくなれば、その思い出たちも思い出さなくなるんだろうか。


わたしは物も、思い出も、思いもどうしても抱え込みやすいたちだ。


もうちょっと、捨てていこう。

忘れていこう。


引っ越しはあと4日後。

荷造りはまだ終わらない。

様子を見に来た友人は、部屋を一眼見て

「ぜんぜん進んでない」って顔をした。


ブログを書いてる場合では、ぜんぜんない。




ここ数日はパンダに見られながら暮らしてる。