2108.【らんな劇場】節岐の次代⑪ 〜エピローグ〜 | 魔道士らんなのトーラムまいご日記

魔道士らんなのトーラムまいご日記

トーラムオンラインで支援職を中心にがんばってます♪
プレイ日記とらんな劇場というお芝居、そしてビモチャン生放送の文字起こしをできるだけわかりやすく書いています。

2015年7月から連続更新中っ


Twitter垢 @Ran_Toram

おはよん(*゚▽゚*)/なぁー
らんです!



今日は【らんな劇場】
節岐の次代最終話をお届けしまーす!

ガルドの助けを借り、エターナルクォーツを手に入れたアユミたちは、ベリル・マーカムの配下であったリコリスを撃退する。

はたしてアユミは未来に戻れたのか……っ?

最終話いっきまーす!


ぶーーーー(はじまる音)







数日後………。


やっとの思いでエターナル・クォーツを持ち帰った一行だが、それは思ったとおりの収穫だとは言えない物だった。
それにしても、倒したリコリスは上位魔族のベリル・マーカムに仕えていると言っていたが、ベリル本体はまだ存在しているのは間違いない……。

あの時、確かにガルド教官に塵に返されたはずなのに……。


らんにゃ『ふう……』
悩んでても仕方がない。
すっと立ち上がったらんにゃは、本棚から1冊の本を取り出し机に広げた。


らんにゃ『ここ見て…?』
らんにゃ『エターナル・クォーツはまだパーツがあるみたいだにゃ。この宝石を『いま』未来に持って帰ってもあまり効果はないと思うにゃ……。

まだ……アユミちゃんはこの時代に残らなきゃね……』

その言葉を聞く前に、アユミは半ば覚悟はしていた。


ゆうらんさんもまだ赦されたわけじゃないし、
エターナル・クォーツもまだ完全体になっていない。

これをあの焔の魔族に当てても、全くといって効きはしないだろう。

どちらにしても、まだまだあの時代に戻れる状態じゃないし、なにもまだ……できていないのだ。


アユミ『そうだね…… 
まだ戻るわけに行かないし、アタシ帰るとこないから……目処が付くまで……
アユミはひと息つき、恐る恐る訪ねた。


……ここに居てもいいかな?

らんにゃはそのアユミの不安を、悲しみを、笑顔で吹き飛ばすように即答した。

らんにゃ『もっちろん(o^-')b♬』

すべてを受け入れてくれるその言い方は、あのミライの司書長そのままだった。
アユミはこっそり小さく微笑んだ。





【クローヌの森・北部 神殿内】


ガシャ………

糸の切れた操り人形を、ゆっくりと赤いユリンが担ぎ上げる。リコリスであったものの脚や腕をぷらんぷらん揺らしながら、それをふわっと宙に浮かせる。

そのまますうーっと……滑るように空を切らせ運ぶ。

岩戸の方に人形を運ぶ赤いユリンたちは何を思うのだろう。

奥に光る瞳は虚ろに……

ただひたすらに命令に従う。 




【古の女帝の岩戸】

やがて女帝(みかど)の前にその人形はつれてこられ、足元にクシャッと崩折れた。

糸の切れた操り人形のように崩折れているニゴウキの身体はまるっきり生気がない。完全にただの人形に戻ってしまっているように見えた。

女帝はそっと杖を振り上げると、その杖の動きに合わせて、ニゴウキはぷらぷら立ち上がった。

メザルーナ『魔晶体が切れて魔族に乗っ取られたか…………

かわいそうにな……』

以前はただの人形くらいにしか見ていなかったメザルーナ。しかし今、ニゴウキを見る眼差しは明らかに『ヒト』を見る…温かみを持ったソレであった。

そう言うと、メザルーナはいったんゆっくりと滑るように奥に戻り……しばらくすると輝く光の珠を手の上に浮かべて戻ってきた。

そして………一息つくと
できたばかりの新しい魔晶体を彼女に捧げる。



ヴ………ヴゥゥゥウ………ン

オレンジ色に輝く魔晶体は探していた『主』をやっと探し当てたかのように、
あるいは、はじめからそこが自分の棲家のように……。
すぅっと……、ニゴウキの中に入っていった。

全身をブルっと震わせてニゴウキが再起動する。
まぶたを閉じたまま指先をピクッとうごかし……
感覚を思い出すかのように、身体の端から少しずつ……確認を繰り返すように動き出していく。



そして……ゆっくりとまぶたを開けていった。



ニゴウキが初めて見た景色。
そこには古の女帝が微笑んで腕を広げている光景だった。


メザルーナ『おはよう、
この素晴らしき世界へようこそ。

……リコリス



リコリス『おはようございマス!、マスター』
メザルーナに、リコリスと名付けられた少女は微かに微かに微笑んだように見えた。




その後………


アユミ『あったっ!
世界中のお宝はアタシのモノっ!』

ビシィっと天空を指すポーズは、本当に何を求めているのかがわからない。

今日もアユミはお宝探しに出かける。まれに現れるクリスタの中にエターナル・クォーツの欠片を求めて。


この建物はもう調べ尽くしたかな……
エルデンバウムを一望できる絶景ポイントでアユミは自問自答する。



まだまだ帰れないけど、何も進んでないけど……
もう少し……事態が進んだら未来へ帰ろう。

まだ何も変わってないけど、歴史の歯車は良い方に回って行っているはず………。



未来に帰るその時まで、アユミはお宝を探し続ける…。






〜12年後〜

柔らかい日差しの中。

暖かい病室で、柔らかそうなベッドに黒髪の女性がくつろいでいる。

ふっくらしたお腹を、優しくさすりながら女性は幸せそうに優しく微笑む。
そばには少年が不思議そうに女性のお腹を触り……『わ!動いたっ!』とはしゃいでいる。

隣に立つ大柄な男が背を向けたまま声をかけた。

大柄な男「もうすぐだな。
俺達の…ふたり目の子ども。
元気に生まれてくるといいなぁ。

大きくなったら、剣を教えてやるんだ」



黒髪の女性
「ふふふ、もう、そればっかり。

だーめっ(o^-')b
この子には、わたしが弓を教えるんだから!
女の子みたいだから弓のほうが似合うんだよ?


大柄な男『カケルは結局弓使いになったじゃないか!女でも剣を使って戦わなければ!』

黒髪の女性『また、石器時代みたいな事言ってる……』


大柄な男『そうだ!コレだけは譲れないぞ…!

もう……名前は決めてるんだ。
ずっと前から決めててな、
 
男の子ならアユム……
女の子なら………こう決めている。

……アユミだっ!
なかなか……いい名だろ(o^-')b?』


サヤカ『カケルとアユミか……悪くないね(o^-')b』

そう言ってサヤカはまた、愛おしそうにおなかを撫でる。すくすくと元気に兄妹で遊ぶ姿を想像しながら……




看護士ユイカ『コイナミさーん、検診ですー♬』


検診の時間か…。
絵に描いたように優しそうな看護士にサヤカを任せ、日の差し込む大きな窓から遠くを眺め、ガルドは物思いにふけた。





あの後……いつの頃からか、不意に消えた少女。

『ずっと探していたお宝を見つけた』と言い残し、故郷に帰ったとのことだ。

とても他人とは思えなかった、
あのいつかのウソつき少女の名を大柄な男はつぶやいた。
ガルド『アユム……ウソついてくれてありがとナ……
あのまま戦ってたら、

たぶん………俺の腕は……

ん?』




大柄な男『おりゃっー。』
眼下でちょこまか動いているカケルを掴まえ、肩に担ぎ上げる。不意に掴まえられたカケルは、イヤイヤと身を捩って暴れるがびくともしない。

カケル『放せよぅ!』
情けない声を出すカケルに大柄な男は豪快に笑った。

大柄な男『がははははっ!
カケル、俺を超えるくらいおおきくなれよっ!
これくらい……大きくな!

大柄な男はゴツい右腕一本でカケルを高々と持ち上げ、じたばたと暴れる我が子を見て目を細めた。




………

未来はまだ……何かが決まったわけじゃない。

アユミ……らんにゃ……ゆうらん……ガルド………

この4人だけで何かをひっくり返す事は、
もちろんできない。



しかし………

この突拍子もない未来の話を……
ひとりでも多く、聞いて信じる冒険者が動いたら………




誰も、未来の事なんてわからない。
しかしみんなが動けば……なにかが、かわる。

そうミライはいまも、まだ決まっていないのだ。




おしまい



キャスト:アユミ  らんにゃ
     ガルド  ミツキ
     ゆうらん リコリス
特別出演:看護士ユイカ 
         ユイちゃん

ロケ地:ルフェナス邸
    ユイ熊総合病院
    いにしえの岩戸

制作:2020-2021節岐の次代制作プロジェクト
監修:魔道士らんなのトーラムまいご日記





はいっ
全11回の節岐の次代、お楽しみいただけましたかー?

ニゴウキのリコリスは、けっこう前、それもミツキ誕生の頃から『汎用ヒト型魔導具3号機』と言ってたのですよね(o^-')b

なので、豪運vs豪運の戦いというのは前から想像してて、伏線もちょこちょこ出してたんですよね(*´艸`*)
今回無事に2号機ちゃん(リコリス)出演できて良かったです♬


ガルドのこの名付けエンディングも、どこかでこのシーン見たことがありません?

【すぐに思い出せた人………】
読んでくれてありがとう!80点!
【タイトルまで思い出せた人………】
なかなかの劇場マニアさんですね、90点!
【サブタイトルと台詞まで言える人】 
すごい読み込んでいらっしゃいますね、100点!

これも名付けのときに前から出そうかと思っていたシーンです。

皆さんのおかげで無事に書き終えられました。
ほんとにほんとにありがとね(o^-')b


でわでわ………

今日も元気に
行ってらっしゃい♬


またねっ♪(゚▽^*)ノ⌒☆