プリモプラン レンズ界の絶滅種 | シネレンズとオールドレンズで遊ぶ!

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カメラマンヨッピーのブログ。シネレンズやオールドレンズなどのマニュアルフォーカスレンズをミラーレスカメラに装着して遊び、試写を載せていきます。カメラ界でまことしやかに語られているうわさも再考察していきます。

M42 MOUNT SPIRALさんの記事でこのレンズの写りに魅了され、探し歩くこと数ヶ月やっと入手しました。
もはや片思いです。


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苦労して手に入れたことを差し引いてもこのレンズ、凄まじいです。

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ピント面以外は崩壊しています。

なぜこのレンズがこんな激しい描写をするのかといえばこのレンズの構成がエルノスター型であるからである。

画期的発明だったテーラーホブソンのトリプレットの登場後、当然ながらトリプレットの進化系レンズも多数登場した。色消しを追加し画質の向上を狙ったテッサータイプ、泣き所であった明るさを追求したスピーディック型やエルノスター型。しかしテッサータイプを除くそのほとんどは過渡期的なレンズで後世に残っていない。


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ちなみにテッサーはウナーやプロターなどのレンズを理論展開していった結果出来たレンズでトリプレットとは一線を画すという説もある。

このPrimoplanが採用したエルノスター型も現代では残っていない。エルノスターの生みの親ベルテレがその後エルノスタータイプをブラッシュアップしてゾナーを発明している。このゾナーでさえ名前が残っているだけでJupitar-9などの例外を除き、ほとんど姿を消している。

このあたりは僕がこのレンズを知るきっかけになったM42 MOUNT SPIRAL 『Meyer-Optik Gorlitz Primoplan(プリモプラン) 58mm F1.9(M42)』 に詳しく載っています。


進化過程で淘汰されてしまったレンズ構成というところに惹かれてしまいます。

例えばT-REXやサーベルタイガーやメガロドンのようにアンバランスが故に姿を消してしまった生き物のようにロマンを感じるのです。
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かつてプリモプランの破天荒なボケはガウスタイプの洗練された写りに駆逐されてしまったのであるが、ガウスタイプのおとなしいボケしか存在しない現代においては、そのアンバランスさが言いようのない魅力に写るのではないだろうか。

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実はこのレンズ、Cine Mackenstein Paris用の2.5cmF1.5や5cmF1.5が存在するようです。


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さらに強烈な個性の予感にドキドキしてしまいます。

レンズ探しはまだ続きそうです。

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