日本全国から沖縄のとある島に集まった人たち
年齢も、職業も、生い立ちもバラバラ。
何のために集まったか。
それは、サトウキビ刈りのアルバイトのため。
島のおじい、おばあの古民家に寝泊まりをして
朝から日が暮れるまでひたすらサトウキビを刈っていきます。
不便だし、自分のペースではいられないし
知らない人同士の共同生活は大変。
肉体労働で体もクタクタ。
些細なことでぶつかったり、
心の葛藤や傷つきが炙り出されて
逃げ出したくなったり。
色々な問題が起きてくる。
そんな中でも、サトウキビを刈り終えなければならない期限が迫る。
何かが起きるたびに少しずつ、ほんの少しずつ心の距離が縮まり
助け合う心も芽生えていく。
あれもこれもと忙しい日常を離れて
同じ時間に起き、
一緒に食事をし
太陽を浴びて身体を動かして
また食事をして床につく
その毎日の繰り返しの中で
人と本音で関わり
自分を見つめ直すことになる
身体を動かすことで
一面のサトウキビ畑がどんどん刈り取られ
その形を変えていく
はじめはだらだら刈っていた人も
文句ばかり言っていた人も
気持ちが切り替わっていく
一丸となって精を出したことで
全て刈り終えることができ、
清々しい気持ちを味わう
心やメンバー同士の関係性とサトウキビ畑の変化がリンクして
見ている側にも爽快感としみじみとした喜びがありました。
きっと、毎年色々なことが起きるのだと思う。
おじいとおばあは、まるっと包み込みながら
変わらず美味しい島の食事をこさえて
信頼しているからこそ手を出さず
ありのままを見守るのだろうな。
自然みたい、と観ていて感じました。
炭酸飲料を飲めば一瞬はスカッとするけれど、
このアルバイトの時間は、また違ったじわじわとしたもの。
自然のリズムにそって身体を動かすことで
心と体の不純物や老廃物が燃やされ溶けていくような
気がついたら朝起きた時の感覚が違っていた、というような
そんな感じのスッキリ具合なのだろうな。
ちょうど、サトウキビの刈り取りは今頃のはず。
1日で根を上げる気がするけど、やってみたい。
この映画は何年かに一度見たくなります。
DVDを買った数少ない映画のうちの一本です。
Amazonプライムでも見ることができるので、
よかったら観てみてください。
派手なところはなく、
心が静かに満たされる作品です。