前回の911に関するブログ記事のコメント、ありがとうございます!コメントはどの記事でも必ず読んでます。
POLITICOにものすごく興味深い記事が → We're the Only Plane in the Sky
9-11が起きた直後。
当時大統領だったジョージ・W・ブッシュは、あの最初の8時間、何をしていたのか?
実は、空を飛んでたんです。
非常事態、しかも前代未聞のアメリカ領土で起きた大規模の攻撃。まず大統領の身を守ろうと、ブッシュさんはAir Force One(大統領専用航空機)にアドバイザー数名、シークレットサービス(SP)、CIA役員、記者、そして大統領専用フォトグラファーとともに乗せられた。
地上より、空のほうが安全だということで、空軍のジェット機に囲まれながら、Air Force Oneは911同時多発テロがあった直後の数時間、ずっと空を飛んでいた。
この記事は当時、ブッシュさんの周りにいた方をインタビューし、彼ら彼女らの言葉でつくられています。
この内容を全部翻訳することはできませんが、私が興味深いと思ったところを一部紹介します。
有名な写真です。
テロが起きたとき、ブッシュ大統領はフロリダ州の小学校を訪問していました。
小学生と絵本を読んでいました。
当時のチーフ・オフ・スタッフ(大統領首席補佐官)、アンディ・カードによると
教室の入り口に立っていた僕は、今から大統領に伝えなければいけないことは、大統領として絶対に聞きたくない言葉だと分かっていた…先生が生徒たちに教科書を出してといったので、その間を使おうと、僕は大統領に近づいた。小さな声で彼に耳打ちした:「飛行機が2機、世界貿易センターに突撃しました。アメリカは攻撃を受けています。」 大統領が僕に質問を聞けないように、すぐに彼の横から離れた。生徒たちは完全に教科書に集中していた。
カール・ローブ(シニア・アドバイザー)によると
校内に設置したスタッフエリアに戻ったら、大統領はこう言った:「戦争だ。FBI長官と副大統領に電話してくれ。」
その日予定していたイベントはすべてキャンセルし、ブッシュ大統領はエアフォースワンへ。
ゴルドン・ジョンドロー(スタッファー)によると
エアフォースワンはかなりのスピードで離陸した。映画「インデペンデンス・デイ」のようだった。ロケットのように離陸した。
エリック・ドレーパー(大統領専用フォトグラファー)
飛行機に乗ってからすぐ、大統領がキャビンから出てきた。「Okay boys, this is what they pay us for (簡単に:これが僕たちの任務だ)」、と彼は言った。この瞬間を僕は一生忘れない。
アンディ・カード
本当に僕が思うのは、ブッシュ大統領は2001年の1月に就任しましたが、2001年9月11日のあの瞬間 ― 僕が彼にあのフロリダの小学校で耳打ちしたあの瞬間 ― あの時に彼は心の底から大統領としてアメリカを守ろうと、本当に思えたんだと思います。税金の話とか、教育の話ではなく ― アメリカを守る、ただそれだけ。大統領を選ぶとき、こういう非常事態に冷静に対応できる大統領を選ぶべきだとこの時思った。
ソニア・ロース(AP記者)
目的地もなく、ただ飛んでいた。おそらくフロリダの上をぐるぐるまわってたんでしょう。フロリダの地元ニュースに繋がったり、繋がらなかったり。あれが唯一の、外の世界との小さな窓口だった。
911が起きたのは15年前。当時はまだ飛行機でテレビを観るのにも限りがありました。
カール・ローブ
アメリカ領空内で、まだ連絡を取れていない飛行機が6機あった。ハイジャックされていて、またテロ攻撃を起こすかもしれないと私たちは焦っていた。きゅうに電話がなった。ブッシュ大統領が出て、「わかった、公認する」といった。彼は私たちのほうを向き、これからハイジャックされたと確認できた飛行機は、(民間人が乗っていようと)空軍が撃ち落とすことを公認したと言った。
ゴードン・ジョンドロー
緊急対応体制にアメリカが入り、ブッシュ大統領が一番気にしていたのが、ロシアが反応しないか、攻撃されると勘違いしないか、だった。でもプーチン大統領は理解してくれ、ロシアは動かないと保証してくれた。アメリカが攻撃され、それなりの対応をしなければいけないことをプーチンはわかってくれた。
アリー・フレイスチャー(ホワイトハウス報道官)
プーチンはあの日、最高の味方だった。2001年のプーチンは今と違う人のよう。2001年9月11日、ロシアとプーチンはアメリカの友だった。
もっともっと色々あるのですが!
ちょっと長くなりすぎるんで、ここまでにしておきますーー
ひとつ付け足すとしたら。
日本に来てから、そして私の背景を知られてから、よく聞かれるのが、「911はブッシュの仕業なんだよね?」とか「911は実はアメリカが防げたんでしょう?」とか「911は本当はCIAとアメリカが起こしたことなんでしょう?」とか。
あの事件の背景も、その後何が起きたのかもあまり知らず、「都市伝説が好きだから」と言われ、よく聞かれるのですが。
なんて不謹慎なことをなんの気遣いもなく聞いてくるんだろうと、毎回思っています。
私は911で知人を亡くしています。911は私の中できっかけでもあり、分岐点でもあり、トラウマです。
これは911に関してだけではないんですが。海外のことになると、急に日本人が誇る「気遣い」がびっくりするほどなくなるときがある。
海外や外国人との触れ合いが少ないからこそ、異国すぎてどうでも良いのでしょうか…一般のアメリカ人が聞いたら多分イラっとしたり、普通に傷つくことを、「アメリカ人ってこうだよね」と言われたり、根拠もない偏見をぶつけられたり。多分私が日本人でもあるから堂々と言ってくるのでしょうけど。
みんながこうではもちろんないのですが、たまにびっくりします。単一民族国家と言われる日本のディメリットはここだなと思ってしまいます ― あまり他の文化や国の人と触れ合わないからこそ、実際会ったときに適切なコミュニケーションが取れない、結果的に不自然で失礼な印象を残してしまう。異文化に対する偏見が多い、そして根深い。
私も日本に来てどれだけびっくりし、「アメリカ人」として色々言われ、「何を根拠にそんなことを言うのだろう?」と思ったことか…。
日本、大好きなんですが、いまだによくわからない部分もあります。
私の考えすぎなんでしょうか?どう思いますか?
長くなりましたがー!
今年は初めて911記念日を日本で過ごしました。毎年この時期になると、色々考えさせられます。
Have a peaceful night everyone...