たった二泊三日ですが、日本を離れて台湾から日本の政治を眺めてみると、その自堕落ぶりが本当に情けなくなります。
まずは沖縄県の問題ですが、この知事は公約で辺野古移転反対と言って当選したために言わざるを得ないのはわかりますが、普天間基地をいつまでも辺野古に移設させないのは付近の住民を見殺しにしているのと同じだとなぜ気づかないのでしょうか。
「銃剣とブルドーザーで土地を奪われた沖縄」と翁長知事は表現していますが、辺野古の海兵隊の基地は辺野古村が誘致して戦後に造った基地であります。
決して銃剣とブルドーザーで奪った土地ではありません。
でも、普天間基地の480ヘクタールを返還されるとその地代はもうもらえなくなります。金の卵を産むアヒルを殺してお腹を裂くようなものです。
でも、辺野古に移設すると海を埋め立てるために新規の陸上部分だけは50ヘクタールくらいしかないそうです。
つまりもう160ヘクタールの土地は米軍が辺野古村時代から借りている土地なのです。
反対派の人たちが一体何を求めているのでしょう?
台湾に行って、特に今回は田母神閣下と一緒だったので、空軍軍史館などに行ったのですが、やはり台湾防衛のために人材の育成や装備の充実などに必死になっている様子がひしひしと感じられました。
もうそこは最前線なのです。
そして日中国交回復の際に日本が台湾を見捨てたと言われますが、
台湾に日米が独立を進めていたということも聞きました。
しかし、1975年の時点では蒋介石がまだ大陸反攻の看板を下ろしたくなかったために断り、そのために「中華民国」という国名を残したことが「中華人民共和国」が同じ中華で同じ国だと主張する根拠となり、一国二制度と詭弁が使われ、日米が内政干渉だと言われる言質を取られることになったのです。
もし、あの時に大陸反攻の旗を降ろし、「台湾」として独立しておれば、逆に日米がCHINAに対して内政干渉をするなといえたのに、とても残念です。
これはひとえに蒋介石の蒋家を存続させたいがための我欲だと思います。
徳川慶喜は徳川家を存続させることよりも、内戦により英仏の思う壺にはまらないようにと考えて徹底抗戦をあきらめ、卑怯者とののしられようとひたすら恭順の意を表しました。
実家水戸家が尊皇の家だったことも影響あると思いますが、自家のことよりも日本国の独立を保つことを念頭に置いた行動だったと思うのです。
日露戦争の勝利の立役者だった明石元二郎大佐が後に台湾総督になり一年余しかたっていない時に一時帰省していた福岡で亡くなりました。
死期を悟った明石元二郎総督は、「自分がもし死んだら台湾に埋葬するように」という遺言を残します。
死後、遺言通りに台湾に埋葬されますが、戦後蒋介石によって墓は荒れ果てていました。それをきちんと整備させたのが李登輝閣下です。
今では李登輝事務所のある淡水という町にお墓があり、戦前建てられていた明石神社は鳥居だけが復元されています。
これは吉田松陰先生の「身はたとえ 武蔵の野辺 朽ちぬとも 留めおかまし 大和魂」という辞世の句でわかるように、自分の使命を死しても全うするという日本の侍魂にあふれた行為です。
しかし、蒋介石の棺はほんの最近まですぐに大陸に移せるように埋葬も固定をされずに置かれていただけだったそうです。
李登輝閣下はこれらの日本人の生き様から学び、自分の指導者としての性根を形成させました。
もちろんその根幹とあるものはご皇室の存在です。
しかし、ご皇室がない台湾でそれに近いものを作るためには自らが身を律して国民に範を示すしかなかったのです。
そして国民の意識を元の日本時代のものに変え、台湾人としての誇りを徹底的に植え付けました。
それで意識改革を実現し、一滴の血も流さずに民主化に成功したのです。
日本のマスコミはシンガポールのリークアンユー元首相を讃えますが、彼の後継者は息子です。リー一族の政権になっており、独裁制と言ってもいいでしょう。
シンガポールはマスコミが絶賛しますが、台湾はなぜかあまり取り上げません。親日度では台湾が群を抜き、シンガポールはどちらかというと反日国家なのです。
だから今回の訪問団には産経新聞九州山口総局から同行取材をするためにみんなで従軍記者と呼んでいた田中さんが同行していました。きっと来週から素晴らしい台湾の記事を書くでしょう。
CHINAからみて、日本列島や南西諸島(沖縄県)そして台湾は邪魔で仕方ないのです。ぜひ、地図を見てください。
なぜか日本の戦後の教育は地理と歴史を別物に分離しています。さらに戦前の方にお聞きすると歴史は教養科目の筆頭であり、人気教科だったにもかかわらず、戦後は歴史は嫌いな学科の筆頭になっています。
これも何を示唆するかを考えなければなりません。
台湾、そして沖縄県(南西諸島)はCHINAが喉から手が出るほど欲しい地域です。
馬英九という親中政権を誕生させ思惑道理に進めていましたが、台湾は学生たちが立ち上がってCHINAよりの法律を阻止しました。
でも、日本では沖縄県をCHINAに差し出すのと同じことを平気でマスコミはじめ反対派が蠢いています。
一部の学生は政府の方針に反対だと言って騒いでいますが、ほとんどの学生は政治にはまったく無関心になっています。
台湾の学生のような行動は起こせないでしょう。仮に起こしても他の学生の支持が得られません。なぜなら、その結末の恐ろしさを想像することさえも不能になっているからです。
政治かも細野豪志のように国立大学で卒業式や入学式という大切な儀式で国旗掲揚や国歌斉唱という他の国では当たり前のことを徹底するようにと総理が発言したらそれを「幼稚だ」と批判するような間抜けぶりです。
国旗の下に国民が結集して国難に対処することは、独立国では当たり前のことです。
以前、国際スポーツ大会で韓国がよかれと思って金正日の写真が入った横断幕を歓迎を意を表すために掲げていると、北朝鮮の美女軍団がそれを見て涙を流していました。
うれし泣きだろうと韓国の人は思ったのですが、実際は冷たい雨に尊顔を晒されて将軍様が可愛そうだという嘆きだったことがあります。
そこまではどうかと思いますが、それほど国家の中心となる存在は国民にとって大切なものなのです。
キングカズが「自国の国旗に敬意を表せない人間が他国の国旗を敬うことができない」と発言をしました。
さすが単身でブラジルに渡ってサッカー道を邁進している人の名言ですね。
細野豪志もその意識が欠けているので、国民からの信頼が獲得できないのです。彼は何を持って祖国を祖国として足らしめていると思っているのでしょうか。
李登輝閣下は哲学を持った偉大な政治家です。その言葉を直接10分でいいから聞いたら自分の今までの言動が恥ずかしくなることでしょう。
日本という国家が存続するためには自分たちの祖国を自分たちで護るという気概をどれだけの国民が持っているかによってその生死が分かれると思ってください。
台湾もすべての国民がそう思っているわけではありません。だからこそ強い政治家が祖国を護るという気概を持って政治をしたのです。
来年に実施される総統選挙が見物です。これは台湾の元首を選ぶ直接選挙です。これも李登輝閣下の時に実現させたものです。
それはすべて台湾の人々のために良かれと思ったことです。
もし、李登輝閣下が日中国交回復の時に総統だったら、中華民国として存続せずに台湾として躊躇なく存続させたことでしょう。
日本の政治家、特に野党の政治家いやすべての政治家は李登輝閣下に会うべきだと思います。
考え方を学ぶのではなく、指導者としての心構えをきくことをお勧めします。なぜなら、自分の思想をしっかりと持った政治家がその国の指導者にふさわしいからです。