宮本外骨のハート 477

宮武外骨　滑稽新聞　スコブル





教育画報 ハート



教育画報 ハートは、明治４０年、
宮本外骨さんが41歳のときに発行された
オールカラー、１６頁の小雑誌です。






ハートは智情意の心的教育即ち理性的の判断力を与える、
智育、審美的の趣味を高める情育実行的の勇気を養成する
意育を主として編纂す。

この前書きでは、難しそうな雑誌が連想されますが

ハートは教育の本源たる
児童の好奇心を満足せしめんがため
努めて奇抜の材料を蒐集す。
こちらの方が、内容にふさわしいでしょう。




O T O san
宮本外骨　ハート　郷愁倶楽部



穿胸国人

交通機関の発達せない時代には地球の形状も知らず、
人種の如何も解せなかったので、種々の奥説を唱えたものだ。
この図は昔の節用大全などにある異国人物の一種。
胸に穴があいている国人で、
富貴のものは二人に担がれて旅行するという
馬鹿げた話
宮本外骨　ハート　郷愁倶楽部





人面瘡

昔は此の人面瘡を病みしもの往々ありしと聞く
膏薬の代わりに飯粒を食ましむれば
一時其の痛み止まりしと云う、
記者其の真偽は知らず
　
宮本外骨　ハート　郷愁倶楽部





生理上の写真

網膜の中心にある黄点に映った物体の形象は、
鏡に映った形象のように容易く消失せるものではない。
窮理図解という古い物理書にあったかと覚える。
西洋のあるものが夜中誰かに殺されたのを
翌朝検視の医師が死人の眼を開けて見たに
其の加害者の映像が残っていたという。






犬を走らす法
宮本外骨　ハート　郷愁倶楽部



回文
宮本外骨　ハート　郷愁倶楽部






滑稽加減乗除
宮本外骨　ハート　郷愁倶楽部





お菊蟲

演劇でする鉄山皿屋敷の
お菊が縛られている姿に似ているので
お菊の亡霊が此蟲になったと云うのは妄説である。
これはからたちなどに居る青蟲が化した蛹である。






趣味と實益のある此ハート永く保存して机上の友とせよ

種が尽きてしまったのでしょうか、
ハートは三巻で打ち止めだったようです。
宮本外骨　ハート　郷愁倶楽部






畸人變物 宮本外骨

外骨は一代の奇才にして
畫策往々にして人の意表に出て
悉く凡人の端倪を許さず。
その変わり方の激烈なる外骨名に背かず。
大阪時事新報・大正５年




関連ページ




＊俳句でＤiary ─ できるかな？の灰色の猫さん、
　読者登録ありがとうございました。