有名会社が販売中止!?「レチノール化粧品」の危険性とは | かずのすけの化粧品評論と美容化学についてのぼやき

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前回

「シワやたるみに効果がある」と

ネット上で少しずつ人気を博して来た「レチノール」について

その効果は驚くほど緩慢なものである

というお話をしましたね。


シワ・たるみを解消?有効成分「レチノール」の効果とは



そもそもレチノールとは

肌の代謝を促進する「トレチノイン」の前駆体です。


体内に摂取されたレチノール(ビタミンA)は、

皮下組織内の特定の酵素の働き

レチノイン酸(トレチノイン)に変化し皮膚のターンオーバーを促します。


そのためレチノールをそのまま化粧品に配合したところで

酵素の影響を受けることができず

トレチノインのような代謝促進効果は見込めないのです。




しかも、

レチノールはただ単にほとんど効果を与えないというだけでなく


油断していると困ったリバウンドを得る危険すらある、


少々問題の多い化粧品成分なのです。



今回はその、

「レチノールの危険性」についてのお話になります。



◎トレチノインの副作用


まずレチノールの危険の前に、

医療分野で扱われるトレチノインの「副作用」の話をしておきたいと思います。


まず以下の写真をご覧下さい。


これはトレチノイン治療を受けた人の皮膚の状態になります。


見て分かるように、

皮膚の皮が異常にめくれていますね。


トレチノインの有効効果として


「皮膚のターンオーバーを促進する」


という効果を紹介していましたね。



「ターンオーバー」とは簡単に言えば

皮膚の角質細胞の発達のことです。


トレチノインはそのターンオーバーを急激に早めてしまうため、

上の写真のように皮膚がどんどん剥けていきます。

そして新しい皮膚細胞が生成されます。


トレチノインによるシミやニキビ痕の改善は、

この作用を何度も繰り返すことで効果を得られるということです。


なるほど効果があることは確かですが、

まずこのような急激な変化が肌にとって負担にならないわけがなく、



まず急激に生成された角質細胞は未発達であり

トレチノイン治療中の肌は

紫外線の影響をモロに受けてしまうようになったり、

刺激に弱くなり皮膚炎を発症しやすくなったり、


その副作用はかなり大きなもので

医師の監督の下でなければ安全に使用することができません。



そのためトレチノイン治療期間中は高SPFの日焼け止めの使用が義務付けられるそうです。




◎「レチノール化粧品」販売中止



さて、本題の「レチノール」に関してですが


みなさんはこのニュースをご存知でしょうか?


→肌トラブル多発、化粧品を販売中止 第一三共ヘルスケア(朝日新聞)


第一三共ヘルスケアの

「ダーマエナジー」というシリーズのレチノール化粧品が、

昨年12月に販売中止になるという事件がありました。


これはこのシリーズのレチノール化粧品を使用した利用者に

皮膚の炎症や肌荒れなどの被害が続出したためでした。


カネボウのロドデノール白斑事件に比べれば

一生ものの被害というわけでもなかったので

マスコミでもあまり大きく取り上げられませんでしたが、


実はごく最近このようなことが起こっていたのです。



◎レチノールで肌荒れ?


ダーマエナジーに配合されていたレチノールは

「パルミチン酸レチノール」と呼ばれる誘導体です。



ただのレチノールは非常に不安定で、

空気に触れると直ちに変質してしまうため

パルミチン酸や酢酸などとエステル化し

安定化した誘導体が化粧品として昨今はよく利用されます。



実際もっとも肌に対して刺激があるのは普通のレチノールです。

「不安定」ということは刺激があることと同じで、

レチノールは空気に触れて変質する際に皮膚に刺激を与えます。


誘導体化したレチノールはその安定性が向上しているので、

レチノールに比べれば誘導体は刺激が弱くなります。


ですがそれでも配合量が多くなってしまったり、

皮膚に浸透するような成分と配合することで


肌にとって明らかな肌荒れを引き起こすに十分な刺激を与えるように

なってしまったということでしょう。


特にレチノール化粧品を購入するうえで

「高濃度配合」「高浸透力」

という文句には十分注意が必要ということになりそうです。


※第一三共ヘルスケアの配合量は医薬部外品基準値内ではあったそうです。



◎レチノールの肌荒れとトレチノインの角質代謝は別モノ


レチノール化粧品を販売するメーカーは

レチノールによる肌荒れを

「レチノイド反応」

などと言って

「レチノールを使うと始めは肌が荒れるんです!」

という風に言いくるめて販売することがあるようです。



しかし実際のところ

レチノールは皮膚の奥底に浸透することはありませんし、

そもそも「レチノール」には角質代謝促進の作用はほとんどありません。


なのでレチノール化粧品による肌荒れは、

レチノイド治療に見られるターンオーバー促進の過程によるものとは

全く異なるモノであり、


実際のところは単にレチノールの刺激に肌が負けて荒れているだけ

の可能性が高いと言えるでしょう。


ちなみに「レチノイド反応」なんていう反応は正式には存在しないので、

胡散臭い文句には流されないようにしたいところです。



◎敏感肌にレチノールは厳禁!


付けてすぐに肌が荒れる

というレチノール化粧品の皮膚刺激は、


洗剤や保湿剤やアルコール程度の比ではありません。


敏感肌で化粧品を選ばなければならない人や、

ニキビ肌の人などにはとても刺激のある化粧品になります。


ほとんどシミやシワやニキビ痕の解消に効果は無いばかりか

皮膚刺激がとても強い


ということになると、

わざわざ高いお金をかけて使い続ける価値はほぼ無い

と言ってもおかしくはないでしょう。


むしろレチノール化粧品で明らかに肌の調子が崩れた

という人もたくさんいるようですし、



やはりお肌に関して

「魔法の化粧品」

というものは存在しないのだなぁ

といつも感じるところです。


魔法のような効果を求めれば求めるほど、

それはお肌にとっては負担になることの方がよほど多いのですね。





では今日のところはこのあたりにしておきましょう。






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