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『夫との出逢いはスピリチュアル』22
その夜は眠れなかった。
だけれども
ヒナココはヒナココという一生懸命仕事をしてきた人格を消そうとしていたのは
間違えだった気がしてきていた。
本名の私も今は不幸ではない。
そしてヒナココな私も
本当は誇り高く、
楽しく朗らかな人物だ。
ヒナココは愛されていい。
ヒナココは生きていていいんだ。
消す必要ない。私は1人の人に愛されなかった結果で
ヒナココを消す必要ないのだ。
相手に相手の思惑があるだけ。
私自身には関係ない。
それは私自身が
ヒナココとして受けた傷を回復する儀式だったのだ。
パワオブザメンはその役割を引き受けてくれた。
後日彼は言う。
『あの時はどうかしていた』
そう今ならわかる。
神さまがパワオブザメンに言わせたのだ。
ヒナココがヒナココ自身で
『ヒナココは頑張った。一生懸命やった。
大丈夫。これからも自信を持って生きる』
と言えるように、
神がパワオブザメンに
憑依した。
ヒナココが再生するための大切な儀式を
パワオブザメンの身体を借りて
不思議な力が働いたのだ。