一昨日、ギックリ首になった。

前回の処方を見たら2018年。

いまの家に引っ越してきてからだから、4年弱ぶり。

 

ここ最近ジャズダンスに通っている。

仕事終わりに行くのに都合のいい時間で調べたら、ちょうど良いクラスがあって、楽しくて、始めてから4ヶ月くらい。イメージを使って、自分の踊りを踊ってください。私はどこへ行っても最近これなんだよな。

動きを追うのに精一杯。それよりも大事なことがあるけど、「振り付け」という制約の中で、自分のできることを表現するのが好きなのかもしれない。自分の踊りを踊るってことが、自分でない誰かの基準になるのではないかという恐れがある。そのバランスに悩まされて、難しくて、ワクワクする。

夜の大久保駅前の細い路地には独特のかおりと色がある。楽しそうに飲んでいる人たち、外国人の人たち、怪しいマッサージ店の看板、水タバコ店の匂い。

そんなジャズダンス教室が、その日は急遽、休校だった。

 

交通費が勿体なかったなと思いつつ、仕事帰りの疲れた体は正直少しホッとして、家路に着く。

ご飯を作るのは面倒で、スーパーで安くなっていたビビンバ丼にとろけるチーズを乗っけてレンジでチン。

食べながらアマプラで「君の名前で僕を呼んで」を見る。

数年前、オーディションに落ちた帰り道、新宿で見たんだっけ。その時はとても興奮したのだけど、今回はそれほどでもなかった。本も読んでしまっていたので、期待した描写がなかったからかもしれない。相変わらず美しいとは思った。

 

次の日が休みと思うと夜更かししてしまう。携帯でYouTube見て、お風呂に入って寝た。

そして朝目が覚めて「ヤバイ」と思った。首がずしんと重く痛い。起き上がれない。

何年か前に体験した痛みほどではないが、泣きそうになる。昼前まで寝る。

起き上がるのに苦労しつつ、夜の稽古会はお休みすると連絡。

痛いながらもお腹が空いたのでフレンチトーストを何とか作る。

テレビで「ポンペイ」って映画やってて見る。美女の描写が王道すぎてなんか萎える。

だけど最後までみた。

 

起きてるのが辛くて横になる。久しぶりにポッドキャストでハイパーハードボイルドグルメリポートを聞く。

福島の汚染地域で10年間1人で住んでいる男の人の話。

蜂を飼っていて収入はほぼそれだけ、あとは自給自足。

街から人はいなくなった。帰還許可が出されても帰って来る人はいない。人口のほとんどは除染の職員。

山の中で暮らす男性。風呂はない。冷水のシャワーだけ。

何のために戻ってきたのかという質問の答えは意外にも「動物が居るから」

汚染地域の動物たちは、皆んな殺されてしまう。外には行けない。

誰かが餌をやらなければ見殺しになる。それはできない。その理由。

なんか、優しいな。優しい人なんじゃないかな。

善良な人って、苦労するのだと思う。人の幸せは測れないけれど。

汚染された川の鮎を10年食べ続けている。川で取れた鮎と収穫したピーマンで天ぷらとビール。

暗くなったら寝る。朝早く起きる。動物たちを世話する。

 

パパラッチの回。芸能人、タレント、作家、スポーツ選手、あらゆる有名人のゴシップを狙う。

車の中で何時間も、その瞬間を待つ。聞いてて、むしろそこまでできるのが凄いなと思う。

好きじゃなきゃできない仕事。

俺たちは頭がおかしいんだと思うと語る男性。

小学生の時にNASAのチャレンジャー号が爆発したことが、関係しているのかもと語る。

人は、どこかで、人の不幸を喜んでいる。

だからゴシップも週刊誌もなくならない。

それが自分の親しい人であれば許せない。

なんか、わかると思ってしまう。人の本性だと思ってしまう。そこに安心してしまう自分もいる。

残酷なことができるんだ、人間は。私の中にも絶対にある。

 

夜は納豆チーズトースト。今日はお風呂に入れない。横になる。

Spotifyのおすすめで出てきた古典ラジオというポッドキャストを聞く。

金があったら偉いのか?!資本主義なんたらかんたらっていう回。

資本主義を構成する6つの要素、歴史、ポスト資本主義とは・・・

お金があっても幸せになれない。お金がなさすぎても幸せになれない。納得。

資本が資本を産む。ゆえに格差が生まれる。生産性を上げるためには、増幅していくしかない。

今のバイトもまさにそうよな。

資本主義が発展したおかげて、私たちの生活は豊かになった。確実に。

だけど、幸せにはなれない。途方もない。

 

次の日。朝起きると冷たいあめ。

首はまだ痛い。起き上がるの辛い。

バイトは休んだ。2年以上働いて初めて病欠した。電話したらあっさり「分かりました〜」

そんなもんよね。

 

だらだら寝て、また納豆チーズトースト食べて、テレビはつまらなくて、古典ラジオを聞く。

吉田松陰の回、スパルタの歴史。

歴史って面白い。私たちの常識をぶち破ってくれる。芸術もそう。

己の知っている世界など、ほんのわずかな歴史の一部でしかない。

性の歴史も面白かった。全部で何時間あったんだろうか・・・

何が当たり前なのか、何が犯罪行為なのか、何に欲情するのか、それは、私たちの本能ではない。

欲望でさえもOSなのかもしれない。現代社会のシステムの中で、起こるもの。

裸で欲情しない時代だってあったし、ギリシャ人は皆んなバイだった。

これから先、マスクを外した口元に欲情する時代が来るかもしれない。

 

通信機器の歴史も面白い。

このブログは最たるもの。

文脈を持たない匿名の個人が、好きに世界に発言できる。そして時にそれが何の脈絡もなく注目を受けたりもする。

時代の中で私たちの欲望は変化する。適応していくのが進化。

そう思ったら、何でも好きなことをすれば良いという気になる。

 

アテネでは「暇である」とが尊ばれたそうだ。

私も首を捻挫して暇だったからこんなこと書いている。

怪我の功名。