自己紹介・珍獣編 | 立命館ミュージカルサークル

立命館ミュージカルサークル

立命館大学・同志社大学を中心に活動するミュージカルサークルです!毎週月、土曜日に中京青少年活動センターか立命館大学内にて活動しております。立命・同志社生は勿論のこと、男性や他大学の方も大歓迎です。新入部員募集中\(^o^)/ 見学もお気軽にお越しください。


皆さまご機嫌いかがでしょうか、立ミュの荒ぶる珍獣こと中谷桜、正式名称ザック・ザック・ザックがお送りしております。失礼しましたZACKは愛称です。中谷桜が本名です。やれ十連休だ十連勤だと騒がれたGWからおよそ1ヶ月、初夏の候となりました。私は4月から6月にかけての時期が環境的にとても苦手なので毎年この頃はとりわけダウンしてしまいます。珍獣も環境の変化には弱いものですね。
 さて、先程から珍獣珍獣と申してはおりますが当然の事ながら私はれっきとしたホモ・サピエンスであり立命館大学に在籍中の文学部2回生です。ほぼ一年前にここ立命館ミュージカルサークルへ入部し、5期生として今日まで活動を続けて参りました。その一年少しの間で先輩同期問わず多くの方から「珍獣」だの「鮮魚」だの「怪鳥」だの言われ今ではめでたく陸海空すべてコンプリートする事となったのですが、それは私が自己表現の塊のような人間だからです。
 ファッションも音楽もメイクも趣味も、好きは好き、嫌いは嫌い。流行っているかどうかや他人が気に入るかはどうでもいい。ただ自分の好きな格好をして、自分の好きなことをしたい。そしてその「好き」という気持ちを大事にしたい、外に表したい。だから好きなものを発見した時には歓声をあげ、大好きな相手には全力の言葉と行動で気持ちを伝え、嬉しい時は海老反りで跳び跳ねる。それが私という人間です。



 ですからまあ、立ミュの仲間にしてみるとチェックのシャツにドットのロングスカートを履いてアクセサリーをじゃらじゃらつけた上に舞台化粧ばりのフルメイクを装備した女が奇声を発しながら飛び付いてくる訳ですから「しずまれ珍獣」と言いたくなるのも無理はないかと思います。うん当然だ。文面で見ると不審者感が増しますね(笑)



 そんな私ですが、実は高校まで打ち込んでいたのは演劇でなく合唱でした。個の突出を避け、周りと声を合わせてハーモニーを生み出す事に心血を注ぐ音楽、合唱。それが今まで私の生活の大半を占めていました。小学生の頃からずっと、およそ十年間。児童合唱団に所属し、中学と高校ではコーラス部に所属し、毎日長い時間練習を続けていました。
 複雑な音階を覚え込み、微細な高低差を懸命に調整して絶妙な和音を作り出すこと。歌詞の意味をひとつひとつ話し合い、理解し、全員で呼吸を合わせること。そこに当時の私はやりがいを見出だしていましたし、喜びも感じていました。友達や仲間との絆を実感し、合唱っていいな!と信じていました。


 しかし、それでも合唱は一番ではありませんでした。


 私はずっと、芝居が好きでした。ドラマや映画の演技ではなく、舞台のお芝居。それも、歌や踊りやきらびやかな衣装に照明、目を見張る大道具小道具に気の効いた演出が冴え渡る、ミュージカルが!ありとあらゆるパフォーマンスを詰め込んだ総合芸術にして最高の贅沢、ミュージカルこそ私の一番好きなものでした。合唱を始めるより遥か昔、話す言葉もおぼつかない2歳の時から劇団四季の公演が好き。劇場の客席に居ても騒ぐこと無くじっと舞台に見入っていた程ですから、本当に本能からミュージカルというものを好きだったのだと思います。
 ミュージカルは、表現の集大成。「好き」も「嫌い」も、「大好き!」も、「素敵でしょ?」も、何もかもが全力でそこに存在している世界。そして、観てくれているお客さん、そこで聴いてくれている人の心を、楽しさや感銘や衝撃の、色んなキラキラでいっぱいに満たしたいと願って、それに命を懸けている。舞台上のもの全てが全身全霊で、誰かに「愛」を伝えている。それは、私の夢そのものでした。

 だからずっと、本当はミュージカルがやりたくて仕方なかった。芝居がしたかった。歌うのは好き、でも私が一番好きなのはこの音楽じゃない。昔の詩人が書いた言葉を繰り返し繰り返し清楚な声とハーモニーで表現するのもいい、でも私が本当にやりたいのはそれじゃない!もっと心に沿った言葉を、もっと心臓がどくどくするメロディーで叫び歌い上げたい、語りたい!!そんなもどかしさがいつも身体の中にこびりついていました。



 合唱をやっていた事を、後悔する訳ではありません。学んだもの、得たもの、今でも沢山残っています。現在の練習にも多くの事が役立っています。それでも、高校を卒業した日私が思ったのは、「今度こそ芝居をする」でした。お世話になった顧問の先生から「立命館にも学生の合唱団があるから、ぜひ続けてね」と有難いお言葉を頂きつつ、心の中では「絶対、芝居。私はもう絶対、芝居をやる!芝居で舞台に立ってやる!」と誓っていました。憎しみではなく、他の何を捨ててでも叶えたい夢のために。



 そうして私は去年、入学した立命館大学でこのミュージカルサークルを見つけ、歓喜の雷に打たれました。「あったじゃん!ミュージカル!ドンピシャ!ミュージカルが!できる!最ッッッ高!!」
 あいにく奈良県の実家から往復四時間かけて通う生活ですので直ぐにサークル活動へ参加できるほどの余裕は当初ありませんでしたが、5月に入るとすぐ、私は立命館ミュージカルサークルに入部しました。大好きな、これまでの人生の殆どを通してずっと焦がれ続けてきた、ミュージカルの舞台に立つという夢を叶えるために。

 一年間、本当に本当に本当に、楽しくて凄く幸せでした!もうこれ大正解じゃん、と何度小躍りしたことか(そういうことしてるから珍獣認識が増えていく)。単にミュージカルができるだけでなく、「誰もが楽しめるミュージカル」、王道の楽しさをモットーに、皆が真剣に練習へ取り組んでいる空気。そして、こんな私を当たり前に受け入れてくれる、先輩方と同期たち!最高です!!
 立ミュはメンバーの仲がとても良いと思います。でも、必ずしも趣味嗜好が一致している訳ではありません。寧ろ「あやつの夢中になっとるものはいまひとつわからん」ぐらいの相違もしょっちゅうです。それでもそれが不和の原因になることはありません。何が好きでも何を愛していても、人としての相手を認め、お互いを一人の人間として尊重できる。その空間こそが私の一番大好きな、立ミュという場所です。そんな立ミュだからこそ、私はかつて無いほどのびのび生きて、呼吸することができたのだと思います。珍獣としての正体を現すぐらいに(正体ではない)。



 そう言えば先日、高校のコーラス部時代の同輩と会う機会がありました。一年間どうしてた?というやり取りの中、あのね先輩がねこんなにかっこよくて素敵でね、こんな凄い先輩も居てね、それから同期もめっちゃ面白くてさ、こういう事があって、そんでこないだは誕生日のお祝いまでしてもらって・・・と喋り続ける私に、元同輩は驚いて言いました。


 「ナカタニが先輩に甘えてる・・・」


 ああ、そうでした。私はそう言えば高校時代まで、先輩に抱き付いたり甘えかかったりするような部員ではありませんでした。勿論高校までの間も先輩のお陰で部活動ができていたのは事実ですし、感謝の気持ちは素直にあります。また今までの部活でも同輩や後輩から「愉快にヘンな人」と認識されるぐらいには充分ふざけていましたが、それでも私が立ミュに居る時と同じように心の底から安心して甘え、信頼して悩みを相談し、意気揚々と自己を表現することはありませんでした。

 この会話で改めて実感しましたが、本当に立ミュとは、自分を自分で居させてくれる本物の居場所です。他のどこでもない。私には、去年からずっとそうでした。



 一年間私をきちんと「後輩」として可愛がり、同時に一人の「役者」「スタッフ」として指導し使って下さったこの場所。ぜひ、今年度も素敵な立ミュをしっかりと引き継ぎ、下の代のメンバーたちが私と同じような光なり温もりなりを少しでも手にしてくれたらなあと心から思います。その為にも、今年からは先輩として活動して行かねば!まだまだ危なっかしい未熟者ながら邁進して参ります。

因みに6月5日現在、既に一つ下の6期生が六名新たに立ミュへ加わり、我々と共に活動してくれています。皆ポテンシャルが凄い!それにかわいい!!!(大声)

 個性の塊で我が道をゆく珍獣ですが、珍獣は珍獣なりの筋を通して悔いの無い立ミュ人生にしたいと切に願っております。今後も一層の研鑽に務める所存ですので、どうぞ皆様、立ミュをお見守りくださいませ。



 それでは最後に、私の一番大好きなミュージカル、「Chicago」と「ウィキッド」からお気に入りの歌詞を続けて。
 


  You can like the life you're living

  You can live the life you like


  誰にも止められない。