幼なじみ幻想 | Kis-My-父さん 二階堂高嗣裏応援blog

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Kis-My-母さんと言うブログをやっています。
こちらはスピンオフ的な裏ブログです。
本家(Kis-My-母さん) で書けないことやアメ限記事中心でゆったりやってます。

こんにちわ。
以前、キスブサの幼なじみの彼女に告白?だっけ?
の時に、放送前にどうなるのかなぁって勝手な妄想を書いて、
結局、ニカちゃんのスパイダーマン落ちだったって言う。
(笑)

それはそれでいいのでもう続きは書かないって言ってたんですが、
何人かの方に読みたいと言っていただき、暇な時に
ノートになぐり書きしてたのが、これです。
後半だけ書いても分かんないので、母さんの方で書いたのから
続きで書きます。

はっきり言って、大してロマンチックな要素もイヤラシイ要素も皆無ですが、
日常のニカちゃんをイメージして書いてるので、
ダメな方は回避してくださーーい。

あくまでも、お話のモデルとしての高嗣くんです。



[幼なじみ幻想]



隣のたかしくんは、2コ上の幼なじみ。

小さい時からよく一緒に遊んでて、とっても優しくて面白いの。

でも、そんなたかしくんでも、高校の時はちょっと、荒れてる時もあって、
変な髪型したり、メッシュ入れたり、
ガラの悪い子とつるんだりもしてた。

でも、みんな格好だけで、話すととってもいい人で、中にはちょっとカッコイイ人もいて、一時は好きかなぁ?って、思う人もいたけど、

たかしくんは、あいつはダメだって紹介してくれなかった。

たかしくんは、少し過保護で、あたしのことをすぐ子供扱いする。

2コしか違わない上に、あたしに言わせれば、高嗣くんの方がオコチャマで、すぐにムキになるし、小学生みたいにすぐからかったり、あたしが嫌なことをわざと言ったりする。

要するに万年小5男子の典型なのだ。
(笑)

おバカさんだし(笑)


でも、嫌な事言われて、あたしは怒ってるのに、いつも夜になるとベランダを超えて勝手に部屋にやって来て、勝手にあたしの部屋のTVでお笑い番組を見て大笑いしてる。

最初は、腹が立つんだけど、高嗣くんの笑い顔を見てるとなんだか子供みたいで、自然と一緒に横に並んで笑ってるの。

本当に不思議な人だと思う。


いつかのクリスマスは、いきなりスパイダーマンの全身スーツ着て、ケーキ持ってきたこともあった。
やっぱり、バカなの?って思ったけど、
楽しかったからいい思い出になってる。

たかしくんは小さい時からダンスをしていて、サークルとかで踊ってて、駅前の広場で夜遅くに仲間と踊ってるのを、前はよく見た。
でもその時のたかしくんは、すごく踊りが上手で、しなやかな動きは目を引くし、何人かファンもいたみたい。
いつも何人か女の子が見に来ていたから。

あれはあたしの知ってるたかしくんじゃなかった。
とてもセクシーで目つきもいつもとは違ってて、ちょっとドキドキとした。

たかしくんは運動神経が小さい時から抜群だったから、今思えば、結構モテてたのかもしれない。

でもあたしに声をかける時はいつも悪ガキのたかしくんだ。
どうせあたしは、幼なじみの妹だからね。

それでも優しいお兄ちゃんのたかしくんは、
あたしが悩んでいる時は、おいでってあたしを膝の上に乗せて、にぃにが聞いてあげるって、勝手にお兄さんぶって頭をなでたりするから、少し恥ずかしくなる。


どうせならもっとカッコイイお兄ちゃんがいいっ!!

って、ちょっと照れ隠しにキツく言うと、


少し傷ついた顔をするけど、直ぐにおどけて、
にぃにに何でも言ってごらんーーー!!
って、くすぐってきたりするから、すぐに大笑いで、嫌なこととかも吹っ飛んじゃう。

たかしくんは、人を笑顔にする天才だと思う。



でもあたしは知ってるんだ。
本当はたかしくんは、ガラスのハートの持ち主で、結構、傷ついちゃったりしてること。
バカ正直な、たかしくんは、たまに言わなくてもいいことを言ってお友達と揉めちゃったり、意見が合わなかったり………


元気なふりをするのが得意だから、うちの親なんかはたかしくんは、いつも元気で悩みがないのね。なんて言ってるけど、
本当は傷ついちゃってることもあたしは知ってるの。

そんなたかしくんは、最近少しよそよそしい。

あたしが、大学生になったくらいから部屋にも勝手に入ってこなくなったし、
ま、これは当たり前か。(笑)

でも、来なくなったらなったで、少し寂しい。

だって、たかしくんと見るバラエティ番組は解説付きで、時にはモノマネもしてくれて、すごく楽しい時間だったから。

あたしの部屋のTV、買い換えたんだよ。

前のよりもちょっと大きくなったし、ブルーレイも見れるようになったんだけどな。

たかしくんは、社会人1年生できっと忙しいんだね。
彼女も出来たのかもしれない。

別にいいんだ。
たかしくんは幼なじみで、血のつながらないお兄ちゃんだって本人も言ってたし。

でも、たかしくんのスーツ姿を見た時は、ちょっとドキッとした。

にいにのたかしくんじゃなくて、大人の男の人だった。

でも笑うと昔のたかしくんのままで、あたしは……………



今朝、たかしくんが出勤する時、たまたまベランダに出ていたあたしと目が合った。

おはよう☀と言うと、おはよう………と目を伏せた。

はにかんだたかしくんは少し可愛かった。

そのまま歩き出して、足を止めた。


3秒くらい、止まってたかしくんは、意を決したように振り返った。


ねぇーー、今日夜いる?


うん。今日はバイトない。


ふーーーん。

………………行っていい?


別に………、いいよ。


わかった。





あのさ、俺…………

いいわ、夜言うわ。


なに?
気になる。今言ってーーーー!!



バカじゃないの。
今、大きい声で言えるかって。


なにーーー?
相変わらず、朝は声ガッサガッサで聞こえない!!


おまえ、バカじゃないのーーーーーーー!!


たかしくんにだけはバカって言われたくない!!


ちっ!て顔をして、スタスタ歩いていく。



何なのよ。あらたまって。


しばらくほぼ、無視だったくせに。

今日はM1だっけ?!

違うな、明後日だわ。

なんなんだろ?




ま、いいか。

部屋片付けよーーー!!
たかしくん、大きくなったテレビ見るの初めてだし。

学校終わったらすぐ帰ってこよーーー。


今日は午前の講義だけだったから14:00には家に帰って来た。

何故か朝からソワソワしてて、友達からランチに誘われたけど、行く気にならなくて。

家に帰るとお母さんもいないし、仕方なくテーブルにあったカップ麺を食べて
とりあえず空腹を満たした。

お腹がいっぱいになったらきっと、この落ち着かないソワソワが解消できると思ったから。

でも、味もイマイチぼんやりしていて、いつもは美味しいと思うのに、なんだかどうでも良くて半分残して、シンクに捨てた。

たかしくんに知られたらなんか言われそう。
たかしくんは小食で、しかもすぐに食べてるものに飽きるので、必ずと言っていいほど残すのに、あたしが残すとバチが当たるよ。とかちゃんと食べてって言う。
そして自分の残したものは食べる?って聞く。
その笑顔は子供みたいで、いらないって言えなくて、つい、うん。って言って、いつも無理してでも食べてしまう。

小さい時から、笑うと柿の種みたいに細くなる目や、邪気のない天使みたいな笑顔にあたしは超弱い。

そしていつも騙される。

今でこそ、少しは大人になったけど。

たかしくんは普段はボーーーーっとしてるし、ボソボソ低い声で覇気がないのに
何かのキッカケで悪ガキスイッチが入ると本当に手に負えなくなる。

食べてるラーメンにゴキブリのおもちゃ放り込まれたり、
カバンの中に粉々のポテトチップ入れられたこともある。

本当に最悪だった。

何度、ふざけんなっ!!と思ったことか。

でも、あまりにもエスカレートしてあたしが泣いてしまったりすると、
とたんに、ごめんね。ごめんね。ってすごく困った顔をして、ベタベタしてくる。

前にそれを見ていた、たかしくんのママに女の子をベタベタ触るもんじゃありませんって怒られてた。
そしたら、マイコは女の子だけど妹だからいいんだよって。

なんだか悲しくなってきて、余計に泣いてしまって。

そしたら、おばさんに責任取れって怒られてた。

なんの責任だよっ!
そんなのどうやってとるんだよーー!!
って親子ゲンカが始まって、

おばさんったら、

そんなの簡単よぉ。
マイコちゃんをお嫁にもらったらいいのよ。
お姉ちゃんお嫁に行っちゃったし、お母さん、マイコちゃんが娘になってくれたら嬉しいもん。

あたしは嬉しかった。
おばさんは大好きだったし、冗談でもそう言ってくれたことが嬉しかった。

そしたら、たかしくんは真っ赤な顔をして、

バッカじゃないのぉ。
頭おかしいんじゃないの?
ホンっと訳わかんねぇーー!!

って、部屋に駆け込んでった。


バカ息子。照れてんの(笑)

おばさんはニコニコして、

マイコちゃんごめんね。
あの子いつまでもガキで。
あのバカ、何かしたらいつでもあたしに言うのよ。

たかしくんは照れてたのかなぁ。
怒って困ってるようにも見えたよ。

いつも、妹、妹って言うから、たかしくんはあたしの事はそういう認識かと思っていたけど。

あの頃からかなぁ、少しずつ距離ができて、あたしの部屋にも遊びに来なくなった。

ベランダ越しに見える明かりは、そこにたかしくんがいるって思うとあたしのさみしい心も少し癒してくれたけど。

前みたいにマイコーーーって、
ものを投げてくることもなくなってあたしは寂しかった。

たかしくんの部屋のベランダを見つめても、あの邪気のない笑顔がのぞくことはなくなっていた。



だから、今日、会社に向かうたかしくんの背中をベランダから見送りながら、
本当は、こっち向け!こっち向け!って、念を送っていた。

1人で大人になったような顔して、すましてるけど、絶対に人間の本質なんて変わらないはず。
あんなにやんちゃだったたかしくんがそうそう落ち着くわけがない。

絶対化けの皮剥がしてやる!!
なんてちょっとイキまいていたのに。

本当にたかしくんがこっちを向いた時は、ビックリして心臓が止まるかと思った。

目をしかめて、少しいぶかしげに振り返ったたかしくんは、やっぱりゴキブリ投げつけて来たたかしくんより数段大人びていて、あたしの知らない男の人だった。

昔は食が細いせいか、無駄に広い肩幅につり合わない細い体が、飢えた少年みたいでギラギラして見えたけど、スーツを着たたかしくんは、広い肩幅はそのままだけだけど、胸板も厚くなって顔も温厚になって、ギラギラ感はすっかり消えていた。

だけど見上げた時の眼光の強さは相変わらずで、一瞬ひるんでしまった。



今日そっち行っていい?



なんだろ?
久しぶりすぎて、緊張するんですけど。


あたしは部屋の片付けをしようと2階へ上がった。

そんなに散らかってはいないけど、たかしくんはあぁ見えて、結構綺麗好きなのだ。
ガサガサして見えるけど、実は繊細だし、面白ネタが切れると、電池切れかと思うくらい静かになって、ただテレビに集中したり、ゲームに夢中になったり。

大きくなるにつれ、意外な1面がいっぱい見えてきて、やっぱり不思議な人だなぁって。

だから、一応シーツも枕カバーも全部まっ白な綺麗なものに取替えた。

変な意味はない。

やましい下心なんてない。
だって、たかしくんはお兄ちゃんだから。


だけど・・・あのガリガリだった時代と違って、男らしくなったあの広い胸に彼女とか包まれているのかなぁって思うと、ムクムクと嫉妬心が湧いてくる。

あぁ見えてたかしくんは結構モテるのだ。
高校の時、あたしの友達のさっちゃんだってカッコイイって言ってた。
紹介してって言われたけど、あの時何故か気が進まなくて、

やめときな。
結構、気難しくて、扱いずらいよ。

なんて言って邪魔してしまった。

さっちゃんごめん。


でも、後で、彼女は自力で告白してフられたってきいた。

そう言えば、あの時なんでフられたのか、理由教えてくれなかったなぁ。
さっちゃん、プライドの高い子だったからかなぁ。

さて、たかしくんが帰ってくるまで、まだ時間があるし、ひと眠りしよあかなぁ。
そういえばあたし、なんでこんなに早く帰ってきたのかなぁ……なんて考えながら眠りに落ちていた。





カツン



カツン




サッシになにか当たる音がして、目が覚めた。

あたりはすっかり暗くなっていて、あたしの部屋も真っ暗だった。

部屋の電気をつけると、向かいのベランダにたかしくんがいた。

オレンジ色の小さなBB弾を器用にあたしの部屋のサッシに当てていた。

あぶないーーーー!!

あたしはベランダに出て、口を尖らせて怒って見せた。


おまえさぁ、着替えて寝ろよ。
スカートシワだらけ。
だらしないよーーー。


あたしは思わず、スカートをパンパンと叩いて、自分の格好を見下ろした。
学校に行った時の格好のまま寝てしまっていた。

昨日あんまり寝てなくて、眠かったんだもん。


ふーーーん。悩み事?



…………………。

あたしは答えなかった。



何?何?にいにが聞いてやるよ。

なんだか楽しそうにそう言うと、たかしくんはベランダのさくを乗り越えて、うちのベランダに侵入してきた。


誰が入っていいって言ったよ。

あたしは少し意地悪そうに言った。



ダメなんか言ったことないじゃない。


腹が立つ男だ。
久しぶりのクセにまるで昨日も来てたかのような態度で、躊躇なく部屋に入ってきたかと思うと、取替えたばかりの白いベットカバーにヒラリと腰をかけた。

あーー、テレビでかくなってる。
やったーー!!

たかしくんのとちがうからね。


今日さぁ、ダウンタウンDXあるからここで見て帰ろうかな。

あたしの様子を伺うみたいに、上目遣いであたしを見て言った。

別にいいけどさぁ、なんか、用事あったんじゃないの?


たかしくんはジーーーーーっとあたしの目を見て黙ってる。

なに?



マイコ、大人になったね。



そう言うと、唇の端を少し上げて、一瞬優しい笑顔を見せた。

だってさーー、あたしもう21歳だもん。
2つしか変わらないけど。


2つの壁は大きいな。



は?!どういうこと?


マイコ、おいで。


そう言うと、たかしくんは膝をポンポンと叩いた。
いつもの、にいにの膝においでと言う合図だ。

マジですか?
あたし結構いいお年頃だし、お肉もついちゃったし、重いし…………
えーーー、マジぃ?ヤバイんですけど。

躊躇してるとたかしくんは

マイコが昔よりデブになってるのなんかお見通しだよ。

って、少し顔を赤らめて、もう一回膝をポンポンと叩いた。

これは拒否権ないなぁーーと思って、あたしは、


失礼しまーーーす!


って、ちょっとおちょけて、そおっと座った。

………………。


は?!無反応?

ちょっとなんとか言ってよ。照れるんですけど。
しかも全体重をかけてないから、不安定な膝の上。

太ももつりそうになって、立ち上がろうとしたら、たかしくんが、下から片方の足をガンって突き上げたから、私はよろけそうになった。

なにすんのよ!!

思わず声を荒らげてしまった。

たかしくんはあたしの両腕をつかんで、


お前ちゃんと座れよ。


って。


なんで怒られんのよーーー!!って口を開こうとした瞬間、


お前太り過ぎ!
デブデブデーーブ!!


なんなのぉーーーー、サイテー。
あまりのことにあっけに取られていたら、
たかしくんはあたしの両腕をつかんだ手で後ろから羽交い締めするみたいに抱きしめてきた。
あたしの背に顔を埋めて。


ちょっと………たかしくん?


勝手に女になっちゃってさ。
前はももより軽いくらいで、ガリガリで骨ばってたのに。


いやいや、ももと一緒にしないでよ。
もも、でかいし、だいいち犬だし。
あたしは、声に出せないツッコミを入れていた。


前はジーパンばっか履いてたのに、大学いくようになって、みっじかいスカートとか履いてるしさ。


おいおい、見てたのかよ。
たかしくんヤバイよ。
あたしが高校卒業したくらいからほとんどまともに会ったことないよ。
ストーカーかよ。

とりあえず黙って聞いておこう。



夜遅く、そんな格好で帰ってくるし。
駅からここまで結構危ないよ。
公園の方からは帰るなって昔、オレ言ったよね。
なのに、そっちから帰ってるし。



なんで知ってるんですか?!
確かに昔言われましたけど、遠回りなんだもん。
で?!



おじさんに迎えに来てもらえばいいのに、いつもひとりで帰ってくるし。
俺にLINEしてくれたら迎えに行ってやるのにしてこないし。


そりゃあ、そんな事言われたことありませんから。



それにさ…………


あたしは黙って聞くのに耐えかねて、

たかしくん、その言われのない説教はいつまで続くの?

思わず言ってしまった。


たかしくんは、ハッとしたみたいで、結構力強く抱きしめてた手が緩んだ。


あのさ、まずこの体制話しにくいし、なんだかヤラシイから、この手はずしてくれない?


や、やらしい…………


その途端、たかしくんの顔は真っ赤になった。
どうやらそんな意識は微塵も無かったようだ。(笑)

あたしはベットに腰掛けるたかしくんの前に膝をついて向かい合った。


にぃに…………



その呼び方、もうヤダ!!



おめぇが強要してたんじゃないのかよって心の中で突っ込んだけど、グッと我慢して、あたしは1回軽く息を吸ってはいた。


あのね、避けだしたのはたかしくんだよ。
マイコは何も変わってないよ。

バイトの帰り道とかさ、後ろつけられて怖い思いしたこともあるし、たかしくんと一緒にならないかなぁって思ったことあるよ。


ほらぁーーー、だから危ないって……


はい、黙って聞くーーーー!!
今はマイコの話なの。


はい。ごめんなさい。

たかしくんは素直なところは素直だ。こういうところは可愛くて、昔からすごい好き♥


ん?好き?好き?
うん。好きだよ。        ま、いいか。



よろしい。
話、続けます。
だけどね、たかしくん急によそよそしくなって、LINEも来なくなったし、そんなんで頼めるわけないよね?


あれは、仕事始めて忙しくなって、仕事で精一杯で余裕がなかったんだよ。


だよね?
可愛い妹のこと見捨てたんだよね?


違う…………



違うの?



うん。違う。妹も違う。



はぁ?!
その設定変えたの?変えたんなら言ってくれなきゃわかんないでしょ?
あたしだって恥ずかしいよ。
いい年して、にぃにだなんで。



おれも。



はぁぁぁ!!バカにしてんの?
ほんと、訳わかんない。いい大人のくせに。



マイコ、怒んないでよ。
オレもさ、ある時思ったわけよ。
違うなって。

それでマイコはオレにとってどんな存在かな?って、考えたけど、マイコはマイコで。妹じゃないなって。


うん。それで?



で、接し方がわかんなくなったんだよ。
でも心配だから、たまに駅で見かけたら、後から変なやつに襲われないようについて帰ったりしてた。

あんたかよ。ストーカーは。


ごめん。



たかしくんが恐い思いさせててんじゃない。
信じられない。


でさ…………


たかしくんが言いかけて止まった。

あたしは隆くんの前に体育座りをして、膝に肘をついて、たかしくんを見上げるように睨みをきかす形になっていた。

すると突然、あたしと目線を合わさずに、グダグダと話してたたかしくんが、突然あたしの肩に両手を置いて、あたしの顔をしっかり見据えて言った。


オレはマイコが好きなの。


は?


マイコはガヤが好きなんだよね?


ガヤ?誰ですか?


高校の時、カッコイイ♥
紹介してって言ったよね?


あーーー、たかしくんの友達のちょっとクールでカッコよかった藤ヶ谷くんだ。

待って?嘘でしょ?何年前の話よ。
時、止まってんの?

あたしは呆れてしまった。
まーーー、ズレてると言うか、どこか純粋と言うか、まぁ、万人には理解出来ないよね。


かっこいいとは言ったけど、それ、むーーーっちゃ前の話だよね?
あたし、忘れてたよ。


ウソだろーーー!!
じゃあ、オレは何年悩んで無駄にしたんだよーー!
もういいならもういいって言えよ。
わっかんねぇんだよ!!


もう、目が点とはこの事だ。
たかしくん大丈夫かなぁ?


じゃあ、今は好きな奴いるの?
大学とか行かれたらわかんないしさ。
マイコ結構可愛いし、毎日短いスカート履いていってるしさ。

そこ、こだわってるね(笑)

必死に訴えてるたかしくんを見ていたら、なんだか可愛くて、年上だけど、子供みたいで。
言ってること、バカだし。


その時思い出したの。

あたしは昔から、わがまま言ったり、訳分かんないこと言ってくるたかしくんのいうことを聞いてあげた時に、天使みたいな笑顔でありがとうって言うたかしくんがたまらなく可愛くて、愛おしくて。
だから何でも聞いてあげたくなったこと。

そうだった。
あたしはこの横暴で、訳分かんないけど、恐ろしく可愛くて優しい隣のお兄ちゃんが昔から大好きだったこと。


いるよ。好きな人、いるよ。


えっ?!って顔をしたかしくんを見つめながらあたしは立ち上がった。

不安げな顔をしているたかしくんを見下ろして、隆くんの頭を包み込むようにあたしの胸に抱きしめた。



あたし、バカは嫌いなの。



たかしくんはあたしを見上げてキョトンとしてる。


でもね、可愛いおバカさんは大好き♥


そう言って小鳥みたいなキスをした。


ハトが豆鉄砲食らったみたいな顔のたかしくんもなんて可愛いんだろう。

我ながら大胆なことをしてしまった。


あ"ーーーーっ!!


何なのよっ!!
大声出さないでよ!
お母さん気付いちゃうよ。


マイコ!!
お前何してくれるんだよ。

オレからしたかったのに、何勝手なことしてんだよ。
お前ふざけんなよ。
なんでキスしたの?


はぁぁぁ?!
なんでキスしてあげたのにキレられんのよ!!
信じられない。


おまえ、男を立てろよ。
そんなんじゃ嫁に行けないよ。


いいよ。たかしくんがもらってくれるんでしょ?
ストーカーの責任とってよ。


ばか…………フガッ!!

たかしくんは昔から興奮すると鼻を鳴らす。
でもさ、今鳴らさなくてもいいよね。
ほんとデリカシーに欠ける。






いいよ。





えっ?!





いいよ、お嫁にもらってあげる。
その代わりひとつだけ約束して。



なに?

あたしはドキドキした。






ミニスカートやめて。
俺の前だけにして。





はぁぁぁ?!それ?





約束してくれるの?




顔を赤くして上目遣いで確認を求めるたかしくんを見て、あたしはちょっと虐めたくなった。



それはヤダ。



ギャーギャーと騒ぐたかしくんを尻目にあたしは思った。

やっぱり、やっぱりたかしくんはあたしにしか理解出来ないと思う。
こんなに可愛くて愛しいおバカさんはそうそういないし、いざと言う時守ってくれるであろう、男らしさもちょっと変質チックだけどかっこいいと思う。

あたしのモヤモヤもどうやら消え去ったみたい。
今日からはゆっくり眠れそう。

これからの恐らく毎夜の来襲にはちょっと不安が残るけどね。



終わり