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2つ前に上げた記事で、

本を読んだことのない子が

本を探しに来てくれたことを

記していました。

 

今週は別の担当している中学での

勤務だったのですが、今度は

先生からご相談があり、

それが、同じような内容でした。

 

「今まで本を読んだことがない子が

読める本を探しているのですが、

良い本を紹介して欲しい」

とのことでした。

 

女の子のこと、あれからずっと考えていて

どんな本を紹介したらいいかと

検索したり、想いを巡らせたり

していますが・・・

 

『読んだことがない』

というワードがまた出てきました。

 

あまり読書に力を入れて来なかった

うちの地域でも、さすがに小学校中学年までは

図書の時間があって、みんなで

読みましょうという時間はあったはず・・・

 

先生のお話しだと、

『絵本は読める』

とのこと。

今まで、読んでこなかったので

読む力がついておらず、その為、

『普通の本は長くて読めない』

 

『漢字にはルビが振ってあるもの』

これは、読める人は前後の文章で推測し、

読み進めますが、それができないと。

 

『よく幼児向けにある、絵本と本の間にあるような本だけど、

内容は幼くない、中学生でも楽しめる読み物』

先生は、物語を読んでもらいたいようです。

 

『マンガは読めない。

どこを読んだらいいのかわからないらしい』

 

『人気の、「5分後に意外な結末シリーズ」は、

内容が短いだけに、数ページに起承転結が起きて

展開が早く、読んでいても理解ができない』

 

『勉強でも、国語が苦手』

 

とのことでした。

 

先生の見立てで、

『かいけつゾロリのような形態、ボリュームで

中学生でも楽しめるものがあれば読むのでは?』

 

とのことでした。

小学校で読んだのが、

絵本くらいまでだったようです。

 

図書室で、絵本を読んで終わった、

ということでしょう。

女の子も

『ストライプ』を何度も読んだと言っていました。

 

そして、実はそういった気になる生徒が

数名います、とのことでした。

 

3年生となると時間がありませんが

(そもそも、受験で読書どころではありませんが・・・)

1・2年生ならまだこちらが働きかける時間があります。

 

先生と話をしながら、

「つばさ文庫」「青い鳥文庫」は

ルビが振ってあり、優しい言葉で

内容も読みやすくなっていて

内容は中学生でも楽しめるものが

あることを伝えました。

 

この中にも多い、

アニメや映画のノベライズは

映像で観てからだと読みやすいと思います。

好きなアニメや映画を聞いて、

その中から図書室にあるノベライズを

すすめることもよくあります。

 

「つばさ文庫」なども

躊躇してしまうようで、

もっとボリュームの少ないものが

あれば、とのことでした。

 

確かに、私がすすめても、

これさえも「うーん・・・」

となってしまう生徒さんはたくさんいます。

 

私もそういった本を探していることを伝え、

情報を集めつつ、

来年度の予算から、そういった本を

複数、入れたいと思っていると伝えました。

 

とはいえ、あの気になる女の子の後、

検索するなどして探してみていますが、

良さそうな本は見当たっていません。

 

そして、今回、気になったワードもありました。

『マンガはどこを読んだらいいかわからなくなって

読めない』

『読んでいて内容が理解できない』

という点でした。

 

『マンガさえ読めない子が増えている』

というお話は、息子が小学生低学年の頃、

読み聞かせボランティアをしていた

10年くらい前からよく耳にしていました。

 

中1の女の子で、なかなか本を読めずにいた子で

それでもよく図書室に来てくれていたのですが、

絵本だったり、『一期一会』ばかり読んでいた子が

いました。

 

こういう本で、ほとんどイラストで少し

お話というかエッセー的なものが載っています下差し

 

 

 

だけど、徐々に読めるようになって

学年が上がるにつれ、

普通のお話も読めるようになっていく生徒さんも

何人も見ました。

 

そういった生徒さんは、マンガは

大丈夫のようでした。

 

ん~、マンガがダメなら、

こういった本もどこを読んだらわからない

かな・・・?

この点は、私自身、

勧める本の選択が狭まる。。。

というか、無い状態で、

悩んでいるところです。

 

そして、もうひとつ

『内容が理解できない』という点も

ひっかかりました。

 

本の内容で検索していましたが、

今度は、

その特性のことで検索してみました。

 

すると・・・やはり、

『ディスレクシア』

発達性読み書き障害に見られる特徴と

一致しています。

 

もちろん、ディスレクシアでも

色々な特性の人がいるので、

いくつかの特性のうち、顕著に見られる部分は

個人個人違うようですが・・・

 

対応した女の子も、先生のおっしゃる生徒さんも、

「これまで読まなかったから読めない」

とのことでしたが、

たとえ興味がなくて今まで読んでいなくても、

中学生になるとある程度の本は

読めるようになるのではないでしょうか。

マンガなら、なおさら。

 

絵本程度しか読めないとなると、

やはり、

「読めなかったから、避けて来た」

の方が近いのかな・・・

 

そうなると、

簡単な本から訓練していき、

読めるように、というよりは、

その特性でも読めるように

『支援』していくことが大切になっていくようです。

 

本を読むことを強要することは

苦痛でしかないということ。

 

ディスレクシアは、脳の機能の問題なので

努力や訓練で、回復するものではありません。

 

色々検索していると、

小さいお子さんの場合、

治療や訓練を受け付けている病院も

あるようです。

 

それも小学生までの模様。

 

そして、ディスレクシアは、

日本で調べられたことがあり、

8%くらい、いるとのことです。

 

ですが、その時の調べ方の

問題も指摘されていて、

欧米では、10~15%程いるとのことで、

日本でも本当はそれに近い割合で

読み書きが困難な人がいるのではないかと

言われています。

 

その中の何%かは重度の方。

以前、私がテレビのドキュメント番組で見た時は

文字が書けない、という方がインタビューを

受けておられましたが、理解されず

相当なご苦労があったようです。

そこまでいかなくても、

読んだり書いたりするのが

時間がかかる、理解できない、ということで、

『困難』『難しい』という方も対象になり、

「読めない」「書けない」という訳ではありません。

 

大きな文字だったり、読みやすいフォントだったり、

色のフィルターをかけると、

読みやすくなるようです。

 

ただ、イラストがたくさんあったり、

コマがあるような、

ただ文章を短くしただけでは、

読むのが難しいのです。

 

また、それは遺伝するようで、

そういった症状のお子さんの親御さんも

同じような症状の方もいるそうです。

 

しかも、見え方や困難さは、

なかなか他の方と比べられなくて

努力不足とみなされ、

気付かずに大人になっている方も。

 

そういった方は

お子さんに読み聞かせしたり、

勉強を見てあげたりするのが困難なので、

また、そのお子さんもなかなか

気付かれないまま、成長していく可能性が。

 

日本ではまだ本格的に調査もされておらず、

学校の先生方も知らない人も多いです。

 

そこで、僭越ながらも、

その先生へディスレクシアについて

ある大学の先生の

研究ノートを印刷して、

目を通していただくようお願いしました。

 

それと、その先生、本好きなので、

お忙しい中さらに恐縮しつつ、

すぐ読めるボリュームで、参考になる

こちらの本もお渡ししました。

 

 

先生は、生徒さんのことを思って、

読書をすすめますが、

「読めない」という生徒さんが

一定数いるということですものね。

 

そういった生徒さんで、

「本が読みたい」と願うのなら、

読めるように支援しなけらばいけませんし、

もしも、みんなが言うので

「読まなくては」という思いでいるのなら、

その呪縛から

開放させてあげることも必要では・・・

 

担当している中学両方とも

「朝読」の時間があり、

朝10分間本を読む機会ありますが、

きっと、読むふりをしている人も

少なくないのでしょう。

変換で出て来たのですが、

まさに「朝読」ならぬ「朝毒」になっている

生徒さんもいることと思います。

 

そういった方は、自分自身がバカだ、

頭が悪い、と考え、

大変自尊心が低くなってしまう傾向にあります。

もちろん、今の学校制度や入試制度を見ても、

成績が悪い、としか見られません。

 

むしろその逆で、めちゃくちゃ努力していますし、

ごまかすよう、それ以外の能力でカバーし、

全力で乗り切って生活していることと思います。

 

訓練や治療までいかなくても、

特性を理解してあげるというのは

大切なことだと思います。

音読ができなかったり、読み間違いは、

先生や周りから心無い言葉や、失笑されることで

大変傷つきますので・・・

それが原因で不登校になることも

多々あるようです。

 

そういう私も、漢字を書くのがめちゃくちゃ苦手で

自分でドリルで調べたことがありますが、

中学生以上で習う漢字からだんだん怪しくなります。

もちろん、当時苦労しながら頑張っていました~笑い泣き

 

黒板に書いた漢字をみんなの前で注意され、

さらに、そんなんでは恥をかくよビックリマークと先生にいわれて

みんながドッと笑ったのを

いまだに覚えています。

 

人の話を聞いてその場でメモするのも苦手。

まだ、自分用の覚書はいいのですが、

講演会を聞いて、その場で感想を書いて提出、

というのは漢字も含め、自分の考えなどを纏め

その場で素早く丁寧に書くのが難しく、

たいがい、出さずに帰りますタラー

出さなければいけない時は、

スマホを活用し、下書きして書き写すことで何とか

人に悟られることを全力で回避します・・・アセアセ

ああ、スマホのある時代でよかった~

何してるのはてなマーク

という目で見られることがあるけど、

「漢字わからんビックリマーク調べてるねん」と笑って答えたり。

 

ついでに言うと、暗算もとても苦手なのですショボーン

紙に書くとできるけど、頭の中で計算すると、

数字を覚えているのと、計算するのを

同時にすると訳がわからなくなります。

 

そろばん教室に小学生時代通い、

毎年検定試験を受け普通に級は上がっていったのですが、

暗算だけは、一度も合格することができず

級が取れませんでした。

だけど、とりあえず簡単な計算は、

あたまにそろばんを置いてするので、

習っていたのは、苦手ながら、

今助けにはなっていると思います。

 

子どもの頃から自分でも人よりできない能力が

あると感じていました。

 

もちろん、それは頭が悪いからと思っていましたが笑い泣き

調べていて、脳での処理がスムーズにいかない為に

困難になる、というのに当てはまるかもと。

 

学習障害のこういった特性のことを

この仕事をして知るようになりましたが、

読み聞かせボランティア時代は、

読んだり語ったりというのに携わっているのに

漢字が苦手とは何事!?

という場面にも遭遇しました。

先生が、元NHKアナウンサーで

言葉や漢字、アクセントのプロでしたので。。。

(絵本はほとんどひらがななのに汗

 

素直に、子どもの頃から漢字を書くのが苦手なんです、

と笑顔で言う勇気も持つようにしています。

苦手で何が悪いムカムカプンプン

と内心思っていますが。

 

それが、将来を決める入試に

関わるとなれば、開き直る訳にもいきませんね。

読むことが困難となると、

きっとテストにも何らかの支障があると思います。

 

「支援」が必要であって、頭が悪い訳ではないこと、

そして、その「支援」を受ける権利があること、

そして、それを求められたら

学校側は拒否することはできません。

人権問題になりますので。

 

これがミソで、自分から希望しないと、

なかなか動けない訳でもあります。

 

以前、「あれ?」と思った生徒さんで、

言葉を選びながら、タイミングも見計らって、

「テストの問題は読めていますか?」

ということを私から質問したことがあるけど、

途端に、

「それは大丈夫です!」と

言われてしまいました。

 

それだけ、文書を読むのだけで

たどたどしいのに、

読んで、なおかつそれに対する解答を

文章の中から導き出すのは大変そうだな、

と感じることがあったのです。

私の杞憂で実際に大丈夫なら

いいのですが・・・

 

そもそも、図書室にいるおばさんから、

大きなお世話だよビックリマークと思われるだろうし、

自尊心を傷付けては大変。

 

ディスレクシアのことを

もっと周知して、

早くそういった目でお子さんを観察し、

周りが気付くことも、お子さんの為に大切かと

思います。

この生徒さんは、今も

継続して気にしています。

 

程度がどれくらいかというテストも、

ちゃんとあるようで、

今回検索して知りました。

 

中学生ともなると、

隠してしまう傾向にあるので、

できればテストに導くのが

よいのかもしれません。

 

そして、ディスレクシアと分かった

児童・生徒さんを

支援する体制を作ることが

何より大切です。

 

親御さんや、学校の先生なり、

私ような図書に関わる人や保健室などで

気付いて導くのがいいのだと思いますし、

もっと、身近に支援のシステムを

置くことが必要かと思います。

 

ホント、こうして書くのは簡単ですが、

児童・生徒の10%くらい存在する、

ということを考えると、

人員や機材、別室の確保など、

かなり大きな改革が必要になってくると思います。

 

思ったのが、今年度から中学生に配布される

パソコン。

今ちょうど、生徒さんたちの手に渡っているところですが、

このパソコンで、支援できればいいのになぁと

感じました。

 

システムの中に、図書室コーナーを作り、

電子図書を読めるようにして、

大きな文字にしたり、読む箇所を

好きな色で囲ったり。

 

今出版されている本から、

紙の本を読む訓練を、というより、

読んでみたい本を、

パソコンを使って大きくしたり、

背景の色を変えたり、

読む部分を示すなど、

読みやすい状態にして

読んでもらう、というのが一番かなと

思います。

 

支援が必要な人には、テストも、

同じように読みやすいよう

オンラインでテストを受けたり、

読み上げ機能を使ったり。

 

そうなるのが理想だと感じます。

 

図書室で勉強している人たちや

学校に来られない生徒さんにとっては

やっと、この日が来ました。

 

学校の授業も、オンラインで受けることが

できるようになるそうです。

 

学校に来られない人も、

最低限、授業を受けることが

できるようになります。

 

支援している先生方は、

図書室にさえ、来なくなるのが

心配、ともおっしゃっていましたが・・・

 

私は、教室という決まった箱の中で

窮屈に入れられるしか選択肢がないより、

方法が選べるというのは

本当によかったと感じています。

 

それに、学校で勉強する場所も、

図書室ではなくて、

教室以外で静かで空調も完備された場所が

準備できると、学校へ通いやすい人も

もっとたくさんいそうです。

 

図書室も、皆さんに使いやすいようにするには

お昼休みしか使える時間が無いもの、

考えものです。

今は最善の対応ということで

このようになっている訳ですが。

 

ディスレクシアのことは

私もまだまだ勉強中。

この記事の中でも、

違っていることがあるかもしれません。

また、今後わかったことがあれば

記していきたいと思います。

 

今回、先生が本を読めない生徒さんのことを

大変関心をもってくださったのが嬉しかったです。

 

読みやすい本を探す、というのはもちろんですし、

協力して、支援できることを働きかけられればと

思っています。

 

まだまだ、発展途上なので

事例や、思っていること、理想などなど、

ダラダラと取り留めなく記しましたm(__)m

 

IMG_6591.jpg

むぎが横でよく眠っています。

もふもふ~酔っ払い

 

「猫はいいなぁ~」と

しょっちゅう言う、娘と息子。

 

いやいや、猫は猫で、

苦労だってあるに違いないです。

「抱っこ攻撃」に耐え抜くこととか・・・!?アセアセ

 

幸せに暮らしてもらえるよう、

この家に来てよかったと思ってもらえるよう、

家族として、よく理解してあげないとウインク

 

幸せになる・・・

これが、何よりも大切であり、

目的でなければいけませんよねラブラブ

 

 

最後まで読んでいただき

ありがとうございましたハート

 


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