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今回は前年度中学校の図書室に入れた中から、印象深かった本のご紹介です。
読んでみて、ぜひ多くの生徒さんたちに手に取ってもらいたいと、図書便りに載せたり、図書室の良い場所に表紙を向けて置いたりしていましたが、生徒さんたちからの反応は今ひとつ。
借りられた所を1度も見ることが出来ていないです
今年度、また生徒さんの目に留まり手に取ってもらえるよう工夫したいと思っています。
『スペシャルQトなぼくら』
如月かずさ/著
講談社(2022/4/14)
Q=クエスチョニング。
自分の性別が男か女かわからない。
自分が好きになる相手が異性か同性かわからない。
だけどどっちかわからなくたって、ぼくらはぼくらの好きなものが好き‼︎
中学2年のナオが塾帰りに目撃したのは、女子のようにメイクをして、かわいい服で街を歩く学年トップの優等生・久瀬の姿。
そのときから、自分のことをごく普通の男子だと思っていたナオの心に、ある願いが生まれて…。
Qでキュートなふたりが織りなす、おしゃれと恋と特別な絆の物語。
主人公の2人、ナオとユエ。
ナオは自分を、普通の男子だと思っているけど、本当はかわいいものが好き。
だけど、小さい頃それを指摘されてからは自分の気持ちを封印し、そのうちそれも忘れてしまっていたのでした。
そしてユエは自分の性別がどちらかわからないクエスチョニング。
ナオはユエと出会うことで封印していた気持ちが徐々に解放されていくのでした。
セクシャルマイノリティについて、ニュースでもよく取り上げられ、日本は先進国のうちでも理解がかなり遅れているとのこと。
テレビでは有名な方がたくさんいらっしやいますが、ちょっとイメージが偏りすぎていますよね。
最近ではりゅうちぇるが、お父さんではあるけど、自分の気持ちに素直に生きることを選択しました。
ジェンダーレスな雰囲気の俳優さんやアーティストの方は多く活躍されています。
とっても魅力的ですよね。
番組の特集では、ごくごく普通の若者が悩んでいたり、決心してカミングアウトした方など取り上げられているのも見ました。
ですが、私の周りでは正直当事者の方がいるのかわかりません。
必ずいると思うけど、なかなかオープンには出来ないのが現状なのだと思います。
この本の登場人物も、2人はそのことを両親に隠しています。
信頼できる友人数人には伝えるのですが、今の現状を表しているのかな。
物語としては、周りに理解を求めるとか、世界を変えるというよりは、セクシャルマイノリティについて悩みを持つ人の心に寄り添うような内容です。
男の子がかわいいものが好きだったり、かわいくなりたいと思うのはおかしいことではなく、好きなものを好きなままでいいんだよ、と、読者に語りかけます。
そして、好きなものに素直になれないでいる人を応援してくれているのだと感じました。
かわいいものが好きなのは男の子としておかしいと、封印してしまったナオ気持ちに焦点があてられています。
ユエと出会うことで徐々にかわいくなりたいと思う気持ちが大きくなると同時に戸惑う自分もいて揺れ動く様子が描かれています。
後半は2人についての関係について、ナオには理解できていなかったユエの悩みにも直面します。
私もセクシャルマイノリティには、多彩な方が含まれるのだと改めてわかりました。
多くの生徒さんが通う私の担当する中学校にも、本当は多数存在していると考えるのが自然。
担当する中学校2校のうち1校の制服は、男子女子区別せず自由にスカートとパンツが選択できるように数年前に変わりました。
男の子はまだ見ないけど、女子は年々パンツを履く子が多くなっています。
(スカートもパンツも購入し、気分で使い分ける人も)
好きなものを好きって言えない背景には、『無理解』という大きな壁があります。
やはり、知らないのですよね。
当事者自身が自分だけではない、と理解したり、セクシャルマイノリティでない人もそういった方がたくさんいて、悩みを抱えていることを知るのにこういった本を読んで疑似体験することも大変良いことだと思います。
少し重いテーマではありますが、明るくおしゃれに物語は進み、キュンともさせられましたし、応援する仲間に共感したり、読み物としても大変面白かったです。
著者は、経験をもとにこの物語を描かれたとのことです。
セクシャルマイノリティも、『普通』って言える日がそう遠くない先にきっとあると思います。
こちらも児童書で、10代向けに描かれた物語なので、さらっと読めますし、私など、ここで終わるのこの先の続きが読みたい〜っと、消化不良気味。
まだまだ、描いて欲しいテーマです。
大人の皆さんもぜひ気になった方は手に取ってみて欲しいなと思います。
ジェンダーレスな雰囲気で今1番気になっているのが、板垣李光人くん。
子役から活躍されていたとのことで、よく見かける俳優さん。
冬ドラマのsilentでも、めちゃ良い弟さんを演じていました。
私が1番印象深かったドラマが『カラフラブル-ジェンダーレス男子に愛されています。-』でした。
その前に出演されていた『ここは今から倫理です。』の最終回後に出演者が揃ったトーク番組があり、李光人くんが、ジェンダーレスな雰囲気からオファーが沢山もらえていると、嬉しそうに答えていました。
その後に主演されたのがこのドラマで、ドラマではもちろん、番宣でもかわいいお洋服を素敵に着こなしていたのをよく覚えています。
この本も、ドラマ化したらいいのになぁ
『カラフラブル』に使われた主題歌も、とっても印象的ですぐにネットで調べたのでした。
プロデューサーの方が、YouTubeで聞いてオファーしたそうです。
ミュージックビデオもとってもメッセージ性があって素敵です。
Amber's 『Question』
その後もアニメの主題歌にも抜擢されたり、今後が楽しみでしょっちゅうYouTubeを見て応援しています
最後まで読んでいただきありがとうございました