第19回「テレビとパソコンとケータイと、ガラパゴス現象」(時事問題) | 新稀少堂日記

第19回「テレビとパソコンとケータイと、ガラパゴス現象」(時事問題)

 第19回は、「テレビとパソコンとケータイと、ガラパゴス現象」(時事問題)です。一切外界から閉ざされた空間で、独自の進化を遂げることがあります。それが、有名なガラパゴス諸島です。ダーウィンが、生命の進化を確信した島です。


 「ガラパゴス現象」とは、閉鎖空間内での独自進化を、他の現象にも敷衍した表現です。日本で言えば、まさしく携帯電話が挙げられます。iモード以来、ケータイは独自の進化を遂げました。世界標準から突出した進化を遂げたのです。


 今や、ケータイでは何でも出来ます。テレビの機能も、パソコンとしても、携帯ゲームとしても、当然通話も、・・・・。では、世界の人々が、日本の携帯電話に感心しているかと言いますと、それは否定的です。日本メーカーのモバイル市場に占めるシェアはきわめて低いのです。それが、世界の評価です。


 画像は、テレビで見ればいいのです。小さい画面でサッカーを見るよりも、私なら自宅の42Vのデジタル・テレビで観ます。ネットを参照するのであれば、パソコンを使います。では、電話するのであれば、・・・・。それこそ、ケータイです。通信機能には、それぞれ長所・短所があります。


 最適の機器を使うことが、ベストです。それが、人生を楽しむ最良の方法です。それをNTTを中心とした通信企業が、日本のメーカーとして協力して開発したのが、ガラパゴス携帯です。それは、日本の携帯電話メーカーの海外進出を阻害してきた要因です。


 何でも出来るとは、何もできないことに通じます。ケータイで暇つぶしをすることは悲しいことです。欧米の人たちに共通する特性は、「人生をいかに楽しむ」かです。通信機器の見直しの時期に来ています。ケータイでメールをうったりゲームをしている人を見ていますと、「猿のノミ取り」を連想します。ガラパコス現象は、ガラパゴス人種を生み出しました。それは、進化というよりも、退行現象ではないでしょうか。