第22回「ババ・ハゲと、となりの家の前のゴミ」(時事問題) | 新稀少堂日記

第22回「ババ・ハゲと、となりの家の前のゴミ」(時事問題)

 自己紹介でも書きましたように、「古書店 稀少堂」を三年余開店していました。高松の私鉄駅前の店でしたので、周辺では随分ゴミが落ちています。駅利用者とご近所の人が落としていくわけですが、割り切って掃除をしていましたし、「レレレのおじさん」気分で、結構楽しめました。


 ですが、物によっては処理に困るものもあります。吐瀉物とか、犬のフンとかが、最たるものでしょうか(高松では、飼い主が処理することはまれです)。一方、件数的に多いのが、タバコの吸殻とかパッケージです。しかし、これは大した手間はかかりません。


 そんな中で、特異なものとしては、使用済みの生理ナプキンです。二度ほどありました。路上に棄てていることに、奇異さと世の中の変化を感じました。処分自体は簡単です。ですが、御近所のオバサンたちも気付いていたはずですし、通勤中の女性たちも気付いていたはずです。当然、捨てていった女性も・・・・。


 2時間ほど立ち話をするオバサンたちは、珍しくありません。ですが、ヒマなバアサンたちの掃除行動は、自分の家の前だけです。小さなゴミを、家に持ち帰る人は、三年余にわたり、見かけたことはありません。それが、世の中の常識さ、といえばそれまでですが・・・・。


 一方、私が子どもの頃、あまり見かけなかったが、最近珍しくなくなったことの一つが、バアサンたちのハゲです。今も昔も、決して少なくないと思います。かっては、抜け毛を取っておき、たぼしん(髪の量を補う髪)に使っていたように記憶しています。現在では、部分カツラでしょうか。


 時代の変化は、かって「灰になるまで、女は女」と言われていましたが、肉体的にはハゲを恥じず、精神的には、人の見ていない所では、決して隣家の前のゴミは拾わない。こういう女性たちが、日本を大きく変えたように思えます。こう感じているのは、私だけでしょうか・・・。