第26回「後期高齢者医療制度と、年金と、若者」(時事問題) | 新稀少堂日記

第26回「後期高齢者医療制度と、年金と、若者」(時事問題)

 第26回は、「後期高齢者医療制度と、年金と、若者」(時事問題)です。昨日の日本テレビ系列のニュース・バラエティで、辛坊治郎氏が「ニュースの要」で、75歳から80歳の老人たち(後期高齢者)の年金受領額について、取り上げていました。


 年間受領額が500万円以上の人たちが5%、300万円以上の人たちが55%、100万円以下の人たちが5%との分布になっているとの説明をしていました。私のサラリーマン経験からしまして、妥当な数字かと思います(100万円以下はもっと多いように思えますが)。支給額は、年金をはじめて受領する段階で決定されます。事情の変更で、減額されることはありません。いわば「既得権」です。


 制度の概要は、後期高齢者を別枠にすること、後期高齢者も一定金額の保険料負担をすること、終末期医療について医師の積極的関与が、大きな柱です。あなたが35歳未満であった場合、額面受領額及び、各種社会保険・税金を天引きした手取り額は、いくらになるでしょうか。


 額面の給与が、老人の受け取る金額と同額であれば、手取りは老人よりはるかに低くなります。医療・年金を下の世代が支えているからです。福田総理は、「若者は、このままでいいと考えているのでしょうか、ね」と、ブラサガリで記者団に語っていました。こういう背景があるからです。しかし、国民には前説が抜けていましたから、誰も十分に理解できなかったと思います。


 マスコミも、野党も、このあたりの事情を語っていません。テレビに映る老人たちの一部は、確かに100万円以下の年金で、全生活を補填しているかと思います。そういう人たちには、救済措置をとれば済むことです。しかし、半数以上の老人は、若者よりもはるかに低い社会負担で、高額と思える年金を受領しています。支えるのは、若者です。なにも、世代間抗争をあおっているのではありません。それが実態だからです。


 町ゆく老人たちのインタビューが流れていましたが、自分たちも負担しなければと、答えていましたのは、一人の老女だけです。関西弁で、「欲ドシイ」という表現があります。手取りベースで500万円以上の収入のある若者は怒る必要がありませんが、それ以下の収入である若者(現役世代)は、今一度考えてみるべきです。決して、世代間の抗争をあおるつもりはありません。


 終末期治療につきましては、後日別途書きます。