第4052回「カイジ2劇場版 人生奪回ゲーム、その2、ストーリー、ネタバレ 福本伸行原作」 | 新稀少堂日記

第4052回「カイジ2劇場版 人生奪回ゲーム、その2、ストーリー、ネタバレ 福本伸行原作」

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 第4052回は、「カイジ2劇場版 人生奪回ゲーム、その2、ストーリー、ネタバレ 福本伸行原作」です。ストーリーの紹介にあたり、便宜上、章とサブタイトルを付しました。なお、感想につきましては、"その1"に書いています。


「プロローグ 一条とカイジ」

 映画は、「ざわ・・・ざわ・・・ざわ・・・」を表現するシンセサイザー(?)の音から始ります。帝愛の会議が開かれています。会長の兵頭は、一条聖也(伊勢谷友介さん)を、闇カジノの支配人として紹介します。あの鉄骨を渡り切った男です。過去に渡りきったのは、カイジと一条だけです。その一条が、"鉄骨渡り"の現場に来ます・・・・。


 画面は変り、地下の工事現場が映し出されます。カイジ(藤原竜也さん)は、またもや地下に舞い戻ってしまったのです。班長の大槻は、カイジを歓迎します。かもがネギを背負ってやってきたからです。"チンチロリン"で、地下労働者からわずかな"ペリカ"(地下通貨)を巻き上げていたのです。


 カイジは、大勝負に出ます。あざ笑う大槻の思惑に反し、他の地下労働者全員がカイジに乗って賭けたのです。ですが、カイジの負けでした。目は、"456"であり親の大槻の勝ちですが・・・・。カイジが取った行動は、サイコロを取り上げることでした。目は"456"だけのイカサマ・サイだったのです("4"の反対側の目は、やはり"4")。


 これまでの負けを取り戻した労働者が取った行動は、全ての金と自由時間をカイジに託すことでした。地上での自由行動時間は2週間、腕時計によって表示されます。かつての利根川の立場にいたのは、地下支配人の黒崎(嶋田久作さん)でした、全員が拠出した109万円を、カイジは黒崎から受け取ります・・・・。


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「第1章 利根川と再会、そして闇カジノへ」

 カイジが目覚めたのは、新宿でした。腕時計は、ゼロに向ってカウントを始めます。所持金の109万円を2億円にするには、それ相当のギャンブルが必要です。2億円とは、全員の借金総額です。それだけを勝ち続けなけねば、全員を地下から解放することはできません。


 カイジが向ったのは、ドヤ街です。あの鉄骨渡りをしたツイン・ビルが見えます・・・・。カイジは、無料宿泊券をゲットします。そこで偶然出あったのが、あの利根川(香川照之さん)でした。パート1で、カイジに"Eカード"で負けたために、地下に送られていたのです。ですが、借金4000万円を残し、地上に出て来ていたのです。


 ふたりは、早速賭けをします。かけ金5万円の将棋です。ですが、その時、宿泊の確認のため呼び出しが行なわれたのです。カイジはつい席を外してしまいます・・・・。ですが、戻った時には、利根川の姿もかけ金の5万円も消えていました・・・・。


 残っていたのは、携帯とメモだけでした。その携帯に、利根川から連絡が入ったのです。「金が一挙に儲かるところを教えてやる、メモに書かれている住所に行きな」、言われるままに向ったのは、帝愛が運営する闇カジノでした。建物は、老朽化しています(伏線です)。黒服に案内され、カジノに入っていきます。


 10倍、100倍のパチンコ台が並んでいます。初見の客だと見抜いた男が近づきます。大阪弁風のイントネーションでしゃべる坂崎(生瀬勝久さん)です。彼が、カイジに教えたのが、モンスター・パチンコ"地獄の沼"でした。このパチンコを攻略したのは、過去にふたりしかいません。帝愛の兵頭と黒崎だけです。当然、客寄せのため、インチキで大当たりしたのですが・・・・。


 レイトは1玉4000円です。既につぎ込まれた金は、11億円に相当します。ただ一個の穴ジャックスポットに入るだけで、その11億が手に入るのです。ひとりの若いサラリーマンがチャレンジします。1000万円を借金し、打ち始めます・・・・。センターに入った玉は、三つの受け皿を通過しなければなりません(センターに入れるだけでも難しいのですが)。


 最上段が3個の穴、中断が4個、最下段が5個です。ですが、それぞれに赤く表示された穴を通過しなければ、全て無駄玉になります。最下段の赤く表示された穴に入れば、即大当たりですが・・・・。そのサラリーマンも、最下段の受け皿まで進みますが、赤い穴の縁に蹴られます・・・・。借金が嵩みます。いいところまで行くのですが・・・・。


 坂崎とカイジは、地獄を目撃します。


「第2章 坂崎、"沼"に挑戦す」

 坂崎は、カイジを自宅に連れていきます。そこには、"沼"を模したモデルが置いてありました。坂崎は、カジノに、内通者を作っています。裕美(吉高由里子さん)です。メガネのおっちゃんの実の娘です。おっちゃんは、鉄骨から墜落して亡くなりました・・・・。


 裕美は言います。「帝愛に復讐したい!」、その一念で、現在、闇カジノで働いています。メイド風のスタイルで、ドリンク類をサービスするのが担当です。


 坂崎の"沼"攻略法はふたつです。ひとつは、釘の甘い日を選ぶことです。釘の調整は、毎日行われています。裕美の情報では、あさって釘が甘くなるとのことです。もうひとつは、最下段の受け皿の穴の攻略法です。地下に送り込まれたサラリーマンの経験から、決して入らないよう、構造的な仕掛けがあると坂崎は考えます。


 それを打ち破るには、何らかの工夫が必要です。坂崎が考え出したのが、磁石です。坂崎が持ち込んだら、ボディ・チェックで引っかかります。そこで、考え出したのが、磁石を取り付けた缶ビールを、カイジに持ち込ませ、裕美に配らせるというものでした(カイジがノー・チェックというのも不思議ですが)。


 坂崎は、1000万円カードを買い、2500個の玉を得ます。坂崎のチャレンジが始ります。あのサラリーマンと同じように、おしいところまで行くのですが、やはり縁に蹴られます。そして、玉を追加購入しますが、ついに金が尽きます。わずかな玉を残した段階で、興奮した坂崎は、玉を溜めているボックスに缶ビールを落としてしまいます。


 缶には磁石が付いていますので、バレたら大変なことになります。即、地下送りです。坂崎は真っ青になります・・・・。玉が一個飛び出します。見ていた支配人の一条は、あわてて玉を拾い、ボックスに落ちた缶を取り出します。ですが、缶ビールには玉は付着しなかったのです。裕美が裏切り、磁石の付いていない缶を坂崎に渡したのです。坂崎は、すっからかん(菅?)になります。


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「第3章 姫と奴隷」

 サラリーマンと坂崎の体験から、"沼"の構造が分かりました。最下段の赤穴の位置は、相対的に高い位置にあります。意図的に台に傾斜を付けていたのです。台の傾斜さえ変えれば、必ず勝てるはずです。ですが、坂崎は、文無しです。先立つものが必要です。カイジに託された100万ほどでは勝負になりません(最低300万円、玉のばら売りはなし)。


 カジノに乗り込んで挑んだのが、"姫と奴隷"です。3択問題です。ゲートは三つあり、ひとつは"姫"、あとのふたつには"飢えたライオン"が入れられています。"姫"は、モニターで自分がどの檻に入れられているのか分かります。"姫"は"奴隷"に何番のゲートが正解か、伝えられる仕組みです・・・・。


 ですが、本当のことを言うとは限りません。"奴隷"が食われれば、"姫"の勝ちとなり300万円手に入るからです。まさしくストックトンの「女か虎か」(※)です。まず最初に登場したのが、あのサラリーマンです。"姫"となったのは、彼の恋人でした。恋人の教える番号を押します・・・・。出てきたのは、ライオンでした。


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 その様子を、坂崎と見ていたカイジは、ゲームに参加することを宣言します。"姫"は、彼らを裏切った裕美です。裕美は、"3"と言います。ですが、カイジは逡巡します。そこに現われたのが、利根川でした。「"覚悟"を決めて、さっさと押せ」と言い放ちます。


 実は、利根川は、ドヤ街でカイジに説教していたのです。「大事なのは、一に勇気、二に決断、三に覚悟」(私の記憶)、利根川は"3"が正解だと教えていたのです。カイジは、"3"を押します。裕美のゲートが開きます・・・・。裕美が"3"と言ったのは、一条の指示でした。


 命懸けのゲームは、カイジの勝ちとなりました。喉から手が出るほど欲しかった軍資金が、ついに手に入ったのです(賞金は映画の中では語られていませんが、1000万円ではないでしょうか)。


「第4章 チーム・カイジの暗躍」

 カイジと坂崎のチームに参加を表明したのは、利根川でした。金はありませんが、利根川にはある計画を進めていたのです。カジノのすぐ上の部屋から、時間をかけて床を掘り進めていました。位置確認のために床を細かくメッシュに切り、一条の支配人室に侵入するのが目的です。


 さらに、いったんはカイジたちを裏切った裕美が再度グループに入ってきます。闇カジノ・サイドの情報を得るためには、不可欠の人物ですが・・・・。坂崎の家が、グループの本拠となっているのですが、掃除などで貢献します。そして。花を花瓶にさします。不自然なカットです・・・・。


 "沼"を攻略するためには、"釘の締め"と"台の傾斜"が鍵となります。そして、カイジの外出許可の最終日がやってきます。カイジ、坂崎、利根川の3人は、宅配業者に変装し、カジノの入っている老朽ビルに侵入します・・・・。その様子を一条は見ていました。


 場面はかわり、カイジたちはカジノに乗り込みます。カイジの賞金で、まず1000万円のカードを買い2500個の玉を得ます。台は、毎日一条が釘の調整をしていたのですが、それにも関わらずセンターに流れ込んでいきます。ここで一条が叫びます。「お前たちのイカサマが分かった、宅配業者に化けて、玉全てを小さい玉に変えたのだ」、花瓶にレコーダーを入れておいたのです。


 ですが、玉の大きさは、いくらチェックしても正常です。利根川がやったのは、パチンコ・ゲージ(釘の間隔を調整するため、先端に玉をつけた棒状の器具)についた玉の大きさを、次第に大きなものに換えていたのです。裕美が裏切ることを予見して、偽情報を流したのです。


 センターに玉が集まりますので、三段の受け皿に、どんどん玉が流れていきます。後は、時間と金の問題です・・・・。ギャラリーが騒ぎ始めます。「ざわ・・・ざわ・・・ざわ・・・」、キャプションも擬音も実際には入っていませんが・・・・。ですが、玉が尽きたのです。坂崎のおっちゃんは、帝愛カードで1000万円借金します。ですが、それでも・・・・、ここで、一条が禁じ手に出たのです。


 台自体に仕込まれた磁石を作動させたのです。玉は、ジャックスポットである赤穴をよけるように動き始めます。玉は、三段の受け皿に溜っていきます。誰の目にも、明らかにイカサマです。帝愛の闇カジノは永遠に信頼を失いました。


 それでも、一条はカイジに勝たせるわけにはいきません。溜った玉は、いまや13億円に膨れ上がっていたのです。一方のカイジたちにとっては、イカサマと分かっていても、絶対勝たなければいけない大勝負です・・・・。


「第5章 "沼"決着」

 玉は、受け皿にあふれるほど溜っていきます。さらに玉を打ち込めば、玉自体が行き場を失い、必然的にジャックスポットに流れ込むはずです。カイジの虎の子の100万円と坂崎の最後の200万円をつぎ込みますが、それでも、ジャックスポットには落ちません。万事休すです。


 以下、最後まで書きますので、ネタバレになります。


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 失望した利根川(香川照之さん)は、カジノを出て行きます・・・・。ですが、カジノ内に万札が舞い上がったのです。利根川が戻ってきたのです。帝愛カードで借りた1000万円です。散ったギャラリーが再度集まってきます。センターに集まった玉は、受け皿に流れ込みますが、それでもジャックスポットには入りません。そして、玉が尽きます。


 あと1000万円あれば・・・・。それまで沈黙を守っていた裕美(吉高由里子さん)が動きます。1000万円を借金したのです。これで、4人は一蓮托生です。これでも入らなければ、全員地下送りです。そして、ついにその時を迎えます。


 最下段に溜った玉は、ジャックスポットに一挙になだれ込みます・・・・。ついに、カイジ(藤原竜也さん)たちは勝ったのです。"沼"が光り、大当たりを告げます・・・・。一条聖也(伊勢谷友介さん)は、地下送りとなります。


「プロローグ "Eカード"ふたたび」

 4人は、13億円を配分します。帝愛に対する借金を返しても、裕美と坂崎(生瀬勝久さん)は、3億を超える大金を手に入れます。利根川も、4000万円の借金を返済しても、3億円近い金を手にします。カイジも、地下の仲間の全借金を完済しても、1億円以上が残っています。


 ここで、利根川が声をかけます。「一勝負しねえか、あの"Eカード"だ」、利根川がカイジに敗れたゲームです。山中に入り、自動車の中でゲームを始めます。ですが、トランクから煙が噴き始めたのです。最初は、利根川のイカサマだと考えていたカイジも、火が噴出したのを見て慌てだします。


 カイジと利根川が自動車から飛び出した後、自動車は爆破炎上します。ふたりの分配金も燃えます。「しょうがねえじゃないか。お前から取った5万円は返すよ、解放された地下労働者におごってやれよ」


 場面は変り、居酒屋でカイジたちは仲間たちと乾杯しています・・・・。そんな彼らを見つめる人物がいました。利根川です。燃えた金はダミーでした。利根川は、カイジの分配金も手に入れていたのです。


(蛇足) 台の傾斜を変えるために、ビルの一室に大量の水を注ぎ込んでいます。ビニール・シートでプールを作ったのです。老朽化したビルは、目に見えないほどの角度で傾斜します・・・・。


(補足) 写真は、"シネマトゥデイ"から引用しました。


(追記) 感想につきましては、"その1"に書きました。興味がありましたら、アクセスしてください。

http://ameblo.jp/s-kishodo/entry-11076087973.html