第9352回「世界一優美なワイン選び ジェラルド・アシャー その2ブルゴーニュ、その3シャブリ」 | 新稀少堂日記

第9352回「世界一優美なワイン選び ジェラルド・アシャー その2ブルゴーニュ、その3シャブリ」





 第9352回は、「世界一優美なワイン選び ジェラルド・アシャー その2、ブルゴーニュ、その3、シャブリ」です。 本書の特徴は、多数のラベルが掲載されていることです(表紙には、コルク栓の写真が使われています)。


「その2、ブルゴーニュ」

 「人生を彩る香り高き一本を選ぶ」とサブタイトルされており、ある作家の言葉を引用しています。『 上等なブルゴーニュのワインが一本あれば、もはやワインを讃える言葉など無用である 』と・・・・。残念ながら、私自身はさほどブルゴーニュ・ワインは飲んでいません。


 著者は、「クリュ(区画、村)」の重要性を強調します、「クリマ」とも呼ばれているそうです。ですが、それ以上に重視すべきが、個々の農家であると主張し、レストランのワイン・リストにはそこまで書かれていないことを残念がっています・・・・。


 そして、ヴィンテージについての誤解を指摘します。『 欧米の消費者は、(ワインの)若いうちはとっつきにくくて優雅さのかけらもない、渋くてタニックなワインこそ、長じて開花する思い込まされている。・・・・ こういうワイン観に生産者自身が便乗し、厄介な作柄をうわべだけ飾りたて、始末の悪いワインを美味なワインよりも高く売りつけようとする。 』(塚原氏訳)


 アシャーは痛烈に批判します。そして、クリュ以上に重要視している個別の生産者名を長々と列挙していきます。そして、個別の生産年(ヴィンテージ)についての見解で締めくくっています。


「その3、シャブリ」

 私がレストランでオーダーしたワインで、最も多いのがこのシャブリです。日本酒に通じる風味が好きだったからかもしれません・・・・。アシャーはブルゴーニュとは別に章立てをしていますが、ブルゴーニュの一地区だと考えている人も少なくないようです。




 『 (シャブリ・ワインは、)基本的にシャルドネ種の葡萄から作られる。シャブリ地区は、キンメリジャンとよばれる石灰岩を主体にした、ミネラル分が豊富な土壌であるため、シャルドネ種の栽培に適している。辛口でミネラルに由来するヴァニラやピーナッツのような優れた香りを持ち、人気が高く辛口白ワインの代名詞的な存在であった。  』(ウィキペディア)


 アシャーは、シャブリの歴史について語ります。それは、赤貧がもたらしたスタイルであると・・・・。


 『 「無職、時に黄金色」をしたワインは、「アロマが高く快適で、風味が強くて優れる」。たぶん木製の容器を手放すまで、シャブリはこんな姿だったのであろう。 』(塚原氏訳)、しかし、ステンレスタンクに移行後、次第に木製の樽に戻っているそうです。


 最後に、クリュとヴィンテージについて紙数を費やし、この章を終えています。


(補足) 写真はウィキペディアから引用しました。