第9354回「世界一優美なワイン選び ジェラルド・アシャー その4、ボルドー、その5テミリオン」 | 新稀少堂日記

第9354回「世界一優美なワイン選び ジェラルド・アシャー その4、ボルドー、その5テミリオン」





 第9354回は、「世界一優美なワイン選び ジェラルド・アシャー その4、ボルドー、その5、サン=テミリオン」です。


「その4、ボルドー」

 『 ボルドー市街地の大部分が位置するガロンヌ川左岸は、ボルドー湖周辺のように多くの場合湿地である大平原を構成する。いくつかの丘があるにも関わらず、左岸の平均標高はとても低い。この草原は主に砂利が堆積したものである。・・・・ボルドーの街は地質面で極めて類似するメドック(下流)とグラーヴ(上流)の間に位置する。


 ガロンヌ川右岸は平原から石灰岩台地にかわるので、全く違う様相である。標高は崖で90m近く上昇する。この台地上には、世界で最も高いワインを産するサン=テミリオン、ポムロール、フロンサックといった世界的ブドウ園が、ボルドーから約20kmにわたって存在する。 』(マネーの絵画と共にウィキペディアから引用)


 アシャーは、石灰岩質が優良なブドウを生み出したと力説します。そして、ボルドー黄金期の末尾を飾る1988年から90年のワインの質を評します。


1988年・・・・ クラシックな味わい

1989年・・・・ 理想的な偉大な年

1990年・・・・ 出来の分かるワインの年


 そして、テクスチャー(肌理、きめ)、アロマ(果実香)、プケ(熟成香)などの観点から切り込みます・・・・。そして、今でも通用すると思われますが、1960年ごろからのヴィンテージについても触れています。


1966年・・・・ まだ活気があるものの、やせ気味な点は隠せない

1971年・・・・ 濃密な味わい。著者を驚愕させたのが、誰も見向きもしないシャトー・ラフィット=ロートシルト。




「その5、サン=テミリオン」

 「メルロー種、カペルネ・フラン種の芳醇な味わい」とサブタイトルされています。


 『 サン=テミリオンは、ボルドーワインで有名なボルドー 近郊のワイン産地のひとつで、歴史地区は周辺の7つのコミューンの景観とともに、「サン=テミリオン地域」の名でユネスコの世界遺産に登録されている。


 13世紀に誕生した自治組織ジュラードは王から絶大な権限が与えられ、ワインの品質を守る重要な役割を担っていた。サンテミリオンのジュラードは、貨幣を作ることと死刑判決以外はあらゆる権限を認められていた。


 良いワインの樽にはジュラードの焼印が押され、彼らの厳しい審査によって、サンテミリオンの名に値しないと見做されると、ワインは町の広場で樽ごと焼き捨てされ、その作り手は棒で叩かれ、罰せられた。


 このワインの味は、中世に盛んになったサンティアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼の途上に立ち寄った旅人たちの間で評判となり、優れたワインのひとつとして知られるようになった。 』(写真と共にウィキペディアから引用)


アシャーは、ポルドーにも共通する石灰岩質の地層について触れ、さらに自治組織ジェラードによる格付けについても語ります。

グラン・クリュ・・・・ 特級(GC)、最上位

グラン・クリュ・クラッセ・・・・ 特級格付け(GCC)

プルミエ・グラン・クリュ・クラッセ・・・・ 一級特級格付け


 そして、アメリカ流の数値評価の危険性を批判します。数値だけに公正に思えるが、ワインの本質からは外れていると結論付けます。


(追記) 「世界一優美なワイン選び」につきましては、随時取り上げていく予定です。過去に書いたブログに興味がありましたら、お手数ですがブログトップ左側にあります"ブログ内検索"欄に"アシャー"と御入力ください。