第9360回「トリック 山田奈緒子関連本 その3、大消失ミラクル ストーリー、ネタバレ」 | 新稀少堂日記

第9360回「トリック 山田奈緒子関連本 その3、大消失ミラクル ストーリー、ネタバレ」

 第9360回は、「トリック 山田奈緒子関連本 その3、大消失ミラクル ストーリー、ネタバレ」です。最初に既に書いているブログからストーリー部分を再掲することにし、そのあと、「山田奈緒子の視点」を付け加えることにしたいと思います、


「まるごと消えた村、ストーリー」(既に書いているブログからの再掲)

 『 このドラマの冒頭、ロベール・クレマン(?)がエッフェル塔を消したとのエピソードが紹介されてます。「エッフェル塔消失」のイリュージョンを、ネット検索した人は少なくないと思います。正直、よく分らないのです。ネットで検索できないのです。ただ、「ネットで検索できないものは、実在しない」という考えは、明らかに間違いです。


 しかし、自由の女神を消したマジシャンはいます。デビッド・カッパーフィールドです。また、ディズニーランドのシンデレラ城を消したマジシャンもいますし、ナポレオンズは東京タワーを消しました。ですから、一概に堤監督の創作とも思えないのですが・・・・。


 ですが、このエピソードはさらに大きなイリュージョンを展開します。消えたのは村人だったのです。誰もいなくなったのです。捜索のため出かけた消防団も全て、消えてしまいました。そこで捜査を要請されたのが、天才物理学者・上田次郎(阿部寛さん)です。当然、美人で天才マジシャンの山田奈緒子(仲間由紀恵さん)も同行します。


 これだけでも、ストーリーが複雑なのですが、さらに事態を混乱させる矢部警部補が登場します。「強きに媚び、弱きを挫く」、まさしく公務員の鑑(かがみ)です。ただ、山田、上田以上のコンプレックスがあります。頭髪部です。"かつら"などを連想させる語彙(ごい)には、過剰に反応します。


 村を消したと豪語しているのは、"ミラクル三井"と名乗る超能力者です。白塗りの顔で、変なフランス語を、取り混ぜます。そんな三井が、山田の目前で、駐在の警官を消し去ります。そして、「安室奈美恵とウーパールーパーを足して二で割ったような」少女の登場・・・・・。村には、ストーン・サークルを思わせる遺跡もあります。


 村人が消えたことには、説明を付けようと思えば可能かと思いますが、捜索に当たった消防団の消失まで重なりますと・・・・・。さらに、雑木林の中の建物を消し、村につながる鉄橋まで、消失していたのです。


 ミステリで、建物を消失させたトリックとしては、エラリー・クイーンの「神の灯」が有名です。その後、多数のバリエーション作品を生み出しました。では、このエピソードで使われたトリックとは・・・・・・。今さらという気もしないではないのですが、最後まで書きますので、以下ネタバレとなります。


 鉄橋消失トリックは、本来の道路をかくして、崖に続く道に誘導したのです。当然、鉄橋は消失していません。このトリックは、「劇場版2」でも使われています。雑木林の中での建物消失は、鏡を使っています。鏡に反射した映像には、何もない雑木林が映っていたと・・・・。


 駐在の消失は、ミラクル三井と駐在との共謀でした。本当の駐在は、既に殺されています。村人と消防団の消失は、全員による共謀です。ミラクル三井は、実は主犯ではありませんでした。超能力がインチキだと暴露されたミラクルは失意の内に、村に帰ってきました。村人たちは失意のミラクルを徹底的に利用したのです。


 「安室奈美恵とウーパールーパーを足して二で割ったような」少女に秘密があったのです。この村では、昔から25年に一度、神に少女を生贄とささげてきたのです。その儀式の現場を、駐在は目撃したのです。そして、村人に駐在を殺されます。それらを秘密にするために、ミラクル三井の超能力(?)を利用し、村を消し去った・・・・・。


 ミラクル三井は、最後のイリュージョンを見せます。火のみ櫓の上から、自らを消失させたのです。それは、単に櫓の後ろに飛び降りただけです。ミラクルの最後の言葉は、「私は、本当の超能力者に会ったことがある」(私の記憶)です。超能力者の悲しい最期です。


 エンディング・ソングに、鬼束ちひろさんの「月光」が流れます。タイトル・バックは、子どもから骨だけの死者へと変り行く一対の男女が映し出されます。額縁に収まった不気味な映像です。 』(以上、再掲)



「山田奈緒子の視点」

 宝女子村(ほうめこむら)の村人失踪事件に"私"が関わったのは、またしても上田に泣きつかれたからでございます。警視庁からは、矢部さん池田さんも駆け付けてくれました。ですが、村の異常な雰囲気に飲まれた矢部さんは逃げやがりました。


 問題のミラクル三宅は、「羽根飾りのついた派手な帽子、フリル付きのシャツ、刺繍のベスト、白いパンツ、金色に輝くペーズリー柄のマント。顔は濃いメイクが施され、どこから見ても、怪しすぎる!」人物でした(世界的なマジシャンだけに大変な記銘力です、三井の特徴を語り尽くしています)。


 ですが、"私"の目はだませせん、橋の消失などすべて「シンリマナブ(心理学)」を使ったトリックだったのですがございます。上田さんも一時は頭部を吹っ飛ばされたと思われました。上田さんの服を着ており、遺体の巨根からして上田さんの死体だと断定されたからですが・・・・。


 殺されていたのは前田巡査でした。犯人は村人たちでした、ミラクル三井は村人たちに操られていただけなのです。「おまえらのやっていることは、すべてお見通しだ!観念しろ!」、ここで上田も少し役に立ちました。通信教育でカラテをやっていたからです。


 三井は最後のイリュージョンを見せて亡くなりました。最後の言葉が、「愚かな女だ、私は本物の超能力者を知っている」でした。ですが、"私"が問い詰めても三井はそれ以上はしゃべってくれませんでした・・・・。その超能力者が父を殺したのでしょうか。


(追記) 「トリック 山田奈緒子関連本」につきましては、随時取り上げていく予定です。過去に書いたブログに興味がありましたら、お手数ですがブログトップ左側にあります"ブログ内検索"欄に"奈緒子関連本"と御入力ください。