第9363回「トリック 山田奈緒子関連本 その4、遠隔殺人に秘められた真実ストーリー、ネタバレ」 | 新稀少堂日記

第9363回「トリック 山田奈緒子関連本 その4、遠隔殺人に秘められた真実ストーリー、ネタバレ」





 第9363回は、「トリック 山田奈緒子関連本 その4、遠隔殺人に秘められた真実(パントマイムで人を殺す女) ストーリー、ネタバレ」です。ブログテーマを「連続ドラマ」としていましたが、関連本につきましては、メタ・ミステリ的な内容となっていますので、「ねたばれミステリー」に変えさせていただきます。


「パントマイムで人を殺す女 ストーリー」(既に書いているブログから再掲)

 『 卵が割れるオープニングに始まり、薀蓄(うんちく)エピソードが始まります。今回は、丑の刻(うしのこく)参りで呪殺しようとした実話です。いわゆる"不能犯"として殺人未遂は適用されませんでしたが、本件では恐喝の罪で告訴されたようです・・・・・。


 東京の治安を守り続ける矢部警部補(生瀬勝久さん)が、一人の女性同伴で、上田助教授(阿部寛さん)の研究室にやってきます。一緒にやってきた黒坂美幸は、パントマイムだけでこれから3人を殺すと言うのです。矢部の依頼は、一晩、美幸と過ごして欲しいとの依頼です。


 嬉しいのか、恥ずかしいのか、怖いのか、上田は山田奈緒子(仲間由紀恵さん)も一緒に泊り込むように頼みます。報酬は5か月分の家賃。奈緒子は答えます。「キャーーシュッ」 そして、その晩、第一の殺人が起きます。殺す人の名前を告げた上で、首を絞めるマイムをします。


 その通りの状況で、遺体が発見されます。現場の遺留品には、美幸の指紋が・・・・。そして、第二の殺人、今度は刃物で刺すマイムをします。美幸の衣類には、被害者の返り血が・・・・。しかし、不能犯です。これだけでは、逮捕状はおりません。


 最も単純な解釈は、共犯の存在です。指紋は事前に付け、返り血も、被害者の血を事前に手に入れ、共犯者が殺人を実行したという推理です。


 上田は、1時20分から始まる「哲!この部屋」(凄いオヤジギャグです)で、"双子大会"をやっているのを見ます。美幸には双子がいました。美幸がパントマイムを演じ、双子の洋子が殺人を実行する・・・・・。そして、2時45分、双子の姉妹を呼び寄せます。その場にかかってきた電話で、第三の殺人が・・・・。


 その時も、美幸は、拳銃を撃つ真似をしています。今までの殺人は、洋子が実行していました。では、今回はだれがやったのでしょうか。機械的なアリバイトリックです。パソコンとテープを使って、2時45分に電話がかかるようにしていただけです。実際の犯行は、1時頃です。


 洋子は、全ての殺人は、自分が実行したと自白しますが、その時、・・・・・。洋子は、毒を飲んでいたのです。美幸を見つめます。美幸は、「全て洋子がやったこと。私はパントマイムを演じただけ、先生、超能力で人は殺せないと法廷で証言してね」(要旨) 捨て台詞を残し、去って行きます・・・・・。


 このエピソードでは、奈緒子の母親である里見が、多くのシーンで登場しています。これまでに、父親についても触れられています。父親は超能力者を自称する人物に殺されています。完結編で奈緒子は犯人と対決するのでしょうか。


(備考) 写真は、「丑の刻参り」です。ウィキペディアから引用しています。 』(以上、再掲)



「山田奈緒子の視点」

 当時、堤幸彦監督はキャラをいじるのが大好きでした。山田奈緒子は貧×、上田次郎は巨○、矢部はハ△・・・・。すっかりイメージが定着しました。以下、山田奈緒子の一人称で書くことにします。


 今回の依頼者はまたしても、35歳童貞の上田です。超売れっ子の"私"でございますが、今どきのマンションとは異なりアットホームな雰囲気の中、大家のハルさん、隣人のジャーミーくん共々、障子貼りとか掃除なども致しておりました。上田は、美幸さんという若い女性と一晩過ごせるということで、嫌らしいほどワクワクしています。


 一方では、「一晩は、男女が過ちを犯すには十分な時間だ。ぼくは過ちは嫌いだ」とかなんとか、ぬかしておられましたが、女性に対して自信がないと言うのが一目で分かりました。そして、事件は次々と起きていきます。予言どおり、美幸さんがパントタイムをしたとおりに、具体的な人物が殺されていったのです。


 しかも、指紋など美幸さんが犯人であることに間違いない重大な物証をわざと残しての犯行でした。その間、上田も私も彼女と一緒にいたのですが・・・・、もちろん、上田は虚勢を張って、「ぼくは物理学者としての立場から、超能力や霊能力など一切を否定しています。如何なる現象でも、科学で説明可能です」と・・・・。


 「完璧なアリバイだって?そりゃあ、双子だ。でも助教授の口からそんな陳腐なミステリのようなことは口にできない。山田、おまえが話せ」などと言うんでございます。"「おまえのやったことは全部お見通しだ。おまえは双子だ!」、恥ずかしさで顔が真っ赤になりました。


 ところが、美幸さんはあっさり認めたんです、物陰から瓜二つの洋子さんという女性が現れました。そして、洋子さんはすべての罪を告白した後、毒を飲まされて亡くなりました。ですが、美幸さんは最後までシラを切って、白い牛乳を飲んで立ち去って行ったんです・・・・。


 死人に口なし、不能犯である以上、法も美幸さんを裁けない、悔しいじゃありませんか。


(追記) 「トリック 山田奈緒子関連本」につきましては、随時取り上げていく予定です。過去に書いたブログに興味がありましたら、お手数ですがブログトップ左側にあります"ブログ内検索"欄に"奈緒子関連本"と御入力ください。