第9372回「世界一優美なワイン選び その14、ソアーヴェ その15、リオハ」 | 新稀少堂日記

第9372回「世界一優美なワイン選び その14、ソアーヴェ その15、リオハ」





 第9372回は、「世界一優美なワイン選び その14、ソアーヴェ(イタリア、ヴェネト) その15、リオハ(スペイン)」です。「世界一優美なワイン選び」、ワインの世界的生産地を巡る旅もあとわずかです。


「その14、ソアーヴェ(イタリア、ヴェネト)」

 「非個性からの変身、輝ける未来の幕開け」とサブタイトルされています。「ソアーヴェが店の片隅でたなざらしにされていたのは、そう遠い昔のことではない」、この章の冒頭で、著者のジェラルド・アシャーはそう語ります。良くも悪くも原産地呼称制度(DOC)は、イタリア・ワインに大きく影響を与えてきました。


 『 ソアーヴェ (Soave) は、イタリア・ヴェネト州のソアーヴェ村とその周辺などで生産される白ワインである。イタリア原産地呼称制度(DOC)下に指定されている41銘柄のひとつ。産地名である「ソアーヴェ」には、イタリア語で「気持ちいい」という意味もある。


 この地域固有のぶどう品種であるガルガーネガ種単独か、それにトレッビアーノ・ディ・ソアーヴェ種をブレンドして作られており、軽い辛口のさっぱりした味わいを特徴とする白ワインである。大量に生産されているテーブルワインであり、現地でのボトル価格は日本円で100円程度からと安価なものが大半である。


 1998年にDOCGワインに指定されたレチョート・ディ・ソアーヴェ (Reccioto di Soave) は、収穫したぶどうをいったん陰干ししてから醸造するもので、貴腐ワインによく似た独特の香りと、強い甘みを持ったデザートワインである。


 2001年にDOCGに昇格したソアーヴェ・スペリオーレ (Soave superiore) は、ソアーヴェの高級品で、辛口ではあるが深いこくがある。 』(写真と共にウィキペディアから引用)


 長々とウィキペディアから引用しましたが、アシャーもほぼこのとおりの展開で論を進めています。一時は労働者のワインであったと・・・・。そして、ソアーヴェの名門生産者として、アンセルミとピエロバンを紹介しています。


「リオハ(スペイン)」

 スペインからはリオハとレベラ・デル・ドゥエロが紹介されています。リオハに冠されたサブタイトルは、「樽(オーク)をくぐつて、グッド・バイブレーション」となっています。これまでの章とは大きく異なり、リオハ・ワインそのものにはさほど紙数を費やさず、樽のワインに及ぼす影響を大きく取り上げています。


 オークとはナラとかカシのことですが、ワイン用の樽に多用されています。その樽の香りがワインに独特な風味を与えます・・・・。そのことを著者は錬金術と呼びます。


 『 19世紀半ばにリスカル侯爵がフランスのボルドーから導入したオークの小樽による熟成方法がリオハの伝統として、今日までに根付いてきました。一般的はアメリカ産オークが使われ、伝統的に長い期間の樽熟成が行われてきました。


 1980年代末に始まったリオハの革新では、フレンチオークの小樽と樽熟成期間の短縮によってぶどう本来の果実味と骨組みを生かしたまま、瓶の中で品質をより洗練させようという生産者が増えてきています。


 それまではリオハの各地のぶどうをブレンドして生産することが一般的でしたが、最近は畑の地区、または畑そのものを限定する生産者もますます増えています。白ワインもフレッシュでフルーティなスタイルが増えてきました。


 しかし、一方では昔ながらの製法にこだわってワイン生産を続ける生産者もいて、リオハでは伝統と革新、どちらのスタイルのワインも共存しています。 』(ホームページ『WINES from SPAIN』から引用)


 「事実、上手な造りで長く寝かせ、樽熟をへたリオハに必ずや備わる魅力は、オークとワインの結びつきに懐疑的な人の眼を見開かせてくれるに違いない。こういうリオハには決まって馴染みやすさがあるが、赤ワインの常として、デカンタに移しておいたほうが、早く個性があらわれる」(塚本氏訳)、著者はそう締めくくりす。


(追記) 「世界一優美なワイン選び」もあと一回になりました。過去に書いたブログに興味がありましたら、お手数ですがブログトップ左側にあります"ブログ内検索"欄に"アシャー"と御入力ください。