第9385回「マッドマックス4 怒りのデス・ロード G.ミラー監督 その2ストーリー、ネタバレ」 | 新稀少堂日記

第9385回「マッドマックス4 怒りのデス・ロード G.ミラー監督 その2ストーリー、ネタバレ」





 第9385回は、「マッドマックス4 怒りのデス・ロード G.ミラー監督 その2、ストーリー、ネタバレ」(2015年)です。


「プロローグ 荒廃した世界の中で」

 「世界は潰滅した、核戦争で、環境破壊で・・・・。人々は石油を、さらに水を求めた。俺は元警官、妻子は殺された、名前はマックス」(要旨)、愛車V8インターセプターを降り、荒野を見つめるマックス(トム・ハーディ)の独白から映画は始まります。パクりとトカゲを頬張ったマックスは愛車を駆ります。


 マックスに向かってきた狂信的な集団は、シタデル砦に王国を築くイモータン・ジョー(ヒュー・キース・バーン)の一団でした。白色に全身を染め、胸には多数の空タトゥーを彫り込んでいます。なす術もなくマックスは捕われました。


 「おまえはガソリンだ、ウォー・ボーイズの輸血袋だ」、マックスの背中には、タトゥー・マシーンで次々と文字と紋様が彫り込まれます。逃走しようとしましたが、逃げ切れません・・・・。その時、少女が呼びかけてきます。「助けに来てくれたの?」、マックスの幻覚でした。


「第一部 副隊長フュリオサと5人のワイブ」

 数人の女がタンクの下に座っています。母乳を吸引しているようです。一方、砦の外には千人規模の民衆が集まっていました。放水口から大量の水が流されます。下では、民衆が争ってタライとかバケツで水を受けていました・・・・(伏線です、そして映画の世界観を表現しています。低音のサウンドと低めのセリフ)。


 副隊長のフュリオサ(シャーリーズ・セロン)は、大きなタンクローリーで5人の女を乗せ西に向かうはずでした・・・・。進路変更を命じます。10人ほどのウォー・ボーイズに、理由も説明せず、ただ「東へ」と告げたのです。一方、砦で監視していた一団がいました。奇形とも言うべき小人のイモータンの息子です。




 連絡を受けたイモータンは、「連れ戻せ!」と命じます。妻5人が逃走したからです、そして、自らも出陣します。戦闘の報せに興奮したのが、ウォー・ボーイズのひとりニュークス(ニコラス・ホルト)でした。仲間と先陣争いをして叩き伏せます。ニュークスの輸血袋となったのがマックスでした。


 輸血袋とは、他人の血を注入することによってパワー・アップを図ろうという独自の宗教的儀式とも言うべき装置でした。たとえ戦死しても、イモータンが奉ずる神の地で蘇ることができると信じられていたのです。そのため、ウォー・ボーイズは北欧神話に登場するバーサーカーのような勇敢さで闘います。


 ですが、マックスとしては大変な迷惑です。自動車の前面部にくくりつけられるているのですから・・・・。逃走するフュリオサ一行に攻撃を加える集団がいました。「ハリネズミ」と呼ばれる自動車の外装部に多数の突起をつけた集団です。フュリオサを護衛するウォー・ボーイズが次々と火の車にしていきます。




 その後を追撃するのが、イモータン・ジョーが率いる本隊の一団でした。その中には、幹部クラスの武器将軍(リチャード・カーター)とか人食い男爵(ジョン・ハワード)の姿もありました。派手にギターを気ならす男も・・・・、ハリネズミの集団を壊滅させたものの、イモータンの追撃は迫っています・・・・。


 その中には、縛られたマックスをボンネットから突き出した杭に縛りつけたニュークスの自動車もありました。追いつめられたフュリオサでしたが、天が味方します。前方に巨大規模の砂嵐が待ち受けていたのです。フュリオサは、一か八かの行動に打って出ます・・・・。


「第二部 マックスと6人の女たち」

 フュリオサが運転するタンク・ローリーは砂嵐の中に突っ込んでいきます。中は雷が轟き、数本の竜巻が渦巻いていました。果敢に竜巻をよけ、奥へ奥へと侵入していきます。一方、イモータンの部下たちも、勇敢に侵入していました。砂嵐の中で、追撃戦が繰り広げられます。ですが、敵はもはや砂嵐そのものでした・・・・。


 嵐が通り過ぎると、タンク・ローリーは停車していました。6人の女たちが降りてきます。一方、ニュークスが運転していた自動車も大破していました。拘束を外せないまま、マックスはタンクローリーに向かいます。一方、ニュークスも健在でした。三者の闘いになりますが、結果的に勝ったのはマックスでした。




 マックスはタンクローリーで立ち去ろうとしましたが、さほど行かないうちにエンジンが停止します。フュリオサが事前に自分にしか運転できないようにシステムに手を加えていたのです。これまで女たちを助けようとは考えていなかったマックスでしたが、考えを変えます。イモータンの本部隊がそこまで迫っていたからです。


 こうして、マックスは女たちと行動を共にすることになりました。次なるポイントは、関所とも言うべき岩山の回廊です。岩石を落とすと通行が不可能になる要衝です。フュリオサはイモータンの追撃を振り切るために、事前にガソリンとの交換を申し出ていたのです。ですが、タンクに入っていたのは母乳でした・・・・。




 「何でもいいから叫べば、ローリーを発進させて」、ヒュリオサはマックスと事前に合図をきめます(馬鹿野郎が合図です)。関所の連中がタンクをチェックしようとした瞬間、ヒュリオサは「馬鹿野郎」と叫びました。岩石が落ちてきて、イモータン軍団を阻止します。一方、タンクローリーも距離を稼ぐためにひたすら全力でダッシュします・・・・。


 行く手を阻止されたイモータンは、岩場でも走行可能なモンスタートラックを追っ手として使います。逃げるタンクローリー、追うモンスタートラック、自ら盾となって前面に立ったのが、臨月間近のスプレンディッド(ロージー・ハンチントン=ホワイトリー)でした。イモータンが自分を最も愛しており、子どもを欲しがっていることを知っていたからです。「イモータンは決して、私を殺させない!」


 今回も辛くも追撃を振り切ることができました。しかし、往く手に待っていたのは泥濘化した砂漠でした。イモータン・ジョーのワイプ(つまたち)も全員協力して、空転するタイヤを轍(わだち)から脱出させようとしました。ここで姿を現したのが、ウォー・ボーイズのニュートンでした。間一髪、枯れ木にチェーン・ブロックを巻きつけ、脱出させます。


 またしても本隊が追い迫りますが、若干距離を稼げたはずです。ヒュリオサの記憶に残る「緑の地」も間もなくのはずです。


「第三部 緑の地は汚染されていた!」

 しばらく行くと、ポールの先に女が横たわっていました。「あれは囮(おとり)よ!」、そう言ったのはヒュリオサでした。彼女が言ったように、単車が一台、二台と現れました。いずれも過酷な砂漠の日射に焼かれた老婆たちでした。「あんた、ヒュリオサだね?母さんと瓜二つだよ」


 ヒュリオサを落胆させたのが、老婆たちの言葉でした。「緑の地だって?もう通り過ぎたよ。今では汚染されていて誰も暮せないエリアになったよ」、先ほど通過した深い轍を作っていたエリアが「緑の地」のなれの果てだ、と老婆たちは語ります。


 ヒュリオサも5人の女たちも絶望が襲います・・・・。以下、結末まで書きますので、ネタバレになります。


――――――――――――――――――――――――――――――――





 「緑の地が汚染されたのなら、緑の地にすればいい。シタデル砦には、大量の水がある。今奴らの本隊は俺たちを追撃している、砦は空家同然だ。フュリオサ、おまえがイモータンになればいい」、そう提言したのはマックスでした。ここで初めてマックスが救世主らしい行動に出ます。


 仲間は、フュリオサ、マックス、ニュークス、5人のワイプ、そして、新たに加わった数人の老婆たちでした。ですが、老婆と言っても果敢です。5人のワイプを守り抜こうとします。逆走し始めたタンクローリーの動きに動揺を隠せなかったのが、イモータン・ジョー本人でした。関所を目指して爆走します。砦に先に着いた方が勝ちだ、と解っていたからです。




 こうして、最大の見せ場がやってきます(最初の追撃戦から、わすがな途切れをはさんでアクションの連続です)。


「第四部 シタデル砦を制する者」

 老婆がひとりふたりと斃されます。それでも、老婆たちは勇敢でした。タンクローリーの座席に座っていた老婆は愛しそうにバッグの中身に目を向けます。「この中には、汚染されていないあらゆる種が入っているの」、しかし、その老婆も命を落とします。


 軍団の攻撃方法は、棹(さお)の先にウォー・ボーイズが取りつき、棹のしなりを利用して、走行中の車両に乗り移ろうというものでした。マックスも、フュリオサも傷つきます。ところで、イモータン軍団の最強の兵士は、イモータンの実の息子であるリクタス・エレクタス(ネイサン・ジョーンズ)です。弟と違い、マッチョな強面の男です。散々、マックスを苦しめます。




 並行追撃しながら軍団は5人のワイプをひとりふたりと奪取していきます。その犠牲となったのが陣痛の始まったばかりのスプレンディッドでした。ローリーから転落し、胎児共々、亡くなります・・・・。闘いが続く中、、イモータンも殺されました。「イモータン・ジョーは死んだぞ」


 一方、ニュークスは神の楽園を夢見ていました、それは勇者としての死を意味します。そして、。奪取していた大型車を関所となっている隘路に、自死覚悟でぶつけたのです。完全に隘路が塞がります・・・・。その頃、イモータンも殺されていました。「イモータン・ジョーは死んだぞ」、さらにワイプも取り戻していました。


 砦に先に着いたフュリオサは、確保していたイモータンの死体を蹴り出します。砦外の住民たちから歓声が上がります。そして、砦に残っていた者も、フュリオサが新しいキングだと認めます。エレベーターが降ろされ、水が流されます・・・・。


 エレベーターの上から群衆を見つめていたフェリオサは、その中に、立ち去ろうとするマックスの姿を見ました。それがふたりの別れとなりました・・・・。


(補足) 写真はシネマトゥデイから引用しました。


(追記) 感想は"その1"に書いています。