第9406回「朝松健編 神秘界 その13、清・少女 竹内義和著 ストーリー、ネタバレ」
第9406回は、「朝松健編 神秘界 その13、清・少女 竹内義和著 ストーリー、ネタバレ」です。ふたりの少女の会話だけで構成されています、「 」は一切使われていません、改行と相手への呼びかけだけで、主語が分かる仕掛けになっています。30ページほどの短編です。
「その13、清・少女」竹内義和著
さえちゃんの心象風景・・・・ 時にマリコに向けて、時に独白という形で表出します。ケータイがなければ生きていけない、たとえおじさんからエンコウのメールでも入ると何故か安心できると語ります。さえちゃんが怖れるのが赤い長い舌、母親との記憶にもつながっています。
マリコの心象風景・・・・ 「さえちゃん、エンコウ、やばいよ、ホテルで何人も殺されているんだよ」、マリコは親身になって、さえちゃんのことを心配します。そんな人思いのマリコの原点は、ミュージシャンであることです。
ふたりは仲良く話しあいます。さえちゃんの母親の死にまつわる物語です。あの時、さえちゃんと母親はテトラポットの上にいました、母親は赤く長い舌を伸ばしてさえちゃんに迫ってきました・・・・。このあたりの記憶はあいまいです。母親を突き飛ばしたように思えます、確信はありません・・・・。
その話を聞いていたマリコは、「ちゃうて おかあさん、化け物ややない ちゃうて」と言って自らの赤い舌を出します。「化け物は雨にも水にも弱いのよ さえちゃん、 はよう逃げて、 雨の日には こないなるのよ 理性がのうなんのよ」
「さえちゃん、お願い。 うちの最後のお願いなんよ。 さえちゃんのその手でうちを殺して、 ・・・・
もう、うちやなくなるさかい。赤い舌の化け物になってしまう。・・・・ ね、さえちゃんの手でうちを・・・・ うちを・・・・ 」
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