『2時間で心に響く文章を書けるようになる講座』


先日、大阪で仲谷ふみこ先生の『2時間で心に響く文章を書けるようになる講座』を受講しました。四年ほど前の谷六ルームでの受講以来でした。

当時をふりかえってみると、初回から伝わる文章を書くことの真髄を教えていただいて「そんな秘伝のタレの作り方みたいのを教えてもらってええんですか?」と驚いたことを思いだしました。世の中で交わされる言葉、SNSの集客文を目にする度に、なんとなく「変だな」「居心地わるいな」と思っていたことの理由が構造からあぶり出されストンと腑に落ちたことを思いだします。そして、なんでかわからんけど、じ~んと響いて余韻がずっと残る文章には理由があるということを知りました。鮮やかな包丁さばきでスパスパと解き明かしていかれるふみこ先生の職人技に、うっとりと見惚れる思いがしたことを思いだしました。

さらに今回、ふみこ先生は、わたしたちを新たな視座へと誘ってくださいました。それは、日本語だからこそ生まれる「横並び」の関わりの世界でした。主語が消えても話が通じる。同じものを見て「綺麗だね」と感じたことを共有できる。あるいは、輪になって異なる見方を分かち合うことができる。このように、対立のないコミュニケーションが自然にできるのは日本語の特性なんだということを知ることができました。

印象に残ったのは、推敲は文章をどこまで削れるかということなのだ、というお話でした。「全部を説明しないと伝わらないかもしれない」という不安。「削っても伝わるはずだ」という読者への信頼。そのせめぎ合いの中から行間は生まれてくるのかもしれないと思いました。

帰りの電車の中で、ふみ子先生の書かれたエッセイを読みました。先生が講座で解説されていた「読者を物語に誘う構造」を意識しながら読み進めていったのですが、しらぬまにその空間に吸い込まれていきました。そして最後の四行を読み終えたその空白に胸がぐっと詰まる震えがこみあげてきました。しばらくその感覚に打ちのめされていました。

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