自然豊かな山道を自転車で走る楽しさに気づいた のはつい昨冬のこと。
ハンドルやサドルを通じて伝わる土の感触には、おやじのしょぼくれた日常に童心を呼び戻す強力な「癒やし」が含まれています。
しかし。
このところ三角点探しを始めてからというもの、どうも担いだり押したりのよりハードな方へと興味が偏りがちです。
根がマゾそういう性分だから仕方ないとはいえ、やはりこれでは癒やしになりません。
そこで今回は初心にかえり、穏やかに楽しめそうなコースを選んでみました。
目指すは飯能市街から奥武蔵の入口へ通じる「奥武蔵自然歩道」とその途中にある「高麗峠」四等三角点です。
「奥武蔵自然遊歩道」の入口は飯能市の国道299号に面したとてもわかりやすい場所にありました。
散歩で訪れる人も多いらしく、入口から程好く整えられた土道が奥へつながっているのが見えます。
これは期待大です。
コースに入るとすぐ丸太の階段になりますが、これくらいは仕方ありません。
バイクを押して上ると振動がガタガタとキツイので担ぎます。
前回の教訓から、肩口に折りたたんだタオルを当ててバイクのサドル部分を引っ掛けるとラクなことが分かりました。
「自分の体重は79kg」の自己暗示 とあわせれば、これでそこそこの急登もいけるはずです。多分。
丸太階段を上りきると、いよいよ念願の土道です。
しっかり踏み固められた路面はじつに快適!
土独特の感触にしばしウットリしながらペダルを漕ぎます。
シーブリーズのヤブ蚊よけ効果は今回もバッチリです。
ふと現われる雰囲気のよい休憩スポット。
ますます癒やし気分が盛り上がります。
一方、ココロの安らぎとは裏腹に、どうもフィジカルへの負荷が普通ではありません。
ゆるいルートのはずなのにやたらと喉が渇き、軽い上りで息があがります。
脚も鉛入りのように重い。
はて、これは一体…
涼しげな木陰に寒暖計が設置されていました。
気温を覗き見ると37.5度を指しています。
37.5度!?
時間は朝10時前。
空を仰いでも天候が崩れる気配はまったくありません。
そうなると、この後いっそうの気温上昇は容易に想像できます。
携帯にバンバン飛んでくる「猛暑警報」がいよいよ現実味を帯びてきました。
酷暑の日のツーリングやヒルクライムでは毎年懲りずに痛い目にあっています 。
なので「今日は早めに切り上げよう」と素直に決めました。
大人の判断です。
コース自体は引き続き快適な路面が続きます。
季節を選べば極上の癒やしを味わえそうです。
地図上、このまま進めばほどなく三角点にも出くわします。
あった、ありました。
山道から少し外れた小高い藪の中に設置されていました。
「高麗峠」四等三角点です。
写真を撮って藪から戻ると、どうも右脚のヒザ上部がチクチクと痛みます。
草で切り傷でも負ったかと目をやると…
コイツにやられていました。
痛恨です。
写真のピントがブレているのは状況から察してください。
(当然、スネ毛の激写が目的ではありません)
コース脇には所々に木製のベンチや案内看板があって安心です。
実際に峠という程のアップダウンはありませんが、こういう造作があると気分が高まります。
毛虫ショックも忘れます。
山をしばらく下ると、いったん一般道へ出ます。
「奥武蔵自然歩道」はここから巾着田を経て日和田山・物見山方面へと続きます。
コースに沿って巾着田へ向かうと沈下橋がありました。
どうやらアウトドアの人気スポットのようで、キャンプやBBQの家族連れがいっぱいです。
ここはぜひバイクを担いで渡っていつもの「ひょ~~、おっかねぇぇぇ」とかやりたいところですが、楽しげなファミリーたちの雰囲気を壊してもいけないのでグッとこらえます。
でもやっぱりガマンできませんでした…
しかも渡ってみると大して怖くありません。
さすがは整備された遊歩道、安全です。
巾着田は夏の陽射しを受けて緑が瑞々しく輝いています。
広々とした眺めにまたしても癒やされます。
ヒザは相変わらずチクチク痛いですがもう毛虫のことはすっかり忘れました。
本当です。
巾着田からの帰途、まだ午前中だったので少々寄り道したくなりました。
気温は異様に高いですが清流線の入口が近かったので物見山方面へ上り始めました。
しかし・・・
さすがに途中でギブアップです。
熱波だけでなく湿度もすごい。
林道途中までの上り行程でしたが、正直、今年のバーニングマン・レース よりこたえました。
帰宅後、それはもうすぐに水シャワーを浴びて氷水がぶ飲みです。
炎天の市街地を2時間ほど走るうち日焼けもしました。
半日経っても顔がヒリヒリします。
本日のコース。
「癒やし」の要素としては上々なのですが、実際に癒やされたかというとはなはだ疑問です。
なぜか。
答えは簡単です。
「走る日を選びましょう」。
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里山パスハント