■源平布引滝
・作者は並木千柳&三好松洛
・源平物といえば、主人公に義経や弁慶や忠信だったり、平家が主人公の時は知盛や維盛が有名だが、清盛や義仲、多田蔵人行綱を中心に物語が進みます。
・全部で五段の編成となるが、現在よく上演されるのは、三段目です。
(今月上演されるのはまさしくこの三段目ですよ)
・三段目は・源平盛衰記、平家物語の中の話を元に、それよりも三十年前の物語として創作されたそうです。
・初演の太夫は、二世竹本政太夫という方で、この三段目「実盛」や菅原伝授手習鑑「道明寺」「天拝山」、義経千本桜「渡海屋」「河連法眼館の段」、仮名手本忠臣蔵「塩谷判官切腹」「山科閑居」、双蝶々曲輪日記「引窓」など、政太夫風で語るものは多くあります。
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「この『布引滝三段目』は、節付といい、無常観といい、義太夫の中の義太夫と言っても良い傑作で、私も非常に好きな作品です」
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と越路師匠の芸談が残っています。
さらに、越路師匠は
三段目のメインキャラ、実盛は文武両道で強く勇ましい男の人なので、武人の男らしさだけでなく、情も品位もあり、何処となく男の色気が漂わなくてはいけない
とも言われています。
自分メモでした。