介護給付費の抑制の中で、1法人が多事業を多地域で展開しないと採算としてやっていけないような制度設計がされているのではないかということは以前から気になるところです。

その地域を良くしたいという思いでその地域の事業を立ち上げたような小規模事業所が運営しづらいという話は現場で活躍されている方からも聞きます。一般的な通所介護だと、大規模法人も小規模なところも一緒くたにカウントされるので数字上見えづらいですが、地域密着型(定員19名未満)や認知症対応型(定員12名以下)の事業の減少というところで数字として見えてきたので、その部分を取り上げました。

 

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(かとうぎ桜子)

地域に密着し高齢の人を支える事業について伺います。

介護保険の給付抑制やコロナ禍で、介護事業所の運営は多くの困難を抱え、特に地域に密着した小規模な事業所は厳しい運営を強いられていると聞きます。数字の上で特に見えるのは、地域密着型通所介護や認知症対応型通所介護の事業所数の減少です。全国的にもその傾向が見られ、認知症対応型はこの数年継続して減少傾向、地域密着型は特にコロナ禍の影響を受けた2020年度に減少しており、練馬区では、両者ともこの数年減少傾向です。こうした状況について区はどのように考えるかをお聞きします。

地域で暮らす高齢者を支えるために、その地域のことがよく分かり柔軟な対応ができる地域密着の事業所が活躍することは重要であると考えますが、練馬区は今後こうした地域密着型サービスを充実させるためにどのように取り組んでいくか伺います。

 

(高齢施策担当部長)

コロナ禍の利用控えの影響のほか、サービスの違いが分かりづらいことがある。利用促進のとりくみを進める。

地域密着型通所介護や認知症対応型通所介護事業所の減少は、コロナ禍による利用控えの影響のほか、利用者の様々な状況に対応するための介護サービスが充実した結果、サービスの違いがわかりにくくなったことによるものと考えています。少人数で家庭的な雰囲気など一般の通所介護との違いや認知症の方への専門的な対応等、サービスの特徴や効果的な利用方法のさらなる周知が必要です。

区は現在、事業者連絡協議会と連携し、ホームページを活用するなど情報発信を強化し、利用を促進する取り組みを進めています。

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「サービスが充実した結果、サービスの違いがわかりにくくなった」という答弁は想定外で、本会議場で聞きながら思わず「分かりにくくなっちゃったんかい!!」と独り言が出ました。

実際のところ、介護サービスが複雑で分かりづらいということもまた一つの課題であると思います。

地域に密着した事業の必要性については区としても認識して対応しているということが確認できたのは良かったですが、これもまた今後具体的にどのように進めるかが課題だと考えています。