今回のブログでは、高齢者施策のうち、紙おむつ支給について質問した内容をご紹介します。

 

練馬区は、2021年度に紙おむつ支給の上限額等の見直しをしました。それによって介護が必要な人のご家庭には大きな影響が出ています。自治体には、当事者の実際の様子を見て、必要な支援を検証する責務があると思いますが、国が削減したほうが良いと言ったらそれに従うような姿勢には疑問を感じます。

私は、2021年度に削減する前の状態に戻すべきと考えています。「そうですね、戻します」という回答は返ってこないだろうと思ってはいましたが、そうやって支援が必要な人の生活に必需のものへの支援を削りながら一方で「ハリーポッターで練馬は世界デビューだ」と浮かれたことを言っているのが今の練馬区政であるということはぜひ多くの人に知っていただきたいと思いながら質問をしました。

 

何事も、国の制度上自治体だけではできないこともあるとは思います。でも今回ご紹介したようなことは、区長が区民にどういう思いを持って向き合うかによって変わることだと思います。

今回の一般質問では、消極的な答弁のある課題を取り上げることで今の区政の姿勢の課題を浮き彫りにしたいという思いもありました。

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(かとうぎ桜子)

高齢者の紙おむつの支給について伺います。

区はコロナの影響を受け、2021年度の予算編成における緊急対応の一環として、介護を必要とする高齢者の紙おむつ支給について、それまでの限度額8000円を5000円とし、対象者の見直しも行いました。

限度額が引き下げられたことで、おむつにかかる自己負担額が大きく増えています。

さらに時期を同じくして物価上昇の影響も受け、紙おむつの家計に与える打撃が大きいという声を多くいただいています。練馬区の紙おむつ給付事業の対象となる製品の今年度の価格改定では、例えばそれまで1738円だったリハビリパンツが1914円に、638円だった尿取りパッドが979円になるなど、全体的に価格の1割前後、製品によってはそれ以上の値上がりになっています。

区は以前の議会で、「高齢者紙おむつ支給については、制度の持続可能性を維持するために国が基準を改めたものです。」と答弁していますが、これは介護保険の任意事業における介護用品の支給の事業についてなので、区として主体的に高齢者福祉として実施をすることは可能であると考えます。介護を必要とする人の家族の声に耳を傾けた、自治体としての主体的な判断をするべきです。改めて、2021年度の削減の前の状態に戻すべきです。また国に対しては、当事者の声を伝え、制度の是正を求めるべきですが、区の見解をお聞きします。

 

(高齢施策担当部長)制度の持続可能性のために介護保険の枠組みの中で実施する。経過措置を設けたり低価格の商品を導入するといった工夫で影響を抑える努力はしており、しくみをもとに戻す考えはない。

高齢者等紙おむつ等支給事業は、高齢化が急速に進行するなかで、制度の持続可能性を確保することが必要です。

「在宅での介護を支える重要な事業であり、安定的に提供していくため、介護保険制度の枠組みの中で財源を確保しながら運営していきます」と区としての判断をすでに議会でお答えしています。

見直しにあたっては、既存の利用者で所得制限超過により対象外になる方に対し、区独自に経過措置を設けて影響を最小限にしました。利用できる紙おむつの枚数も影響が生じないよう、低価格の商品を導入するといった工夫を図っており、見直し前に戻すことや国への要望をする考えはありません。