ヤングケアラー支援について質問した内容のご報告です。

以前、新座の暮らしネットえん代表・小島美里さんに講演に来ていただいたとき、ヤングケアラーの問題は家族に負担を押し付けている制度の課題だとおっしゃっていたことがあって、私も本当にそうだなと思い、心に残っていました。(その時の動画はこちら

そのことを中心に取り上げました。

回答としては、一般的な、「支援制度を有効活用している」という話ですが、そもそもその支援制度が使いづらいということについての区の見解は述べられていません。

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(かとうぎ桜子)

ヤングケアラー支援について伺います。

練馬区は今年度当初予算の際に、ヤングケアラー支援として相談体制を充実させると説明していました。現在の進捗状況をお聞きします。

 

介護保険も障害者制度も、家族がいる人は、ヘルパーによる家事の支援が利用できないのが原則となっています。しかし、家事と身体介護は、一様に切り分けることは困難です。おむつ交換や清拭、着替えは身体介護でも、それで発生した洗濯物を洗濯して干すのは家事です。

介護が必要な人がいれば、家事の量も増えます。ヘルパーがおむつ交換をしてくれても、そこから派生する洗濯が残れば家族のケア負担は残ります。

こうして、おじいちゃんおばあちゃんのケアをしているお父さんお母さんを見て、こどもが家事を負担するようになるという形で、既存の社会制度が家族に負担を押し付けているしわ寄せがこどもにかかっていることが考えられます。

ヤングケアラーの負担軽減のためには、年齢にかかわらずすべてのケアラーの負担軽減が必要と考えますが、区の見解をお聞きします。

 

また、ヤングケアラーの特有の課題と考えられるのは、こどもからケアを受けている人も若い年代であることが多いであろうということです。

介護保険は65歳以上または特定の疾病の40歳以上でなければ使えませんし、体調が悪くても障害の認定を受けていない方もいると思われ、介護保険も障害者制度も対象になっていない人のケアをこどもがしているということも考えられるので、こうした既存の制度では対応できていない部分について練馬区としての独自の支援が求められると考えますが、どのように取り組みを進めていくかを伺います。

 

(教育振興部長)

区は、これまでヤングケアラーと思われる子どもも含め、支援が必要な子どもに対して、関係組織が連携した取組を行ってきました。

今年度は、一人一人の状況に応じた支援を充実するため、スクールソーシャルワーカーを16人から20人に増員するとともに、子ども家庭支援センターでは、福祉職などの専門職員を52人から57人に増員しました。

また、ヤングケアラーを早期に発見するため、「チェックシート」を作成し、学校内で情報共有を行うとともに、関係機関と円滑に連携できるようにしています。

さらに、子どもがタブレットなどから気軽に相談できる「(仮称)子ども相談アプリ」の早期の導入に向けた準備を進めています。

 

ケアラーが抱える課題は多様であり、本人のみならず、家庭の状況に応じた支援を行う必要があります。

区は、家族介護者の負担軽減のため、介護保険法や障害者総合支援法に基づくホームヘルプやショートステイなどの支援に加え、重症心身障害児等在宅レスパイト・就労等支援事業や介護なんでも電話相談なども実施しています。

 

介護や障害福祉サービスにつながっていない世帯については、都の助成を受けたNPO法人等が実施するピアサポートやヘルパー派遣につなぐなど、民間団体と連携し、継続的に支援することで、ヤングケアラーの負担を軽減します。