10月25日と26日、区議会保健福祉委員会の視察で北海道に行きました。

 

【恵庭市の農福連携】

2015年に市が障害のある人の就労支援事業所に呼びかけて、農業実習を試行したことからスタートしたとのこと。

農福連携をする時、障害のある人が作業しやすいように、作業を分けて実施できるようにしていくことが必要ですが、恵庭市のとりくみが特徴的なのは、成功事例集として作業をどのように分けているのかを見られるようにしていること。

https://www.city.eniwa.hokkaido.jp/・・・/nouhuku・・・/index.html

 

さらに、この事例集の中のQRコードを読み取ると、作業の様子が動画で見られます。

https://youtu.be/l6jl1wtGeHk?si=WV8hJyeErtfvIBQO

 

作業を分けるといっても農家さんにしてみたらどうしたらいいのか、また就労支援事業所の側も試行錯誤になると思いますが、このように動画で見られると、「こういう風に分ければいいんだ」ということが分かるし、障害のある当事者にとっても「こういう作業をするんだな」と理解しやすくて良いなと思いました。

 

このように農作業を切り分けて実施している動画が実践的ですごく良いと思ったのだけど、冊子を開いてそこからQRコードを読み取らないと見られないからもったいないなと思いました。地域を超えて、農福連携をやろうと思う農家さん、福祉事業所さんが活用できるんじゃないかと思います。

 

 

農福連携の類型にどんなものがあるかということも示していて、福祉事業所のほうから農家さんのところに通うタイプ、福祉事業所のほうに農産物を持ち込むタイプ、直接就労などがあるけれど、通うタイプでやっているところが一番多いとのこと。

福祉事業所から出て別の場所で働くことを施設外就労と言いますが、施設外就労をする場合はその人たちにも職員がつく必要があり、施設に残る人たちにももちろん職員がつく必要があるので、人の確保という点で課題があるんじゃないかなぁと思って質問しました。

 

やはりそこはどこの地域でも同様の課題だし、施設外就労をすることができる人はトイレに自分で行けるとか作業もある程度できるという人が中心になるので、そういうことが困難であるために施設内に残って内職等の作業をしている人との工賃の差ができることや、施設外就労をきっかけに福祉事業所を卒業して一般就労に行くことのできる人もいるので、福祉事業所の中で農作業をできる利用者がずっといるわけでもないということもおっしゃっていました。

障害のある人とのマッチングはある程度落ち着きを見せる中で、認知症対応型グループホームに入居している高齢者など、少しサポートが必要になってきている高齢の人が活躍できる場としても農の場を活用しているというお話もお聞きしました。

 

【小樽市】

小樽市では健康施策について話を聞きました。

小樽市は高齢化率が40%を超えているまちであるとのこと。

その中で健診は送迎バスを出したり、各地域で実施したり、日曜日に実施するなど、様々な方法を用意して、受診率向上のとりくみをしているということでした。

坂の多いまちであること、冬は雪で外を歩いての健康づくりがしづらいことから、スティックを2本持って歩くノルディックウォークをする取り組みを推進しているそうです。スティックを持っていると、雪道でも歩きやすくなるそうですが、雪がなくても歩きやすくなったり、腕も含めて全身の運動になる効果もあるということなので、どこの地域でも取り組めそうですね。私もノルディックウォーキングをやってみたいなと思ったことがありますが、実際どんな感じなのか試せたらいいのになーと。小樽市ではスティックの貸し出しをしたり、体験できる機会を作ったりしているそうです。

また、次期の自殺対策計画は、健康分野の計画と統合するとのこと。心身の不調の悩みからの自殺の問題もあるため、健康施策と関連付けるということでした。たしかに自殺対策は、生きていく支援をすることが必要だと言われますし、健康を体の健康だけではなく社会的なつながり等も含めた健康施策が必要であると考えると、一体的に実施することに意味があるかもしれないですね。