行政書士試験の教材が少な過ぎて落ちる | 法務事務所

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行政書士試験対策「法学講座」

直前になると、このようなご質問があります。


「直前期は大切な時期だから、必要無い論点や分からない教材はガンガン捨てるべきだと伺いました。今使ってる教材は少し難しいから、掲載されている問題や解けない問題は捨てて、解説文もよく分からないから、飛ばすべきでしょうか?」


・・・・・


ここで難しいのは、

「本試験に必要無い論点や教材」

を、どうやって判断するのか?ということです。

行政書士試験の性質上(絶対基準)、年度により科目別難易度や出題論点がランダムに変化するため、

「必要なポイントと、不必要なポイント」を精密に見分けることは、大手予備校の講師でさえ容易なことではありません。

そのため、禅問答のようですが、

「必要だと思っている知識は不必要であり、不必要だと思っている知識が実は必要である」

だから受からない、というケースが出てきます。

つまり、

「自分が分かっている問題だけを繰り返したら合格できるのか?」

それとも、

「自分が解けない問題も解けるようにしなければ合格できないのか?」

ここで考えるべきは、

行政書士試験に「出題されうる」条文・判例に対して、「合格するためには必要とされる情報量」が「合格者レベルの受験生と比較し絶対的に少ない」場合、どれだけ同じ問題や教材を繰り返したとしても、本試験で「合格基準を満たすために必要となる論点分母」をカバー出来ませんから、

択一式、記述式ともに、

「知識量が少な過ぎて分からない」ため、

「適当にマークして適当に記述する」

といったギャンブルと同じ状態となります。
(これで受かってしまうケースもありますが、博打性が高いため、運に左右されます。)

結局、行政書士試験は法律の試験ですから、数学や物理とは違い、「知らない論点」はどれだけ考えても分からないわけです。

(知らない条文や判例を現場思考で考えて、1問2,3分で正解を導き出すことが出来る方は、素人ではありません。)

「合格に必要とされる知識量が不足している」状態のまま、「今持っている知識」を完璧に仕上げても、それで合格することは、かなりの部分を運に任せたギャンブルとなってしまいます。

(逆に、教材や情報量が「多過ぎる」場合は、処理密度が低下しますから、知識が曖昧なまま試験を受けることになり、結果、合格率は下がることになります。)