「あっ、相葉くんいらっしゃい、ゴメンね待たせちゃって。」
「お疲れ。風間ぽんお疲れのとこゴメンね、」
あの後風間ぽんから連絡がきて
家にお邪魔した。
「いらっしゃい、何か食べる?」
「あっ、いつもありがとね。」
風間ぽんの奥さんは付き合ってる頃からよく一緒にメシに行ったりしてて
もう僕にとっても十数年の付き合いで。
「今夜も相風(あいかぜ)会?ふふふ」
相風会とは、風間ぽんの奥さんが命名した僕と風間ぽんの夜会の事で、
相風会の時は部屋に入ったら奥さんは部屋に近付いて来なくて、
深い話やまだ口外できない仕事の話なんかをさせてもらってる。
「はぁ、」
ソファーに座って一息ついた僕を
風間ぽんが覗き込みながらビールを手渡してくれた。
「ハイ、どーぞ。
で?どしたのよ?なんか悩みありそうじゃない。」
お見通し、か。
普段は僕の方が風間ぽんをリードしてるんだけど、
僕が弱ってる時はどうしてかこうやって風間ぽんがキモチを汲んでくれる。
言わなくても分かって聞いてくれる
この痒い所に手が届く感じが
風間ぽんの魅力なのかもしれなくて
そんな風間ぽんに僕は随分助けられてきていた。
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