12年越しのアイラブユー 6 | 山風に吹かれた櫻葉へのつぶやき。

山風に吹かれた櫻葉へのつぶやき。

ある時は嵐情報。またある時は櫻葉妄想小説。自由に生きております。
腐寄りにつきノーマルアラシックさまは速やかにご退出くださいませ。



12年越しのアイラブユー

{87CEFB42-CB93-4D5C-8B9C-252B63F99FFD}








Side-A





《6》








『ありがとう。すぐに行きます。』




思いがけず

すぐに返事が来て胸が急激に高鳴った。




「どうしよう、しょぉちゃんが来るって!」




誘っておいて、

いざ翔ちゃんが来るとなって


携帯を片手にひとりあたふたする。





冷蔵庫を開けてビールの確認。


母(かぁ)ちゃんが送ってくれたザーサイを器に盛り付けて

レタスとミニトマトで簡単なサラダを作った。




翔ちゃんがくつろげるように

翔ちゃんに貸すスウェットとTシャツを用意したところで

階下(した)からのインターホンが鳴った。




「おつかれさまぁ!どぉぞ!」




モニターの中の翔ちゃんを見るだけで幸せな気持ちになる。




翔ちゃんが毎日ここに帰って来たらいいのに・・・




かなうわけない、って分かってても

そんな風に思っちゃう自分が女々しくてイヤになるけど。




「お帰り!」




玄関のインターホンが鳴る前にドアを開けて


ちょっとびっくりした顔の翔ちゃんが、

すぐにオレの大好きな優しい笑顔に変わるのを見ながら



今、目の前にある幸せを噛み締めた。