以心・・・ | 山風に吹かれた櫻葉へのつぶやき。

山風に吹かれた櫻葉へのつぶやき。

ある時は嵐情報。またある時は櫻葉妄想小説。自由に生きております。
腐寄りにつきノーマルアラシックさまは速やかにご退出くださいませ。

「や〜、そろっちゃったね!!」




助手席で嬉しそうに笑うキミを

チラリと見て口角が上がる






『桜ホニャララ、と言えば?』




の問いに咄嗟に浮かんだのは

桜の下でキミの柔らかな唇に触れたあの夜の光景




(桜、『坂』かな、)




そう思った瞬間

耳に飛び込んできたキミの声




「え、ちょっと字が違くてもいいかな?」




ピンと来たよ



絶対そう、って確信があったから




『桜井』




迷わずそう書いて

ニヤけるのを堪(こら)えた





答えがオープンになって

案の定キミも同じ答えで




席が隣じゃなくたって俺たちの気持ちは一緒で。







「良かったぁ〜!しょぉちゃん書いてくれるかわかんなかったからさ!」




合わせにいったのを言うべきか迷ったけれど




「やっぱオレたちってイシンデンシン?くふふふっ!」




幸せそうに笑う横顔を見てたら

まぁいっかって思って




「ちょっと寄り道しませんか?」


「お、しょぉちゃん、ひょっとして櫻見坂ですか?」


「正解です!」


「やった!オレあの問題出た時しょぉちゃんと桜見たあの夜思い出してさ!

だからサクライって書こうって思ったんだよ!

わぁ〜、思い出したその日にまた行けるってめちゃめちゃ嬉しい!」





鼻歌交じりに窓の外を眺めるキミを見て




あぁ、なんだ

やっぱ俺たち以心伝心なんじゃん





数十分後に味わえるであろう

桜の樹の下でのキミの甘い唇を想って

アクセルを踏み込んだ