海へと通う日々(2)~私の闘い~ | さすらいふうふの世界一周

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世界を巡る旅を終え、帰国しました!
しばらくは(!?)日本で新たに生活を始めます。
ひきつづき、応援よろしくお願いいたします。


インドネシア・バリ島でのビーチへ通う毎日。


あ~・・・

ゆったりとした理想の時間が流れていた日々だった…

あの頃はよかった…


バリ島だけでなく、

気がつけば、どこかの国へ思考が飛んで行ってしまっている妄想夫婦がいます(笑)



今日は私のサーフィンのお話をひとつ。




2012年12月12日~12月31日
~バリ島・クタ編~



インドネシア・バリ島滞在中、とある早朝。

ものすごい雷の轟音と雨の音で目が覚める。

まるで嵐だ。



今日、大丈夫かな…


ふと心配になる。

この日、私はヘリさんにサーフィンを教えてもらう予定になっていたのだ。

心配しつつ、もう一度眠りに落ちた。


再び起きると雨は少しおさまっていたが、まだ降っている。

雨のせいで薄暗い。

この天気でも海入るんかな、と思いながらも約束していた10:00までに朝食を食べて準備した。


いや~、雨降ってるし、なんだか暗いし・・・

海荒れてないんかな・・・

荒れてたら無理に入らなくてもいいけどな・・・


すでに少々弱気な私。

そんな私の心配をよそに約束した時間10:00ぴったりにヘリさんが迎えに来てくれた。


ゆか:   「こんな天気だけど、海入れそう?」

ヘリさん: 「うん、大丈夫よ!」


そっか・・・

入るんか・・・


入れなかったら入れなかったで、ちょっとほっとしたかもしれない小さい私。

でも、せっかくヘリさんに教えてもらえるチャンス、頑張るしかない!と心を奮い立たせる。


雨が降っているのでサーフボードを抱えてのバイクの3人乗りはさすがにあきらめて(笑)、

たあはサーフボードを持って歩いてビーチへ、

私はヘリさんのバイクの後ろに乗っけてもらってビーチへと向かった。



さすらいふうふの世界一周

ビーチに到着。

雨のせいか、ほとんどのビーチショップがまだ開いていない。

人も少ない。

私たちがお世話になっている「WAVE DESTRATION」のおじちゃんも、ヨーヨーもまだ来ていなかった。


雨は小振りになってきた。


それにしても気になるのが今日の波。


なんかいつもより大きいよ・・・


この日のクタ・ビーチの波は昨日までのどの日の波より大きく見えた。

雨が降り、ど~んよりと薄暗い天気の下で、さらにそれはなんだか大きく恐ろしく見えた。

そして実際、この日の波は大きかったのだ。


この波に入るんよな・・・


私の海に対する恐怖心が大きくなる。


そう、私は大きな波が怖いのだ。


***


8年前。

たあとふたりで周った約4ヶ月間のオーストラリア大陸一周の旅。

その時私たちは初めてサーフィンに挑戦した。

もともとサーフィンに興味がありやってみたいと思っていたたあはもちろんのこと、

私もすぐにその魅力にはまった。

ふたりとも学生の頃からスノーボードをしていたせいもあってか、

ボードに立ってバランスを取って乗ることに抵抗がなかったため、

すぐにサーフボードの上に立てるようになった。

私たちは時間を忘れて何度も何度も波を捕まえてはボードに立ち、

「波に乗る」という感覚に酔いしれた。


「もっとやりたい!」


初回のサーフレッスンですっかりサーフィンの虜になってしまった私たちは、

さらにサーフレッスンを受けることに決め、今度は3泊4日泊まりがけのサーフレッスン合宿に

参加することにした。

次のレッスンではブレイクした波に乗るだけでなく、沖に出てテイクオフの練習も始まった。


テイクオフはさすがに難しかった。


そして、私にとってはテイクオフより何より前に、大きな波をいくつも乗り越えて「沖に出る」ということが

至難の技だった。


沖に出るまでに何度も巨大な波が私を襲ってくる。

(今、思い出しても、あの西オーストラリア・ランセリンのビーチの波はでかかった・・・

サーフィン始めたばかりの私がよく果敢にも沖に出ようと思ったもんだと思う)


波が私の前に、どんどん押し寄せてくる。

サーフボードを必死で押さえるが、波の力に耐えきれず、流される。

必死にサーフボードを手繰り寄せる。

サーフボードの上に乗ってパドリングを始める。

また、波が入ってくる。

パドリングでなんとか波を乗り越える。

両腕がだるくなって疲れてくる。


しかし、そんなことお構いなしに次から次へと波が入ってくる。

それを全部やりすごさなければならない。


そして、時にはパドリングだけでは乗り越えられそうにない巨大な波が目の前に・・・

近づいてくれば来るほどそれは巨大になり、頭のてっぺんから襲ってくる!

サーフボードを必死に捕まえておく。


あ~・・・


必死にサーフボードを掴んで耐えようとするが、耐えきれず、サーフボードごと波にのまれる。

サーフボードが体から離れ、身一つになった私の体は波に弄ばれてされるがまま・・・

ぐるぐる、ぐるぐる、どっちが海面でっ、どっちが海底なのか。

まさに、洗濯機の中でまわる洗濯物状態、波にぐるぐるもまれる。


波が去ってやっと海面から顔を出す。

リーシュコードの先のサーフボードを手繰り寄せ、再びパドリングで沖を目指す。

のんびりなんてしていられない、いつ、また大きな波が来てのまれることになるやら・・・


そんな感じで何度も波を乗り越えて沖に出るのだった。

沖に出るだけで疲れ切ってしまう私のボードをサーフコーチのロブさんが引っ張って手伝ってくれた。

それくらい私のパドル力はヘタレだった。

そしてスタミナも無かったと思う。


ふぅ~っ・・・


やっとの思いで沖に出た!


さあ、いい波がやってきたぞ!

それ、今だ、パドル、パドル!!!


ロブさんの合図でいい波を捕まえてテイクオフ!

・・・と行きたいところだが、沖に出ただけで疲れ切っていた私にそんな元気はあるはずもなく(泣)


しばらく休憩。

サーフボードに横になって体力が温存するのを待つ。

しばらくしてやっとテイクオフにとりかかる。


しかし、最初からテイクオフがうまくできて波に乗れるはずもなく・・・


まずは何度となく波に置いて行かれた。

パドル!パドル!

頑張ってパドリングするも、タイミングが悪く波に置いて行かれるのだ。

そして、これがずっと続くとパドリングで体力消耗、またもや休憩が必要に。


再び休憩。

沖でぷかぷか・・・


タイミングをばっちりつかむと今度こそ、波をつかまえる。


おっ、ボードが滑り始めた・・・


いいぞ、


今だっ、


ここで、立つっ!



・・・・・・!?



あ~・・・



バランスを崩して海へと放りだされる私。

そして、再び波にもまれる私。

ぐるぐる、ぐるぐる・・・

そして今度は岸へ向かっている波の中、気が付いたら波打ち際近くまで流され・・・



あ~・・・

また沖に出て行かなくては・・・


しんどい・・・



そんな繰り返し。



スタミナとパドル力に欠ける私にとって、まずは沖に出ることが苦痛だったのだ。

そして、波が大きければ大きいほど波にもまれる回数が増えることになり、

私は時々それがとても怖いと感じることがあった。

まったく泳げないわけではないが、泳ぎはあまり得意な方ではない。

だから大きな波の力によって足の付かない海の中でぐるぐるぐるぐる、上も下も分からず、

波にもまれるということがとても恐ろしいと感じることがある。


さらにこの時サーフボードも一緒にぐるぐるもまれている。

こいつに打撃をくらったら大けが間違いなしなのだ。



***



そんなランセリンでの私のサーフィン体験の中で以下のような式ができあがった。


小さい波=沖に出るの簡単=波に乗れる♪=サーフィン=楽しい …①



大きい波=沖に出るの困難=パドリング地獄=体力消耗=沖に出られない=波に乗れない

≠サーフィン=楽しくない …②


大きい波=波に飲まれる=怖い=沖に出られない=波に乗れない≠サーフィン=楽しくない …③



サーフィンは海でするもの。自然が相手。

潮の流れ、風向き、天候によって海の状況は変化する。

一度たりとも同じ波のは入ってこない。


私が波に乗る日は毎日①だったらかなり楽しい!

でも、都合良く私好みの波が入ってくる日ばかりではない。

私がどんな波でも受け入れられるように力を付けるしかないのだ。

(自分の力は知っているので明らかに無理!危険!という波には入りません)


そしてそもそも、始めてすぐにそんな簡単に波に乗ろう!なんてのがそもそも間違いなのだ。

みな、幾度となく練習してパドリング力を鍛え、

何度も波にのまれてもまれて、

何度も波に乗るタイミングをつかむ練習をしているからこそうまくなっている、と思うのだ。


練習して慣れるしかない。

それは分かっている。

でも、大きな波を目の前にすると恐怖心がばかりが先に立ち、沖に出るのが怖いと思うことがあるのだ。


オーストラリアから帰国してしばらくたってから、私たちは自分のサーフボードを買った。

そして時間を見つけて海へと行った。

でも私の大きな波に対する恐怖心はやはり消えることなく、

次第に「この波にもまれたら・・・」と失敗した時のことだけ考えて自分には無理!と挑戦もしていないのに

決めつけてあきらめることもあった。


練習しないと上達しないのは分かっていたが、怖いものは怖かった。



今回の旅で本格的に海にはいったコスタリカ。

ここでの波はとても相性がよく、毎日しっかりサーフィンを楽しむことができた。

そして、次なるサーフィンは、ここインドネシア・バリ島。

「サーフィン三昧だ!」とルンルンのたあとは別に、サーフィンのメッカであるバリに不安を抱いていた私。

有名なサーフポイントがある、サーファーの間でも有名なバリの波。

そんなすごい波が入ってくるところに私が入れるのか・・・心配だった。


でも、ラッキーなことに私たちが訪れた12月は雨期で、比較的波が穏やかになる時期。

そしてさらにラッキーなことに天気もよく、程よい波で、時にはもうちょっと大きくても・・・と思えるくらいに

穏やかな波で、私にとってはかなり楽しい波だったのだ。

昨日までは・・・ね。


しかし、今日のこの波。

天気が荒れたこの日、波は大きかった。

しかも、こんな日に限って、ヘリさんと一緒に海に入る約束を。

波がなくては教えてもらえないけれど、よりによってこんなに大きくしなくても。




波は大きく、さらに満潮も重なっていたので、しばらく潮が引くのを待つことになった。


さすらいふうふの世界一周

しばらくしてヨーヨーがやってきた。ビーチショップ開店。

私はレッスン用にこのソフトボードを貸してもらえることになった。


しばし待ち・・・

潮が引いて波が少しおさまってきた。

ヘリさんと一緒に海に入った。


小さくなった波、といっても私にとっては十分大きく力強い。

ヘリさんが波のかわし方を教えてくれる。

ヘリさんについて波を越えてゆく。


あれ?


どんどん波が入ってきているが、うまいことかわしている自分がいる。


どんどん大きな波が入ってくる。

でも、どんどん波を越えてゆく。


大きな波が頭上から降ってくる。

が、不思議と怖くない。

大きな波のパワーに耐えきれず何度かボードが流され、波にもまれた。


が、恐怖心よりも先に「なにくそ!」と喝を入れている自分がいた。


しかし、しばらくそうやって頑張っているとパドル力とスタミナ不足で疲れてくるヘタれ私。

波を乗り越えてふぅっとひと息落ち着くと、次の波を越える元気がだんだんなくなってくる。

しかし、急いで沖まで出なければ再びセットが入ってきてしまう。

のんびり休憩している暇はないのだ。


ここであきらめて、再び入ってきたセットの波にぐるぐるもまれて、そうすると波が怖くなって嫌になるのがいつもの私だったと思う。

でも、今日は違った。


「もうひと頑張り!」

「もひとつ越えよう、そしたらもう沖に出るよ!」

「これを越えなきゃ始まらないよ!」


ヘリさんが私の隣で応援してくれた。私のなえそうな気持ちを押してくれたのだ。


よし!

もうひと踏ん張り!


パドリングでだるだるになった両腕をなんとか動かして再び進む。


そして、沖に出た。


やった!沖に出た!

いつもの自分なら「今日の波は私には大きすぎる」と勝手に決めて沖に出るのをあきらめるくらいの波を

今日は越えてきた!

よし、これだけでも進歩だ。


ヘリさんがすかさず、

「いい波が入ってきた!あれ、行こう!」


そのまま行きたいところだが、パドリングでくたくたになっていた私はすぐには動けずちょっと休憩(笑)


そして今度こそ波をつかまえる。

ヘリさんがいい波が入ってくるとパドリングを始めるタイミング、ボードに立つタイミングを教えてくれる。

その指示に従って波をつかまえる練習。

何度も失敗した。

パドリングが足りず波においていかれた。

うまくいってテイクオフはできたものの、バランスを崩して落ちることもあった。

落ちて波にもまれた。

でも、この時「怖い」という気持ちは全くなくなっていた。


この日は次から次へといい波が入ってきた。

だから、何度も何度もつかまえた。

何度も失敗して何度も海に落ちたが、でもすぐボードに戻ってパドリングして沖に帰った。


何度も何度も練習しているうちに波の見極め方やタイミングがなんとなくと分かってきた。

そして、そのうち何本かはきれいに波をとらえた。

長い時間サーフボードの上で素晴らしい時間を過ごすことができた。

サーフボードの上に立って波に乗っているあの時間、あの感覚。

サーフィンを改めて「楽しい」と実感する瞬間だった。



沖で波を待っている時、ヘリさんに聞いてみた。

私は大きな波が怖くて、だからその波にもまれるのがいやで沖に出ることも怖いと思うことがあるけど、

それは慣れるしかないのかな、と。


「ここの問題だよ。」


ヘリさんはそういって握りしめた拳でトントンと左胸をたたいた。


「怖いと思ったら怖い。でもそれであきらめたらそこで終わり。

でも、よし、この波絶対越えてやる!くらいのやる気を出せば、どんな波だって越えられるし、乗れる!

そうじゃない?

サーフィンだけじゃなくて、なんでもそうなんじゃないのかな。

最初からあきらめてかかったらできることもできないだろけど、やる気で挑んだらきっとそれだけのものが返ってくる。」


ヘリさんは大きな波に挑む時、「俺ならできる!やってやる!」と自分に言い聞かせて挑むんだ、

そういっていた。

それくらいのやる気と覚悟がないと挑むこともできないし、大けがするって。


その通りだと思った。

私はとても大切なことを忘れていたことに気がついた。


「やってやる!」


サーフィンだけでなく、いろんなところでこの気持ち、忘れていなかったか・・・


最初からあきらめては、何も始まらない。



ヘリさんとの素晴らしいサーフィンのひと時を過ごし(2時間くらいずっと海に入っていたかな)

ビーチに上がるとすでに肩と腕がバキバキになっていた。

今日はもうパドリングするの厳しい・・・(苦笑)


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疲れた!(波にもまれて頭もぐっちゃぐちゃ…)


でも、私の気持ちはとてもすがすがしかった。

小さな達成だけれど、私にとっては大きな達成感。



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へりさん、私にサーフィンの本当の楽しさを教えてくれてありがとう。

これからまた頑張れるよ!


そして、忘れていた大切な気持ちを思い出しました。


ちなみに、私には依然としてパドル力と、スタミナと、さらなる精神力、この鍛練が必要(笑)
まだまだ「サーフィンしてる!」なんておこがましくて、いえない。



<ゆか>





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