JR西日本新快速の系譜 221系~JR西日本車両のパイオニア~ | 車内観察日記

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鉄道の車内の観察する日記ですよ。目次に記載した「☆お願い☆」をご一読の上、ごゆっくりどうぞ。

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私のJR西日本の印象はこの車両ですね、221系です。幼いころより、223系よりもこの車両の方が好きではあります。

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当時JRに乗るならこの「白い電車」乗りたさに選択していました。1989年にJR各社が誕生し、新型特急電車を導入していく中JR西日本では私鉄との競合が激しい路線であるために、いち早く4代目新快速用車両としてこの221系を導入しました。なので、JR西日本の歴史は221系の歴史でもあると思ってます。大げさでしょうか(笑) 中には一部足回りを改造して160km/h運転の試験に使われた車両もあるとのこと。さすがです。車体はステンレスではなく鋼製です。

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同時期に同様の車内設備を備えたJR東海の311系、JR九州の811系、JR北海道の721系が登場しましたが、めでたく221系がローレル賞に輝きました。

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かつて113系が運用されていた嵯峨野山陰線、225系の新快速・快速投入により221系が新たな顔になりました。

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一部ではこのように霜取り用として前パンになった車両も存在します。流線型に前パンとは(^^;;


せんと君ヘッドマークをつけていた時期もありました。

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このトイレの部分、なかなかのっぺりしています。何かロゴでも入れればなぁと思う今日この頃。運用線区は中々広く、長浜以南の北陸本線、湖西線、琵琶湖線、京都・神戸線、赤穂線(全て快速・緩行線以外の普通列車)、播但線(1往復)、嵯峨野山陰線、奈良線、大阪環状線、大和路線、和歌山線、桜井線等々…。かなり多くの線で出没していて、臨時列車では新快速になって走ってみたり他線区へ行ったりとなかなかの活躍をしてきました。今回はモケット変更車を中心にご紹介します。

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車内です。白系の化粧板がまぶしいオールクロスシート、画像はモケット変更車です。

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ドアです。外側には半自動時に使う開けるボタンが設置されています。ボタン上には「ドア」の文字が光るようになっています。内側には開閉両方のボタンがあります。・・この外側のボタン、コンパクトにまとめられていますが大人し過ぎではないでしょうか(^^;; もっと主張してもいいと思いますが…ドア自体は化粧板が貼ってある大きい窓で関西では標準のものです。


最近、ドア周りにステッカーが貼られて案内上なかなか親切になっています。


同時に、巻き込み防止のため黄色のテープが貼られています。

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最前部です。マリンライナークロ212型をベースとしているため窓が非常に大きいです。この思想は223系まで続くことになります。

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共に車端部です。上段が通常のもの、下段が優先座席のものです。こちらに関してはまた後ほど…。

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トイレのある車端部です。まだバリアフリーなどどこ吹く風の時代だったので、コンパクトにまとめられています。中身?当然和式に決まってるじゃないですか(笑)

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各車両の車端部に設けられているLED表示機です。クロスシート着席者からは一番見やすいですよね。号車表示とデジタル式の時計も併設してあります。当時としては斬新だったのでしょう。しかし、最近この表示機がバカになっているものが多いように思います。延々行き先を繰り返すだけで次駅案内をしないもの、次駅案内をしたかと思えば全く違う駅を案内しているもの、号車が全く違う表示になっているもの、時間がタイムスリップしているもの、ダダをこねたか無表示のもの…バカへのなりかたは様々です。いずれ体質改善工事が施工され消滅するでしょうが…。

 

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天井です。こちらも照明カバーが掛けられているお馴染みのものですね。座席付近の吊革の数が少なめなのが当時の車内のあり方を物語っています。それでも、「クロスシート上にはつり革は設置しない」というポリシーを持っていた国鉄車両からは進歩していますよね。

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窓です。何を思ったか(座席配置の都合でしょう)戸袋窓付きです。日除けは爪を引っ掛けるロールカーテンタイプです。

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座席です。ドア横はクッションが設置されよっかかれるようになっています。223系以降と比べると少し大きめですがそんなに変わらないですね(笑)

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転換クロスシートです。ヘッドレストが分離していて、窓側にも肘掛がしっかり設置されている気合の入ったものです。肘掛下部にモケットが貼ってあるのがオシャレですね。座り心地としては、座面とヘッドレストはいい感じなんですが、背ズリの腰から肩にかけての部分がちょっと詰め物が足りてないのかフレームがガツンと当たります。このあたりは223系1000番台で改善されています。そして触り心地はあの「滑りづらいが安っぽい」それです。そしてカバーは以前と同様のビニール製です。モケット変更時点で223系と同様のものに変更されていなかったのが意外でした。

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ドア横は固定クロスシートです。こちらは転換クロスシートと違い自然な形に作りこまれています。ただこちらは逆にヘッドレストに欠点が。やはりフレームが当たるんですね…。それと戸袋窓なので停車するたびにドアが横切ることがすごく気になります(^^;; どちらがよいかは人それぞれです。戸袋窓の影響で窓の桟が使えないため、この区画だけ必ずテーブルが設置されています。

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角度を変えてこちらは車端部のボックスシートです。妻面の座席は仕切り扉と干渉するため横幅が狭くなっています。この辺はまだ国鉄の悪しき慣習から抜け出せていない一例でしょうか。223系では座席が仕切り扉の幅を無視する形で通常とほぼ同じ幅の座席が設置され、見事にはみ出すという奇跡をやってのけてます(笑)

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そして優先座席です。カバーが緑のビニールになっています。分りやすい反面、モケットとのデザイン的な面でのズレがなんとも言えません…。


消火器は座席下に配置されています。通勤電車などのように妻面に設置できないためと思われます。正直、分りづらいかな、とも思います。

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こちらオリジナルのモケットです。触り心地はこちらの方が断然いいですね。結構貼り換えが進んでおり、このオリジナルモケットはとんと見かけなくなりました。


さて、登場から25年が経過した221系にも、体質改善工事が施されることになりました。今後全車両に施される予定で、2012年からおおよそ月1本のペースでやっていくとのこと。一体完了までどれだけかかるのやら(^^;; 外観で変わったところは、前照灯が225系と同じように、フォグランプ付のHID灯4灯になったこと、それに伴う尾灯の縮小、運転台側の前面窓の小型化、かつてJRマークが入っていた右上部分に行先表示が付いたことですね。


最後尾ではあまり違和感は無いのですが、前面に立つと・・ そこにはどこか柔らかいながらもかっこよさがあったかつての221系はそこにはいません。簡単に言うと「サイボーグ化」ですかね(^^;; いや悪くは無いのですが・・。

近年、中間連結時の隙間を埋めるべく転落防止幌を取り付けた編成が増えています。安全上仕方無いのは理解しますが、精悍な221系の前面が台無しです。
 
側面から見るとこの通り。地味に基部は白色塗装となっています。
 

最近リニューアルされた編成では行き先表示がフルカラーLED化されています。それにしても、号車案内が数字だけになったのは如何なものかと。「号車」と「No.」を交互に表示するなどの工夫があってもいいと思うのですが…。

 
車内です。黄色が目立つ車内は最近のJRではお馴染みとなりつつあります。それが例え落ち着いた車内を有していた車両であってもです。安全は何よりも優先ですからね。


ドアです。手すりが225系と同様のものになっています。LED表示機ですが、壁に設置してあったものを撤去し、新たなものをドア上に持ってきています。字は大きくなっているのですが、後付け感が否めず、決してスマートではありません。205系ではかなり違和感無くまとまっていただけに少し残念。
 

車端部です。こちらはフリースペースを有する車端部となっています。バリアフリー法施工以降はフリースペースの設置が義務付けられたため、今後は標準的な装備となって行きますね。仕切り扉は最近のJR西日本らしく化粧板を省略したタイプです。首都圏では化粧板が復活する傾向にあるだけに、JR西日本がなぜ省略の方向へ向かっているのかがよく分かりません・・。


トイレのある車端部です。ここも大変貌を遂げています。また後ほど。


最前面です。225系以降、安全性を優先しているために展望性やデザインは二の次になりつつあるJR西日本ですが、既存車両の窓は狭めなかったようです。これまで通りの大迫力のパノラマを楽しむことができます。だからと言って安全性を考えていないわけではなく、握り棒を黄色にして目立つようにしています。


窓です。こちらは日除けの生地が交換された程度であまり変わりませんね。
 

座席です。転換クロスシート自体は変わっていませんがいくつか変更点が。持ち手が他同様、黄色になり分かりやすくなり、割とモケットにも合ってる気はします。ヘッドレストカバーは以前はフルカバータイプのビニールでしたが、223系以降と同様、個別タイプになっています。
 

そして、窓側の肘掛が撤去されています。実効占有面積を広げる意味では良いと思うのですが、その肘掛の代わりになる窓の桟は高い位置にあり、肘を置くとずっと脇が空いた体勢を強いられます。私の様に普段頬杖をついている人であれば問題無いのですが、肘掛、やっぱりあった方がいいような・・。あ、座り心地は221系の安定した座り心地そのままです。リニューアルにあたり詰め物も入れ替えられているようで、JR西日本の転換クロスシートの中では上位に位置する座席であると言えます。


ドア横の固定クロスシートです。こちらはモケット変更、ヘッドレストカバー変更に留まっており、戸袋窓にかかる席ですので肘掛も残されています。ここの肘掛まで取っ払っていたら実に最悪でしたが、そうしないところに気配りを感じます。


さて、221系は環状線を中心に、「立ち席面積が少ない」と苦情が来る形式として殊に有名です。この問題を解決すべく、転換クロスシートを1席撤去し、固定クロスシートを移設し、立ち席スペースを稼いでいます。また背面に補助椅子を追加し、データイムでの着席数を従来通りとしています。


持ち手は両者の意見を受け、引き出しやすいよう大型化されています。


そして、やはり大穴が空いたものです。私はポジティブな印象を持っていませんが、リュックなどを背負っている人からは、この穴がいい感じに使えるのだとか。


ちなみに、その固定クロスシートは223系2000番台以降と同じ座席となっています。


上の従来からある固定クロスシートと比べてみてください、作り込みのぬるさが見て取れると思います。え、ぬるいのはどっちだって?こっちに決まってるじゃないですか(笑) ただ、通路側の肘掛は221系のものなんですよねぇ・・。そして、転換クロスシートと見比べると微妙に座面が高めとなっており、着席時も何となく違和感を覚えます。


優先座席です。モケットは変わりませんが、ヘッドレストカバーのデザインを専用のものとして区別しています。
 

ドア横の固定クロスシートもこの通り。
 

車端部のボックスシートです。こちらも妻面側の窓側肘掛が撤去されるに留まっています。戸袋窓側の席用のミニテーブルもそのまま残っていて嬉しい限り。最近のJR西日本の近郊型電車ではこのような気配りが欠けているのが解せません。221系の中に詰め込まれた「配慮」というものをもう一回勉強しなおしなさい。


その優先座席バージョンです。
 

車端部のトイレです。元々は和式で片方には座席が設置されていましたが、225系と同じものとなり、最近流行のドアが弧を描いた、大型の車椅子対応のものです。


向かいの車椅子スペースです。トイレも大型化されていることから、ここに車椅子を置くのに少し躊躇しそうですが(笑) 非常ボタン、握り棒2本、ヒーターが備わります。

225系投入により次第に影を薄めつつありますが、他線区への移動やまだしぶとく本線で快速運用をこなしているのもいる221系。リニューアル工事が施され、まだまだ第一線での活躍を見ることが出来そうです。