車内観察日記

車内観察日記

鉄道の車内の観察する日記ですよ。目次に記載した「☆お願い☆」をご一読の上、ごゆっくりどうぞ。

念願の環状運転が始まり新たな交通の流れが出来た札幌市電、主力の一角として活躍しているのが3300形です。330形を車体更新したもので、形式だけ見れば×10した単純なものです。90年代によくある車体の見た目によらず、床下からはバリバリ吊り掛け駆動音が聴こえてくるのが路面電車の恐ろしいところです。更に前照灯や行き先表示がLED化されてるんですよねぇ(笑)

 

車内です。地下鉄が独自路線を突っ走る中、路面電車は現実的というか、各地の路面電車とそう変わらない印象を与えます。

 

ドアです。入口の中扉はオフホワイトの化粧板が貼られた片開き式で、さすがに時代を反映してか足元にはステップがあります。ポラリスやシリウスが登場してもなお、まだまだステップ付き車両が幅を利かせております。

 

出口の前扉は折戸式となっております。窓は二枚で一枚に見えるようなデザインにしていますね。

 

運転台です。仕切りはやや右側に寄せて配置しており、出口の幅を確保しています。均一運賃ということもあってか表示機の類はありませんが、視覚的に次駅案内はあった方がいいと思うんですよね。

 

天井です。ラインデリアはありますが送風機能のみで、冷房はありません。昨今は札幌の夏ですら暑くなってるでしょうから、その内冷房化されたりするかもしれません。照明はカバーの無い蛍光灯が間隔を空けて設置されており、夜間は少々暗く感じる場所があります。吊革は五角形、優先座席部分のみ濃黄色になっています。

 

窓です。二段式ですが、黒いサッシで目立たなくしています。下段は固定式、上段は横スライドで開閉することが出来ます。降車ボタンは太い柱の部分に設置されていますね。

 

ドアを挟んで向かい側ですが、窓が運転台部分にまでかかっています。

 

座席です。オールロングシートで、心ばかりの座面クッションに切り立った背ズリ、座り心地に多くを求めてはいけませんが、路面電車にそれを求めるのも野暮ですね。袖仕切りはいずれもパイプ構成ですが、入口ドア付近は縦方向にも伸びて握り棒としての役割を果たしているものの、出口ドア付近はこの通り三角形を描くようなデザインです。座ってる側にも立ってる側にもメリットゼロなんですよね、この形状…。

 

優先席は入口ドア付近を指定しています。片側2席分で、背ズリにビニールのカバーを付けて区分しています。

 

車体の製造はアルナ工機、ナンバープレートに阪急を感じますね。

 

雨が降りしきる中、黙々と札幌の足として走り続けます。

 

 







 

長崎市の観光・通勤通学の足、長崎電気軌道初の超低床車両として2000年代に導入されたのが3000形です。アルナ車両のリトルダンサーシリーズで、長崎電軌初の連接車両でもあります。

 

車内です。今でこそ全国的に超低床車両は増えつつありますが、長崎ではこれより前は最低でもひとつはステップを上がらないといけなかった訳で、それが無くなったということで大歓迎されたことでしょう。三連接車体で、機器の関係から座席配置はセミクロスシートとなっています。

 

ドアです。こちらは入口の両開き式のプラグドアで、出口は片開き式となっています。窓が非常に大きなものになっており見通しが非常によく、「Lavew」や「あおによし」もビックリです(笑) 床には矢印が貼られており、奥に詰めてほしいという意図が感じられます。

 

最前面です。低床でも、さすがにここから車椅子で出ることは出来ません。とは言え、運転台との仕切りは右側に寄せて配置されており、降車をスムーズにしています。その仕切りにはLCDディスプレイがあり、運行上の案内を流しています。

 

天井…というより、ドアのメカニカルな構造が気になりますね(^^;; 照明はカバー付きのものとダウンライトの2パターン、黒の握り棒に白い吊革…に長い吊革はバンドが黄色になっていたりと、さまざまな色が混在しています。

 

窓です。二段窓で、下段は固定式、上部は横引き式で開閉可能です。

 

座席です。まずはロングシートからですが、後述するクロスシートと部品を共通化させています。ドア横に関しては跳ね上げ可能な構造になっており、座面が少し簡易的なものになっています。なお、この向かい側のロングシートは2席が跳ね上げ可能で、車椅子スペースにすることが出来ます。

 

先頭車ブロックの2人掛けです。クロスシート背面部分は少し隙間があり、買い物帰りに荷物を置いたりも出来ます。座り心地は見ての通り、多くを求めてはいけません。薄いクッションに高めの座面、ちょっとでも座れればオーケーみたいな感じです。

 

続いてクロスシートです。輪軸部分のタイヤボックスを活用する形で設置されており、副作用的にセミハイデッキ化されています。背面には持ち手が付いており、加減速・カーブの多い路線で重要な掴まる場所を提供しています。ちなみに、その後ろ、最前面には一人掛けロングシートがあります。ただでさえクロスシート配置で着席定員が減りますので、何とかして座れる人を増やそうとしたのでしょう。

 

出口手前の1人掛けクロスシートです。ここは前面展望席にもなっていますね。窓下の黒いフイルムは‥スカートの方への配慮なんでしょうねぇ、多分‥。


 

 

 

 

 

 

 

 








 

愛媛県は松山市内で路面電車を走らせている伊予鉄道。そんな伊予鉄道の路面電車で最古参を張っているのがこのモハ50形の51号車です。

 

最古参にも関わらず「みきゃん電車」として体を張っており、この通り最新鋭5000形とも行き交います。

 

という訳で車内です。モハ50形は大半がアイスグリーンの化粧板を採用していますが、この車両は木を多用した仕上がりとなっています。青い座席モケットともマッチしており、昔ながらの路面電車の姿を伝えています。

 

ドアです。こちらは中扉、入り口のものとなります。片開き式の塗りドアで、足元にはステップがあります。ステップの縁にはイエローラインがありますが、この辺りは安全志向と言えます。

 

出口の前扉、前側のドアです。路面電車の前ドアの構造については各社で何だかんだ苦労しているところがあるようですが、ここでは左側へ開く引き戸を採用しています。ええ、これが無難と言えば無難ですね。

 

ステップをクローズアップ。昔から乗られている方も思っていたとは思いますが、やっぱり段差の高さ、中々の大きさですよね。停留所側を嵩上げするくらいしか解決方法が無さそうですが…。

 

乗務員スペースです。路面電車らしく中央に配置しており、その部分にのみ仕切りがあります。広告枠にはみかんの広告が入ります。

 

左上にはナニワ工機のメーカーズプレート。今はアルナ車両という社名になり、リトルダンサーシリーズを製造しています。

 

上部にはナンバープレート、各種禁止事項のプレートがあります。

 

運転台です。高速で走る地方鉄道法の電車と比べると、幾分スッキリしていると思います。何より速度計が無いのが今の時代を考えるとすごい。

 

座席は客席とは異なりワインレッドのモケットとなっています。背ズリはほぼ無きに等しく、バーにモケット張りのクッションを巻いた程度です。

 

天井です。レトロなスタイルが吹っ飛ぶほどのデコポン(^^;; 旧型車両ですが冷房化されており、吹き出し口が中央に等間隔で並びます。

 

吊革もこの通り、留め具にみかんがついておりまして、交互にみきゃんもいますね。

 

窓です。床もそうですが木を多用しており、ミトーカデザイン等では出せない、年月が積み重ねた味を出しています。

 

日除けは青い生地を使用したロールカーテンタイプです。爪を引っ掛けるタイプですが、さすがに車体にガタが来ているかカーテンレールが歪んでいるようで、昇降に難がある区間も散見されます。

 

ボタンはこの通り。押す部分が大きくなった現代のボタンに押し慣れた方には逆に新鮮かもしれません。

 

最後に俳句ポスト。松山市は何気に俳句を推してるんですよね。







雪が多い北海道にも低床車両の波、函館市電に登場した超低床車両が9600形です。

 

2両1編成で、一応時刻表にも充当電車が記載されており、狙って乗車することも可能です。

 

「らっくる号」の愛称があります。この愛称、実は全編成に貼り付けられているわけではありません。

 

車内です。ロングシートを主体にしていますが、車体幅のせいか床面積はあまり広くない印象です。

 

ドアです。入口側は引き戸式で、完全なステップレス化を実現しています。これまでステップを上がらないといけなかっただけに、乗車時のスムーズさは乗降時間の短縮にも役立っていることでしょう。

 

出口のドアは折戸式です。窓は大きく取られており、降車時のホームを確認出来るようにしています。

 

最前面です。運転台は中央に配置されていますが、仕切りは右側へオフセットされ、左側は運賃箱で仕切っています。ロングシートがドアギリギリまで伸びているからでしょうか。

 

天井です。冷房改造された車両たちと比べると、吹き出し口がスッキリしています。照明はカバーの無い蛍光灯が並びます。

 

窓です。一応二段式、上段はスライドして開閉可能となっています。なお日除けは省略されています。

 

座席です。こちらは10人掛けです。2人ずつモケットが区切られており、真ん中にはポールも有ります。

 

ドア横の4人掛けです。ここは制御機器でも入っているのか、スロープとなっており、手前側の席は少し違和感を覚えそうです。

 

奥には車椅子用のスロープが格納されているようです。いくら低床化されても、ホームと電車との間には隙間がありますからね。

 

ドア向かいの折り畳み座席です。跳ね上げると車椅子スペースに変わります。

 

ドア横には車椅子固定用具があるのですが、ここに固定すると入ってくる人の邪魔になりそうです(^^;;

 

最後に展望席とも言えるクロスシートです。窓側からは何とか前面展望が可能です。

 

 

 

 

 

 

 





叡山本線の単行運行を支えている700系。その内のデオ731号は、「ノスタルジック」という昭和をイメージしたデザインに改装されていましたが、2024年度にリニューアルが実施され再デビューを果たしました。

その名も「ノスタルジック改」、この車両以前に出ていたリニューアル車をベースにしてスカートの設置や灯具・行き先表示のLED化が実施されたのに加え、大きな前照灯が上部中央に設置されました。そう言えば、ワンマンの表示が消えていますね。

側面には叡山電鉄の文字が金色で入れられておりまして、レトロ感を出しています。

車内です。カラーコード自体はリニューアル前を引き継いでいますが、ノスタルジック感はリニューアル前の方がよく出ていたように思います。それは、恐らくこの車両が末期とは言え昭和の生まれであり、そこに少しのテイストを加えるだけでそれらしくピッタリとハマったということがあると思うのです。今のこれは、どうしても「それっぽくした」が強いんですよね。他のリニューアル車が同じようなスタイルで出て来てしまい、違いを見いだせなくなってしまったのも大きいかと思います。

ドアです。他のリニューアル車は二段窓にして実質的に下部まで窓を広げて展望や採光を拡大させたものでしたが、この車両に関しては下部は従来通り化粧板が貼られています。デザイン自体は共通なのか、窓が化粧板に変わったような見てくれをしています。そうそう、この車両の開閉チャイムはちょっと衝撃的なんですよね(笑)

最前面です。ドアもそうですが、木目調の化粧板で固めています。ほぼ全駅が対向式ホームのため、左側に運賃表示機や運賃箱が置かれています。

天井です。リニューアル車として機能的にはよくなったと思いますが、シルバーが大半を占めた色調はノスタルジック感ほぼゼロ、茶系統の吊革と暖色系の照明でしかそれを感じ取れません(笑) 吊革は優先座席上は黒系のバンドに赤の吊輪と留め具を使っており、長さも少し他の区画よりも長めに設定されています。

窓です。二段窓から一段下降窓に改められ、こちらもどちらかと言うとノスタルジーよりも先進したポイントになるかと思います。日除けはフリーストップタイプのロールカーテンで、緑系の生地を使用しています。

中央の窓は相変わらず固定式です。少し柱が太く、緊急用のボタンが設置されています。

座席です。出町柳方を向いて左側はズラッと20人掛けとなっています。これまでのリニューアルでも見られたバケットタイプのロングシートで、背ズリの切り立ち具合は気になるものの、短時間乗車で多くを求めるでもないですね。

向かい側を優先座席側から。優先座席は黄色のモケットで区別しています。そうそう、袖仕切りは朱リニューアル車と同じ、半透明の板のタイプへ戻っています。

フリースペースです。握り棒、ヒーター、非常ボタンと、必要な設備は揃えられています。

乗務員室との仕切りの右上を見ると、車番とリニューアルを担当した阪神車両メンテナンスのステッカーはありますが、故武庫川車両のメーカーズプレートは剥がされてしまってますね。

木目調の車両が増えてしまったばっかりに、ノスタルジック感が薄れてしまったのは少し残念ですが、叡山本線の主力として、これからの活躍を期待します。






JR四国初の特急型電車、8000系も登場から早30年、20年前に1度目のリニューアルが行われていますが、時代に合わせた旅客需要に対応するべく、2023年より二度目のリニューアルが実施された編成が出ております。

塗装は8600系をベースにしたもので、いやはや流線型の非貫通先頭車によく似合っています。ロゴも8600系に合わせた”SETOUCHI STREAM EXPRESS“となっていますが、イラストの疾風はあちらよりもさらにシャープなものになっています。制御装置も8600系と同等のものになり、まだまだ使い倒す気満々です。

今回は付属編成の8号車、指定席車をご紹介。まずはデッキ、ドアからです。自由席車とは一転して暗い色調でまとめており、壁が黒、床面を濃い色のフローリングを使用しております。一方でドアは一次リニューアルで使われた普通車指定席の色であるオレンジを引き継いだ化粧板を貼っています。

くずもの入れです。飲料系とその他で分別されており、各投入口にピクトグラムが貼られております。

トイレです。自由席車ではアシストレバーが付いていましたが、ここの区画はなぜだか省略されています。

洗面台です。一次リニューアルで陶器の水受けが採用されてましたが、それはそのまま引き継がれています。鏡は大型で、上部はロゴを光らせた半間接照明、側面に直接照明を仕込んだものとなっています。

かつて自動販売機があった区画は、荷物置き場にリメイクされています。

と言っても、握り棒が2本あるだけ。固定するロープなどは自前で用意が必要です。もしくは倒して置くかですね。

自由席車からの図。色調で明確に料金格差を設けていますね。

車内です。カラーコード自体は一次リニューアル時代を引き継いでいますが、全体的なデザインを一新して登場しています。

デッキとの仕切りです。仕切り扉を黒にしたツートンの仕様にして、LED表示機はフルカラータイプになっております。また今回のリニューアルで、バリアフリー対応席が設定されています。

最前面です。相変わらずデッキを挟んでいるため、前面展望は出来ますがやや遠くに感じます。最前列については、機器が張り出しているため荷棚は使い物になりません。

天井です。元々半間接照明でしたが、メイン照明は間接照明に、更に荷棚下に補助照明として間接照明を追加しています。近鉄特急みたいになりましたね(笑)

窓です。元々日除けは横引き式のカーテンでしたが、カーテンレールを追加してフリーストップタイプのロールカーテンに改めています。

座席です。指定席車については二度目の座席換装が行われています。足元の冷房配管は、重心を低く取らなければならない振り子車両としては仕方ないですね、平成初期登場でもありますし…。配管上には一応足を置くことは出来ますが、窓側はやはり窮屈ですね。

座席はE235系1000番台のグリーン席をベースにしたものとなっています。モケットが異なるのはもちろんのことですが、振り子車両による左右への揺れを考慮してか、持ち手が握りやすいよう大型になっているのが異なる点ですね。

車両中央辺りには冷房ダクトが通る区画がありまして、ここは配管の上に足を置くことも出来ません。ただただ窮屈な区画となります。松山方面でしたら8号車の5、7番、高松(岡山)方面でしたら4、6番が該当ですので、ご参考までに。

肘掛けにはコンセントが設置されており、全席で電源を提供しております。この辺りが自由席との格差でもありますね。

今回のリニューアル以前より設定されていたパソコンテーブル席はリニューアル後も健在です。テーブルは折り畳み式、テーブル下のボタンを押すことでロックが外れ、折り畳みや設置をすることが出来ます。座席自体は硬めのそれ、振り子車両の割にはバケット緩めで、包まれるような感覚はありません。車体傾斜装置は遠心力を打ち消すためのものとは言えそれでも身体は左右に振られるため、座席にはもう少しホールド性がある方がよいように思います。

そして今回設定されたバリアフリー対応席です。JR東日本HB-E300系などのリゾート車両に搭載されたものをベースにしています。

リクライニングの図。インアームテーブルがあるように見えて、テーブルは壁際の折り畳み式テーブルか一般座席のシートバックテーブル利用で、アームレストの蓋は固定されています。

通路側に固定することも出来ます。出自が異なることもあって座り心地も一般座席とは違いまして、こちらはクッションが柔らかめになっています。柔らかすぎてコシが無く、座面は座りどころを探すのが少し難しいです(それでも一次リニューアル車のS-SEATよりははるかにマシですが…)。また背ズリも肩部のクッションの張り出し方が悪さをしてまして、多少リクライニングして使わないと違和感を覚えます。

この区画はコンセントが3つあることになります。こんなにコンセントを使うことも無いと思いますが(笑)

このバリアフリー対応席の背後の一般座席は通常のものが搭載されちゃってまして、ここの区画の通路側は残念ながらテーブルに恵まれません。というか、バリアフリー対応席が微妙な位置に設置されてるので、シートバックテーブルがどっちの席が使えばいいのかよく分からないんですよね。







JR四国初の特急型電車、8000系も登場から早30年、20年前に1度目のリニューアルが行われていますが、時代に合わせた旅客需要に対応するべく、2023年より二度目のリニューアルが実施された編成が出ております。塗装は8600系をベースにしたもので、いやはや流線型の非貫通先頭車によく似合っています。

こちらは貫通型先頭車。以前は寝不足みたいは顔でしたが、こちらもスッパリ切妻の割にはカッコよくキメています。今回は、この車両を含む自由席車をお届けします。最初は編成も短く工期が短い「いしづち」に入る付属編成からスタートし、基本編成と併せて順次リニューアルしていくとのこと。

ロゴも8600系に合わせた”SETOUCHI STREAM EXPRESS“となっていますが、イラストの疾風はあちらよりもさらにシャープなものになっています。それにしても、JR他社では第一世代の特急型電車の引退が相次ぐ中で、この車両はどこまで走り続けるでしょうか(付属編成のトップナンバーこそ廃車されてしまいましたが…)。

それでは参りましょう、まずはデッキ、ドアからです。プラグドアはそのままに、化粧板を深い青にイエローラインを追加し、窓下にはロゴも入れたデザインとしています。そう言えば、2000系気動車で進んだ窓面積の縮小、この系列ではやってないんですね。また床はフローリングとなり、温かみを演出しています。

くずもの入れです。やや低めの位置にあるのは相変わらずで、背の高い方だと少し入れにくいかと思います。

トイレです。和式から洋式にリニューアルされ、編成中全トイレが洋式化されています。この辺も時代の流れですね。持ち手にはアシストレバーが取り付けられ、開閉を容易にしています。

洗面台です。蛇口はセンサーによる自動式、置き型の液体石鹸が備えられています。鏡は三面タイプのものを設置しており、また目隠しもありますので化粧等での利用も可能です。

最前面です。「いしづち」では宇多津や多度津までですが前面展望を楽しめます。

いよいよ自由席車の車内です。一次リニューアルでは大きな変化が無かったのですが、今回のリニューアルでかなりの手が加えられています。床面はデッキと同じくフローリングデザインとなっています。

デッキとの仕切りです。LED表示機能がフルカラータイプになっていますね。

この区画は元々(喫煙スペース→)携帯電話の通話スペースがあった区画です。今回のリニューアルではその区画は撤去され、座席が置かれて着席定員が増加しております。化粧板の色が異なるので、それで場所が分かるかと思います。LED表示機も形状が少し異なっていますね。

最前面の仕切りです。窓が付けられ前面展望は可能ですが、デッキを挟むため前面がやや遠いのと、自由席ですので人が立つと見ることが出来なくなります。あと、ほかの区画もそうですが機器が張り出しており、荷物を置くことが出来ません。

天井です。照明は、ここ最近の近鉄特急のようなメイン照明·補助照明のいずれも暖色系の間接照明としています。無遠慮に光が降り注がないのは個人的にはマルですが、夜間ではどうしても窓側が少々暗くなってしまいそうです。

窓です。かつては横引き式のカーテンでしたが、中央にカーテンレールを挟んでフリーストップ式のロールカーテンとなっています。中央の区画は冷房用のダクトが張り出しています。

座席です。自由席車については座席自体は交換をされいません。ただ目に見えて様々な違いがありますね。

まず目に付く点として、モケットを新しいものに変更し、バーレストが撤去されています。バーレスト、体勢を変えたい時に使ってたのですが…。窓側の冷房用の配管は相変わらず、足元が狭いのは仕方ないでしょうか。

また窓側にのみコンセントが取り付けられています。後付け感はありますが、同じ経緯で増設されたE257系2000番台に比べればスッキリしている方ですね。

車両中央の冷房用ダクトが通る区画では、ただでさえ邪魔な配管に足すら置けないとっておきのハズレ席となっています。そうそう、座席の見た目に変化が無い一方で、座り心地は大きな変化があります。クッションが全体的に硬めにシフトしており、座面や背ズリ上部は程よさを感じる一方で、背ズリ下部はその硬さが少々悪さをしているように思います。

デッキ仕切り際の座席です。自由席車で唯一残念なのは、せっかくの再リニューアルにも関わらずバーレストの撤去痕がピンで埋めただけで終わらせられていること。コンセントの設置などでかけられる予算が尽きたか、事情は分かりませんがその辺はしっかり詰めてほしかったです。

リニューアル前から存在していたパソコンテーブル区画です。ここで広げた通路側のテーブル、手前に傾いていて、パソコンはともかく駅弁などはスリリングで置けたものではありません。角度の修正くらいして欲しい…。

ここに関しては旧来のコンセントに加え窓側にもコンセントが追加されたため、3口も使えることになります。これ、通路側の壁につけてあげたら、さらなるサービスアップに繋がったと思うんですよね。

オマケで元々携帯電話の通話スペースがあった区画を見てみましょう。固定テーブルの形状が異なってまして、スペース撤去区画は隅の切り欠きが無いシンプルな形状のものが取り付けられております。

一見大規模な工事に見えるものの、詰めの甘さは良くも悪くも四国らしいな、と思いました(笑)







日本の路面電車界隈では、超低床車の導入が各地で進んでいます。その中でも割と後発の登場となったのが、この札幌市電です。

 

札幌市電初の超低床車両となるのが、このA1200形です。三連接車体で、頭文字の「A」はArticulate(関節など)という意味があり、札幌市電では久しぶりの連接車となっています。愛称は「ポラリス」、北極星を意味するもので、公募で採用されたものなんだそうな。

 

車内です。黒と白というモノトーンカラーをベースとしつつ、薄い緑や木目調を混ぜることで温かみを感じさせるものになっています。なおアルナ車両のリトルダンサーUaタイプをパッケージとしたもので、座席配置などは富山や長崎で見られるものになっています。

 

入口のドアです。同タイプお馴染みの両開き式のプラグドアとなっています。窓は比較的大きくなっているのですが、上辺は車体よりもオーバーサイズになっています。

 

ドア上には開閉ランプが設置されています。これは札幌市電では初採用ですね。それよりも超低床車両自体が初導入、これまでステップを登り降りしないといけなかったのが突然不要になった訳ですから、利用もしやすくなったことでしょう。

 

出口は片開き式のプラグドアです。両側には握り棒が設置されております。左側にはマガジンラック、藻岩山ロープウェイの割引券などがありますので、ご乗車の折りにはどうぞ。

 

最前面です。乗務員スペースとの仕切りは導線が斜めになるような設計となっています。上部には広告枠を兼ねたLCDディスプレイのユニット、下部には更に広告枠×2、収入アップに余念がありません。

 

天井です。リトルダンサーというパッケージではあるものの、照明は半間接照明となっております。通勤電車への導入例は阪急9000系列や東京メトロ10000系など数は少なく、ましてや路面電車への導入は異例です。ラインデリアは黒色塗装、半間接照明とのグラデーションを狙ったものでしょうか。

 

ドア上には持ち手がぶら下がっています。これはこの形式のオリジナルポイントですね。

 

窓です。二段窓で、上部が開閉可能です。日除けは無く、着色窓とされている…のですが、すみません、夜間なので分かりませんね(笑) 札幌市電は環状化して、中々取材機会に恵まれません…。

 

座席です。台車等機器の関係でセミクロス配置となっています。まずはそのクロスシートから、背面や窓下に北海道産の木材を使用したオリジナルポイントはあるものの、配置自体は小上がりにボックス、その背面に1人掛けというリトルダンサー  タイプUa共通のものですね。

 

まずはボックスシートから。このタイプの座席では珍しく袖仕切りがあります。ええ、肘掛けと呼ぶことが多かったものの、この形状を見るに台車部分のセミハイデッキとなっている高さの席にして転落防止の意味合いの方が大きいと思います。肘掛けとして使えるようなちょっとした工夫があってもよかったと思うんですけどね。窓下はミニテーブルという扱いなんだそうな。

 

「ミニ展望席」ですか。モノは言い様ですが、真ん中に柱ドーンな展望席というのも…(苦笑)

 

背面の1人掛けです。昼間は前面展望が可能な席にでもなるでしょうか。こちらは転落リスクも低いのか、袖仕切りがありません。木の板にクッションを貼り付けただけなので、座り心地としては割とハードです。ミトーカデザインのそれに近いものがあるかと思います。まぁ、そんなに長い時間乗る訳じゃないですからねー。

 

中間、浮き車両となるC車はロングシートになっています。袖仕切りがアクリル入りでガッチリしたものになっており、冬に冷える札幌ならではの装備と言えます。袖仕切りにはライトが仕込まれており、足元を照らしています。

 

優先座席は座面に模様が入っています。クッションが柔らかめで、クロスシートとはクッション性が異なります。背ズリは少々低めでしょうか。

 

折り畳み座席のある区画です。折り畳むことで車椅子スペースとなります。車端部側には1人掛け席もありますね。

 

デザインはGKデザインが手掛けています。あー、言われてみればモノトーンを加えたデザインはそれっぽいなぁ、と。

 

オマケ。カッツカツ…。









相鉄・東急の新横浜線開業、首都圏の鉄道事情を大きく変化させた存在ですが、直通先の一つである都営三田線では6300形の置き換えや8両編成の増加を目的に、右側の6500形が登場しています。いやはや、相鉄がこれだけ造形美に溢れた車両を出して来た中スッパリ切妻と、実用性に突っ走った感がありますね。一応、前面の角に当たる部分は斜めに切り落として「単に長方形の車両を作った訳ではない」とさりげなく主張していますが…。

 

誰が言ったか「ミタレンジ」なんて呼び方があるとか無いとか。行き先表示はフルカラーLED表示機、様々な情報を代わる代わる表示します。

 

回送はこんな感じです。現行の運用では都営三田線西高島平から東急新横浜までとなっていますが、相鉄線へ乗り入れられるよう、必要な装備の準備工事は済んでいるそうな。

 

車内です。路線カラーがブルーということもあり、全体的なカラーコードもブルーでまとめられています。奇抜な何かが有るわけでは無いですが、流行りに載っかったパーツの利用法は取っていますね。

 

ドアです。濃いブルーに黄色が映えます。床面とドアのイエローライン、色調が異なるように見えるのは錯覚でしょうか。

 

車端部寄りのドアです。車端部側の座席が迫っているため立ち席スペースは広くありません。ドア上にはLCDディスプレイ、3面式で全ドア上に設置されています。この辺、関西では千鳥配置なだけに、お金があるんだなぁと少し羨ましい限り(苦笑)   広告を表示する画面は「地下ッ都ビジョン」という愛称があるそうな。

 

車端部です。この形式では全ての車端部の座席が優先座席に設定されています。どこの車端部にあるのか悩まなくてもいいように配慮しているのだと思いますが、端に気兼ね無く座りたい人にも配慮して欲しいものだと思います。両方に設定するなら、片側だけにすればいいんじゃないっすかねぇ?

 

フリースペースを有する車端部です。構造を見ますと、仕切り扉は全面ガラス張りにして解放感を演出しています。

 

最前面です。仕切り扉は前面の非常扉に合わせて右側に寄せて配置しています。窓下には握り棒がありますが、壁面に埋め込む形状とすることで、急停車時にケガをしないように配慮しています。

 

天井です。特筆すべきは吊革、優先座席付近は濃黄色ながら、その他のエリアは深い青色の持ち手で揃えられています。またドア間のバンドが長い部分ですが、持ち手が大型の三角形となっています。一見E233系っぽさが漂いますが、辺の部分がやんわりカーブを描いているように見え、柔らかい雰囲気を感じさせます。

 

窓です。一段下降窓で、日除けは省略されて着色窓で済まされています。「東急車並だ」と言われればそうですが、地上区間が多いことも考えて欲しいものです。

 

座席です。ドア間は6人掛け、2+2+2で区切るようにポールが入っています。この手の車両では7人掛けとする会社が多い中、ゆとりを優先したのでしょう。ポールは塗装仕上げで、握りやすいように凸凹に加工されています。

 

車端部の3人掛け優先座席です。近畿車輛製ながら日立のような座席、ちょうど17000系との関係に似てるでしょうか(単独製造ですが…)。短距離ならそこそこながら、長時間ともなると高めかつ角度ゼロの座面、受け止める面積が狭めな背ズリで辛くなりそうです。

 

消火器が備わる車端部の座席ですが、壁面にスッキリと収まっていますね。なお壁面には肘が逃がせるように窪みが入っていますが、これがまた居住性に還元されるほどのものじゃないんですよね。消火器を納められるなら、肘掛けを作れるくらいの深い窪みを設けることも出来るのではないでしょうか。

 

フリースペースです。握り棒が特徴的な形状で、窓部分は1本ですが戸袋部分になると分岐して2本になるというユニークなものです。2本設定したかったものの、窓にかからないように1本にしたんでしょうね。その上には非常通話装置が設置されています。

 

さて、6500形では半数程度の編成で、3・6号車を対象に子育て応援スペースなるものを設置しています。フリースペースを有する車端部には「きかんしゃトーマスとなかまたち」、「ロッテ」、「ミッフィーとダーン」などのキャラクターが描かれています。他の都営路線でも、既存車を改造する形で整備されているようですね。

 

ということでフリースペースです。親子連れでの電車での移動は何かと悩みも多い訳ですが、その負担を少しでも軽減させようとするものですね。

 

優先座席です。ここまですると、大人は座りにくいですよね(笑)  まぁ、想定通りと言えばそうですね。ただ6500形ですら半数しかいませんし、6300形もまだいますので、必ずしもこれが来るとは限りません。願わくば都営車全編成にあるといいんですけどね。


 

 

 

 

 

 

かつて首都圏から北陸への速達ルートとして機能していた第三セクター、北越急行。在来線特急「はくたか」が廃止され普通列車だけとなり、車両も普通列車用のみが残されている状況です。

 

普通列車用のHK100形の内、唯一片運転台で2両編成を組んでいるのが100番台です。固定編成では無く、どちらかが検査入りした時は0番台と組んで運用されることもあるそうです。

 

前面は前照灯を追加し、少し引き締まった顔になりました。

 

元々北越急行保有の681系、「スノーラビット」に準じた塗装でしたが、十日町で開催される芸術祭開催に合わせて、「DAICHI号」としてラッピングが施されています。スノーラビット塗装は、一般仕様車を改造した「ゆめぞらⅡ」が引き継いでいます。それらを含めたイベント車は計4両、一部列車は長大トンネル内で天井に映像を上映する「ゆめぞら号」として運転されます。

 

車内です。イベント対応車は転換クロスシート、これは地方ローカル線ではよくある構図ですね。先述の通り、北越急行にはオマケがありますが(笑)

 

ドアです。新規建設路線のため、ステップは有りません。新潟地区って、古くから115系も走っており電車のステップレス化は都市圏以外でも進んでる地域ですよね。

 

ドアは半自動扱い、内側に開閉両方、外側に開けるのボタンが設置されています。

 

加えて、この車両は窓が付いた仕切りを設けたデッキ付き車両となっています。仕切り扉は取材時は開きっぱなしとなっていました。

 

車端部です。こちらも仕切り扉が開いたままでセットされています。妻窓付きで、新潟地区では珍しいような気がします。なお「ゆめぞら」運用でも、ここだけは通常通り照明が点灯しています。吊革はありませんが、握り棒が天井に付いています。名古屋市営地下鉄みたいですね。

 

最前面です。一応半室構造ですが、かねてより車掌台側に仕切りがあるので、先頭になると運賃箱を持ってきて完全に仕切ります。また現在では透明なシートもあるので、後ろ側でも立ち入りにくい雰囲気があります。

 

運賃表示機はLCDディスプレイ化されています。列車が直通する関係で、えちごトキめき鉄道新井駅からの運賃も表示されます。

 

天井です。スクリーンとしても使うことから冷房吹き出し口以外はスッキリしています。照明も間接照明、荷棚があるのは片側のみでもう片方にはプロジェクターが設置されています。

 

窓です。柱にもプロジェクター用と思われる機器が付いています。日除けはフリーストップタイプのロールカーテンを備えています。

 

座席です。ドア間は信越地区では数少ない転換クロスシートとなっています。

 

座面は転換方向にリンクするタイプです。やや柔らかめのクッションで、乗車時間は長くて80分程度、これ以上何を求める、と言ったところでしょうか。窓側に固定テーブルがありますが、背ズリがギリギリ当たらないくらいの絶妙な設計・・になっているのですが、ペットボトル等背の高いものを置くとちょっと危なっかしいです。

 

で、窓割はボックスシートの0番台と変わらないのでこんな修行席も。え、「どうせトンネルばっかだから変わらん」?理屈は分からなくは無いですが‥。

 

車端部のロングシートです。袖仕切りは寒風直撃を防止するためにアクリル板が付いています。どちらかと言えば奥の席の方が肘を逃せられるので楽だと思います。

 

車椅子スペース、消火器もここに収納されています。この固定用具、見慣れない形をしています。

 

デッキ側にあるごみ箱です。口は二つになっております。

 

その仕切りの窓にはゆめぞらのイラストが入っています。

 

車掌台側の仕切りの上にはパンフレットが置かれています。なお今回は「ゆめぞら」列車には残念ながら乗車出来ておりません。

 

駅にはポスターもありました。‥個人的には、やっぱりスノーラビット塗装がお気に入りです(笑)