箱根登山鉄道3000形 | 車内観察日記

車内観察日記

鉄道の車内の観察する日記ですよ。目次に記載した「☆お願い☆」をご一読の上、ごゆっくりどうぞ。

古くより「箱根の山は天下の険」と言われてきた箱根山へと上る箱根登山鉄道、2両編成電車の3両編成化や旧型車両の置き換えのため、2010年代より新型車の運転がスタートしています。

 

3000形、スイスのロマンシュ語の挨拶のひとつを取った「アレグラ号」の愛称を持っており、増結用の両運転台車のクモハ3000形と、片運転台で2両編成を組むクモハ3100・3200形の3形式が存在します。ええ、鼻炎の薬ではありません。

 

注目すべき点はガラスの面積が非常に大きくなった「展望スペース」を設けていることで、眼下に広がる景色を存分に堪能出来ます。高いところがダメな人には厳しいかもですね(笑)

 

車内です。デザイナーが一緒だからということもあるかと思いますが、小田急VSEに通じるカラーコードですね。空間、特に縦方向の高さを意識させた辺りもそのように思わせる要素の一つでしょう。全車2扉クロスシートとなっています。

 

ドアです。片開き式ですが、窓が大きくなっております。箱根登山鉄道は観光輸送でも大量に乗客を運びますし、通勤・通学の足にもなっています。その割に、ドアの引き込み注意の文字はかなり大人しくなっています。デザインとしてはシックで煩くなくていいのですが、実用面では少し役不足感が否めません。

 

箱根登山鉄道では初となるLCDディスプレイです。運行案内に徹しています。

 

車端部です。ある意味伝統、貫通路は非常用で通常時は施錠されています。車体幅もショート、いかに厳しい路線環境を走るかが伺えます。

 

最前面です。2000形では両側共にクロスシートでしたが、この形式ではクロスシートは片側のみ、左側は車椅子スペース兼立ち席スペースとなっています。開放的な窓が気持ちよく、急勾配、急カーブ、スイッチバック等ダイナミックな前面展望が楽しめます。

 

天井です。照明は間接タイプ、吊革はドア付近のみの設置です。吊革は箱根登山鉄道ではお馴染みの丸形なのに枕木方向を向いたタイプ、クルクル回すことは出来ません。吊革の支持棒は斜めから出るようになっており、これが視覚的な天井高さに繋がっているようです。

 

窓です。日除けは無く、着色ガラスとなっています。一方で窓は戸袋窓を除き開閉可能、近年の車両としては換気目的とは思えない程大きく開きます。従来車よりも大きな面積で、展望も良ければ自然の風をダイナミックに取り入れることが出来ます。冬はやめといた方がいいですが(笑)

 

座席です。全席クロスシートで、ヘッドレストが分割された赤いモケットとなっています。氷河急行の一部車両の座席にも通じるスタイルとも言えますね。

 

通路側には肘掛けのようなものがありますが、その用途としては全く使えないので、何を意図して付けたのかは全く分かりません。ドア横は晒し席で、空いていれば脚を伸ばせますが冬は寒風直撃という地獄を味わいます。箱根の自然を目一杯満喫出来る席とポジティブに捉えることも出来ますが(笑)

 

車端部の展望スペースです。通路側の腰掛けに寄りかかって景色を見られるように…ということだと思うのですが、混雑時は更に窓側にも人が詰まるものと想像されます。

 

向かい側、車端部の座席です。ボックス配置にすることが多い区画なのですが、ロット数を削減するためか離反式となっています。この車両、荷棚が無いため床面をちょっとだけかさ上げして「荷物置き場」としています。でもこれ、「床」ですよね?(笑)  ボックスシートで空いている時は、絶対脚伸ばしますし…。

 

車端部を向いた妻面、窓枠には木の台が付いています。ドア間の座席には固定テーブルがあるので、その代わりとも言えます。

 

優先座席です。ヘッドレスト裏のステッカーで対応していますが、赤色なのでモケットに埋もれています(^^;;  この座席の脚台には消火器が収納されています。

 

この座席は座面が跳ね上げ可能となっており、混雑ピーク時は立ち席となります。ドア間も含めて座面は薄め、以前の車両と比べるとちょっと頼りなさはあります。

 

向かい側の展望スペース。ここには腰掛けがありませんが、付いている車両もあります。

  

全体的に窓の大きさを強調したデザイン、大自然箱根を楽しむのには狙って乗車するのもいいと思います。駅員さんも運用を教えてくれるので、気軽に問い合わせて狙って乗車するのもいいと思います。