>僭越ながらレコメンド

>テーマ:2023年のアルバム・10選

>記事作成日:2024年 2月 26日






選んでみました!


毎年やってる、ぼくのぼくによるぼくだけのためのまとめ(笑)。
この年の音楽をまとめておく事で、何年か経ったのちに「あぁ、この年はこんな感じだったなぁ」ってのが何となく思い出せればと。

例年通り、“1位から10位”ではなく、並列の10作です。



○1枚目:『幻燈』/ヨルシカ
まずは、比較的最近ハマった一枚。
前作『盗作』が、ぼくにはこう「奇抜な事をやってやりまっせ」的な感じに聴こえちゃって。以降、あまり食指が向かなかったんですが…ドラマ観てたら本作収録の『チノカテ』が聴こえてきて。最初は誰の曲かも分からず聴いたんだけど、一瞬でハマり。遡って本作をチェックしたら、まぁ名曲揃い。前作の野心的な雰囲気が綺麗さっぱり無くなって、とにかく聴きやすい曲が詰まってました。『チノカテ』以外にも、好きな曲が沢山。


○2枚目:『WHOOPEE』/礼賛

正直、ちょっと悔しいのです。ぼく基本的に、芸人さんや俳優さんやタレントさんがやってる音楽を信用しておらず(笑)。「どうせ片手間なんだろ?」「本業の知名度で音楽も売ろうとしてるんでしょ?」と、凄いナナメから見(聴い)ちゃって。

このバンドは、お笑い芸人のラランド・サーヤさんがフロントを務めるバンド。川谷絵音さん界隈なのでアレンジ等の質が高いのは納得なんですが…作詞作曲は、サーヤさんなんですよね。サウンドやアレンジだけならサーヤさん以外のメンバーで“下駄をはかす”事も可能なんでしょうけど…ぼくはこのバンドの、メロディと言葉選びに惚れちゃって。そこって絵音さんではなくサーヤさんの領域。芸人さんとして面白いなとは思ってたけど、「音楽のセンスもあるのかよっ!」っていう悔しさ(笑)。

やはり、先入観でモノを判断するのは良くない…。



○3枚目:『SUN.Light』/haruka nakamura

ここ数年ハマりまくりのharuka nakamura。この作品は、THE NORTH FACEとのコラボで、季節ごとに計4枚のアルバムになるシリーズ。これは最終作、冬がテーマのアルバム。

インスト作品なんだけれども、とにかく聴き応えがあって良い。別に何か奇抜なアレンジがあるとかトリッキーな仕掛けがあるとかじゃないんだけど、凄く記憶に残る曲ばかり。

ちょっとクールに、首都高あたりを深夜ドライブする時のBGMなんかにも良さそうだとぼくは思う。



○4枚目:『Open The Window』/RHYMESTER

ライムス最新作。オリジナルとしてはなんと6年ぶりなんだそうな。待望のオリジナルアルバムだし、大好きなREIさんとのコラボ楽曲もあったりして、非常に“ぼく得な一枚。

REIさん以外にも、スチャダラパー、ナルバリのJQさん、クレイジーケンバンド、ハイパヨなど、ゲストも多数&多彩。

エンターテイメントがぎゅっと濃縮されていた一枚



○5枚目:『OT WORKS Ⅲ』/岡崎体育

正直、近年ちょっと体育さんの音楽から気持ちが離れてたんです。ネタ曲が減ったからとかそういうのは関係なくて、なんか“ガチっとハマれる曲”が減った。ぶっちゃけ本作も、惰性で「まぁ体育さんが出した作品から一応聴いとこか」的な軽い気持ちで聴き始めたんだけど…聴いたら、圧倒された。作風はこれまでと大きく変わってはいないんだけど、アレンジにしろメロディにしろ、“ピントが合ってる”感じがした。誰かの背中を押すべきところで押し、怒るべきところで怒り、感傷に浸るべきところで浸り、そして勿論ボケるべきところではボケていた(笑)。凄く良かった。

最初はサブスクで聴いてたんだけど、収録曲に違いがあるそうなので現在フィジカルを発注中。



○6枚目:『miss you』/Mr.Children

いやぁ…このバンドだけは、迷うところ。子どもの頃から不動の“一番好きなバンド”なので、新作を出したら自動的にこの10選に入れてしまうところは否めない(笑)。

本作は、これまでに聴いた事のないミスチルでした。過去のどのアルバムとも、どの曲とも似てなかった。音は、だいぶアコースティック寄り。シンセに頼らず、バンドのアンサンブルで聴かせる感じ。でも、プレスリリースには「Mr.Children史上最も優しい響きに満ちている」とありましたが、ぼくは決して“優しい”訳ではないと思った。確かに全体的にフォーキーな質感だったので、編成と音質の面では優しかったけど、歌詞やプレイやその他諸々を含めた全体的な印象としては、むしろぼくには中指突き立てるような硬派なロックンロールに感じた。まぁこの辺は、聴き手次第で受ける印象は違うのでしょうが。



○7枚目:『大人の涙』/マカロニえんぴつ

『リンジュー・ラヴ』に一目(一耳)惚れしまして。力強いのに切ない。物悲しいのに能天気。シリアスなのにユーモラス。“泣き笑い”みたいな感じで様々な感情が刺激され感極まったりして、かと思うと『嵐の番い鳥』が聴こえてくるから感情のやり場に困ったり(笑)。

そもそも、インディー時代から好きだったので、「やっぱり良いな」って思いました。



○8枚目:『12 hugs (like butterflies)』/羊文学

近年、女性ロックバンドが物凄く増えてきた反面、男性ロックバンドに比べると似通った系統が多いなぁとも思っていて。誤解を恐れずに言うなら、“チャットモンチーの派生系”というか。多様性がないだなんて言わないけど、始祖を辿ると結局チャットモンチーに行き着くようなバンドが…。

正直、羊文学にも若干そういうイメージを抱いていた部分はあったんですが(ドラマーさんは男性ですが)…今回聴いたら、チャットモンチーどころか、他のどのバンドにも似てなかったんだ。

バンドのボーカルって、歌の巧さ(個人スキル)よりも演奏陣との調和が重視されがちな気がするんだけど、このアルバムの歌はどれも個人スキルの高さが滲み出ていて、でも演奏との温度感もマッチしてて…二兎を追って二兎を得ている感じがした。



○9枚目:『いまも忘れらんねえよ。』/忘れらんねえよ

何でしょうね…かっこいい音楽だとは思うんだけど、大っぴらに好きって言いづらい(笑)。野郎共が抱える、弱いトコとかカッコ悪い(と思っている)トコとか…隠しておきたいナイーブな部分を、正面から歌う人。だから、ものすごく共感出来る反面、「共感出来るよー」と公には言いたくない(笑)。今回も、そういうのが良かった。でも、そうじゃない部分…ストレートに勇気づけられるとか、(卑屈さが無く)シンプルに切なくなるとか、そういう曲もあって。世界観が広まっている、もしくは深まっている感じがしました。

ぶっちゃけ、半分強は“特典ディスクに入ってる、NakamuraEmiによるカバー音源目的”で購入してるんだけど(笑)、でもあらためて、柴田さんの魅力にも気付けた。とにかくメロディがキャッチーなんだ。



変わった部分はダイナミックに変わったし、変わってない部分はインディーズの頃から何も変わってない。バンドとして、理想的な歩みをしている人たちだと思います。

本作は、ぼくはちょっとだけ、初期の匂いを思い出しました。変名バンドのチルっぽい曲も入ってるし、盟友・岡崎体育とのがっぷり四つコラボチューンも入ってるし、そういう意味では新機軸もありつつ、でもなんか、『俺の友達が俺の友達と俺抜きで遊ぶ』のくだらなさとか、『あつまれ!パーティーピーポー』のアンサーソングみたいな『ちらばれ!サマーピーポー』とか…あの頃の空気を感じました。ちょっぴりセンチメンタルな気持ちになったりして。

ちなみに、ヤバT10周年。ベスト盤(『BEST of the Tank-top』もリリースされて、こっちもよかったです。




そんな、計10枚。

そのほかに良かったのは…






などなどですね。

去年よりかは、“CDで手元に置いておきたいレベル”の作品がだいぶ増えました。いや、去年が少な過ぎたんですけど(そしてそれは、ぼくの心が不感症になってただけの可能性が高いけど)。

23年は、「“大賞”は無かったけど、“佳作”が豊作」って感じの年だったな。


24年は…生活環境が大きく変わるので、もしかしたらこのブログも書けなくなっちゃうかもしれないな。