美術館の建設計画を凍結し、市民参加の審議会を設置の要望書 | 手塚たかひろ日誌

手塚たかひろ日誌

「平和で豊かな枚方を市民みんなでつくる会」事務局長手塚たかひろのブログです。市民のひろば「ひこばえ」で生活相談も行っていますので、お気軽にお越しください。

 6月15日 美術館受け入れについての市民説明会が市民会館で開催されました。120人の会場はほぼ満員の参加者でした。参加者からは、賛成意見もありましたが、白紙に戻すことも含めた再検討を求める声が多く出ました。また、説明会を継続して行ってほしいとの要望も多数出ていました。

 説明会に先立って、香里ヶ丘を愛する市民有志で、6月13日に下記の要望と質問書を提出しました。

                      



   2014年6月13日

宛 枚方市長                       

 香里ヶ丘中央公園内に予定されている美術館の建設計画を凍結し、市民参加の審議会を設置してください(要請及び質問)

 香里ヶ丘中央公園内に予定されている美術館の建設計画について市民説明会が開催され、市民から多くの問題点が指摘されています。その中で建設に賛成の方も、反対の方も「住民の総意や要望等を聞かないで、計画を進めてきたこと」へ共通に批判をしています。また、さまざまな疑問や批判が多く出され、納得できる十分な説明がされているとは思えません。このように市民の中で賛否が分かれている状態で事業を進めることは、枚方市民、枚方市の将来に禍根を残すと考えます。

枚方市議会の動きですが、今回の美術館建設は、本3月議会の総務常任委員会(本年3月20日)で議

案「負担付寄附(美術館の建物)の収受について」として審議され本会議で採択されました。しかし、総務常任委員会の審査報告書を見ましても、反対議員の現時点で賛成できない理由と、賛成議員の解決、改善を図るべき問題点が、共通の内容でした。それは、下記の通りです。

①枚方市駅前に建設予定の総合文化施設との合築案についても、寄贈者が断られたというが、理解しづらい(反対議員) 市内外から多くの来館者が見込めると共に、文化ホールと一体的な管理が可能になる総合文化施設に美術館機能を整備する手法がすぐれていることは明らかである(賛成議員)

②昨年7月に美術館寄附の申し入れ以降、長期にわたり7000万円を越える大きな経費が生ずるにも関わらず十分な論議がされていないこと(反対議員) 多額の維持費が生じ、むしろ負の遺産になる可能性の方が高いこと(賛成議員)

また、賛成議員は「この間の議員のさまざまな意見があったにも関わらず、一市民が建設する美術館敷地として市有地を提供するかのごとき本市の姿勢に疑問をもった」とまで言及しています。このような議員の根本的な指摘がある中で事業を進めるのは、責任ある枚方市の姿勢とは思えません。一時凍結し、再考を強くお願いします。

1958年入居を開始された香里団地。枚方市が軍需工場の町からべットタウンとして発展する契機になり、若い世代が子育てしやすい町、福祉の町として町づくりがされてきました。建替えが進んでいますが、今なお、ケヤキ通り、イチョウ通りと四季を感じさせる幹線道路、そして丘陵を活かした自然の豊かさに「暮らしやすさ」を見出しておられる方が多くいます。今回の美術館建設は、枚方全市の問題ではありますが、少なくとも日常生活で香里ヶ丘中央公園を眺めたり、利用したりしている方々の期待と賛同があってはじめて成功裏に進められる事業です。そこで、以下の要請および質問をいたします。要請及び質問への回答は、お忙しいと思いますが、6月23日までに文書回答と口頭説明をお願いします。

(要請内容)

今回の美術館事業を凍結し、市民がどのような美術館が必要なのか、枚方市民が目指す美術館像や建設場所、そして香里ケ丘中央公園の将来像など市民参加の審議会を設け、賛否納得いくまでの論議の場を設けていただくこと。

(質問内容)

①事業決定までの流れについておたずねします

「議会の議決前に、まず地域住民の意見を聞く必要があったのではないか」との市民の質問に対し「美術館の建物の寄附を受けるということであったため、議会の議決が必要であり、可決されるかどうかわからない状況の中、市民説明ができなかった」と枚方市のホームページで回答されています。

1・枚方市が建設する場合と今回の事業の場合との、市民説明、パプリックコメント、市議会議決等の事業の流れの違いをお示しください。流れが違う場合は理由をお示しください。

2・今回のように美術品贈与と美術館建設がセットの事業の場合は、美術品の贈与や建設地の選定について議会の審議、議決は、必要ないのでしょうか。

3・議会議決前から建設にかかる実質協議が関係課で先行されていたようです。市民が施主の美術館ですが、建設後直ちに枚方市の美術館になる事業です。議会で可決されるかどうか分からない段階で、今回、美術館の計画図等が、枚方市の所有地を建設地として作成されています。これはイレギュラーな市役所の仕事がされたと思われますが、いかがお考えでしょうか。

②なぜ、香里ヶ丘中央公園が美術館建設予定地に選定されたのでしょうか。

 寄付者は「香里ヶ丘地域に自然のすばらしさを感じられる美術館を建設し、市に寄附することで枚方の文化芸術の発展に貢献した」との思いで市に申し出されたとのことですが、枚方市は、広く枚方市民全体の立場で将来をも見越し、判断する責任があります。

1・総合文化会館との合築ではない方法を選ばれた判断根拠をお示しください。

2・香里ヶ丘中央公園を建設地に選定した理由を具体的にお示しください。

3・総合文化会館との合築について、寄付者と話し合いをされたと思いますが、寄付者のお考えを教

えてください。

③今回の事業に市民の声を反映させる事業の進め方について

香里ヶ丘中央公園の緑がなくなる問題点を多くの市民が指摘しています。建設工事により破壊される中央公園や木々への愛着は、日々の生活の中で、子ども達の遊び場、ラジオ体操、太極拳の場と利用することを通じて培われてきたものです。単に、公園の1部の建設場所だけの問題ではありません。また、新しい樹木を植えたらいいという問題でもありません。

1・香里ヶ丘中央公園内に予定されている美術館の建設計画を実施するにあたり、公園の利用状況を調査されましたのでしょうか。されていた場合はその内容を、されていない場合はその理由をお示しください。

2・市民説明会でも、事業の根本に関わる市民の意見は、どのように事業に具体的に反映されるのでしょうか。

3・建設予定地は、園児の「遊び」の場所になっていたとの情報もありますが、建設予定地周辺の保育園等への事業説明は計画されているのでしょうか。

4・枚方市民が少数でも、たとえ一人でも説明を要求すれば、説明会を開催するとのことですが、そのような姿勢だと理解してよろしいでしょうか。

④管理運営費について

1・毎年6、500万円から7、500万円の管理運営費がかかるとのことですが、その詳細をお示しください。

2・指定管理者制度の導入で民間活力を活かすとのことですが、枚方市職員は、「活力」がないのでしょうか。経費縮減とのことですが、枚方市の仕事の進め方は、それほど経済性や採算性が見込めないのでしょうか。その理由を、お示しください。

⑤平成27年度内の美術館の開館をめざしているとのことですが、その時期を決めた根拠をお示しください。また、変更は可能なのでしょうか。変更が可能な場合の手続きをお示しください。

⑥6月議会の補正予算について

住民説明会が完了していない段階での予算計上は、「市民軽視」ではないのでしょうか。何故、6月議会への予算計上が必要なのか、9月議会ではいけないのかの理由をお示しください。

要請者  香里ヶ丘を愛する市民有志   代表:古谷 學

連絡先:枚方市香里ヶ丘2丁目11-5  0