生涯学習市民センタート図書館の指定管理制度導入について | 手塚たかひろ日誌

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生涯学習市民センターと図書館への指定管理者制度導入について

                                     

Q1 現在の図書館と生涯学習市民センターの何が一番問題点なのか、指定管理者制度導入でどう改善されるのか、それは何故市職員ではできないのか尋ねる。

地域振興部長

A1 本市の生涯学習市民センターは、比較的施設規模も大きく、老朽化に対応する施設改修費も相当増大しており、その費用を捻出するためには、更なる効果的・効率的な管理運営が求められている。また、益々多様化する市民ニーズに対応できるコーディネート機能の向上や、専門性の確保も必要となっている。

指定管理者制度導入による民間のノウハウの活用により、より一層利用者サービスの向上と効果的・効率的な管理運営が図れる。

社会教育部長                                     

A1 市立図書館は、市民ニーズがますます多様化、高度化し、かつ厳しい財政状況の中で、経費を抑えながらサービスの拡大・増加を図ることが、現在の図書館に課された課題であると認識している。

複合施設への指定管理者制度の導入を手段として、管理運営の効率化を図りながら、複合施設のサービスを向上させるとともに、効率化により生み出した資源を再配分することで、図書館全体のサービスを向上したい。

                

Q2 コーディネート機能向上、専門性の確保、経費節減、サービス拡大は、指定管理者でなくても、努力をすれば市職員でも可能だ。それぞれ、効率的とは具体的にどのようなことを考えているのか。

地域振興部長                                     

A2 指定管理者制度導入は、単なるコスト削減だけでなく、民間の発想による事業展開や、老朽化する施設の日常的な修繕等における迅速な対応、柔軟な人員配置体制など、民間のノウハウを生かした効果的・効率的な管理運営が図れる。

社会教育部長                                     

A2 図書館運営は、それぞれの施設の役割分担を明確にし、その役割に見合った最適な管理運営体制を構築すること、そして、複合施設に指定管理者制度を導入することで、サービスの向上と合わせて効率的な運営が行える。

Q3 ご答弁のサービス向上、効率的な運営管理の具体的なイメージが涌かない。

2011年1月5日に、当時の片山総務大臣は指定管理者制度について

「公共図書館とか、まして学校図書館なんかは指定管理者になじまない」と記者会見で発言。

日本図書館協会は、公立図書館の管理運営には「指定管理者制度の適用は適切ではない」「司書集団の専門性の蓄積、所蔵資料のコレクション形成は図書館運営にとって極めて重要なことですが、これは一貫した方針のもとで継続して実施することにより実現できる」「図書館は設立母体の異なる他の図書館や関係機関との密接な連携協力を不可欠としている」さらに「図書館は事業収益が見込みにくい公共サービスであり、自治体が住民の生涯学習を保障するためにその経費を負担すべき事業です」「民間において、指定期間が限られているもとで事業の蓄積、発展ができるのか、経費節減により図書館で働く人たちの賃金労働条件に安定性を欠く事態が招来しないか、など指定管理者制度にある本質的というべき問題があります」と見解を発表している。

先日、大東図書館でお話を聞きしたが、職員の賃金は司書資格を持ち、フルタイム勤務にも関わらず、年間約240万円という低いものだ。

民間がやる以上利益を生み出すためには、低賃金は必然。また、利用者が増えれば事業量が増える。そうすれば経費がかさむ。指定管理の費用が決まっていますから、サービス拡大と利益向上とは相反する。指定管理制度にはこのような根本的な矛盾がある。

少し古い資料ですが、日本図書館協会の調査では、人口当たりの貸し出し冊数が、上位10%132団体で、指定管理者制度を導入している自治体は132団体中7.6%しかない。指定管理者導入が、貸し出し冊数の増加をもたらすとは言えない。

福岡県小郡市、佐賀市など8施設が指定管理者制度から直営に戻している。山口新聞は下関市長の談話として「これまでの指定管理者もよくやってくれたと思うが、図書館についてはビジネスになじまない。お金に換算できないところに価値があるので、市として責任を持って運営をやるべきではないのかと感じていた。来年度から直営に戻す。」と報道。

指定管理者制度の問題点を検討された上で、導入を決めたのか、社会教育委員会議でも具体的な議論は進められたのか。

また、問題点をどのように考え、克服しようと考えているのか尋ねる。

社会教育部長

A3 教育委員会といたしましては、図書館全体のサービス向上に資する観点から複合施設への指定管理者制度を導入することとした。社会教育委員会議でも、教育委員会がお示ししました複合施設への指定管理者制度の導入を手段として、図書館全体のサービスを向上させていく案に対して、2回にわたりご議論いただいた。

  教育委員会といたしましては、中央図書館を司令塔として、行政と民間事業者それぞれが得意とする部分を生かして、図書館全体として効率的にサービスを向上させていこうとするもので、問題はない。

                                    

Q4 指定管理者制度に問題はないとの考えは納得できない。先日の文教常任委員会で、指定管理者制度導入後も、賃金は変わらないとの例を挙げていた。これは、指定管理者制度を導入しても人件費効果はほとんどないと言うことだ。中央図書館は直営でやるから選書や継続性も問題ないといわれたが、中央図書館は交通の便も悪く、多くの市民は地域の分館を利用する。分館の機能強化、権限強化こそ社会教育としての図書館の在り方だ。

分館を中央図書館の出先窓口にしてはならないと考える。

後日に言い直されたが、市長はこの制度導入で浮いた費用を美術館に回すというようなことも言った。

 仮に、指定管理者制度の導入で経費削減効果が生まれても、図書費の充実に使われる保障があるのか、どのように担保されるのか。

社会教育部長

A4 効率的な運営に関しましては、複合施設の一体的な運営や効率的な人材投入による効果が期待できる。また、選書については、現在も枚方市立図書館蔵書計画に基づき、各館の意見を聞きながら選書会議を通じて中央図書館が購入しており、今後も同じ様な手法を考えている。

また、指定管理者制度を導入しましても市の施設であることには変わりがなく、事業者と十分連携しながら、図書館の魅力を高めていく考えだ。

  効率的な運営により生み出された財源につきましては、図書館サービスの向上を含め、適正に配分する。

                                   

Q5 何が適正か、抽象的で不安が残る。何が何でも指定管理者でと言うことでなく、図書館に指定管理者制度導入が望ましいのか否かも含めて、社会教育委員会や行政内部の議論がもっといるのではないかと思います。生涯学習市民センターは、市民への意見聴取会を29日30日10月1日にも行うと聞いたが、なぜ、図書館については意見聴取会を一緒に開催しないのか尋ねる。

社会教育部長

A5 3会場でご意見を伺ったが、複合施設に指定管理者制度を導入するという状況は同じであるため、それぞれの聴取会で伺った意見は、似通った内容が多く、概ね論点は整理できたと考える。

 今後は早急に、複合施設の図書館への指定管理者制度の導入を含めた今後の図書館運営のあり方とサービスの中身について、丁寧な説明をしていく。

Q6 指定管理制度導入は複合施設で一体として行うものとのこと。図書館だけは、論点が整理できた意見聴取は行わないとのお考えは納得できない。このような状態で一体管理などできるのか。

市民の理解を深めるためにも図書館も再度、意見聴取すべきだ。

牧野で開催された意見聴取会に参加した。多くの方、発言されたすべての方が指定管理者の導入に反対または否定的だ。

指定管理者制度導入は反対とのご意見はどのように反映されるのか尋ねる。

地域振興部長

A6 今回の意見聴取会は、指定管理者制度導入準備についての市としての方針を改めてお示した上で、利用者からの意見をお聞きした。その中で、不安を感じる声等も寄せられているが、これらのさまざまな意見を踏まえ、課題整理を行い、指定管理者に委ねる業務について検討をすすめる。

                                     

Q7 指定管理者制度導入を前提とした、意見聴取会ではなく。現状の課題を明らかにし、どうすれば解決できるのか、それを利用者、市民と時間をかけて、あるべき姿、問題点改善方法などを議論し、その上で、指定管理者制度導入がよいのか悪いのかについても一から議論の対象にすべきだ。見解を尋ねる。

地域振興部長

A7 老朽化した施設の改修という大きな課題を抱えている中で、施設の効果的・効率的な維持管理や、多様化する市民ニーズに対応しサービス向上を図るためには、指定管理者制度の導入が適切と判断した。

要望

指定管理者制度導入の是非も含めて、市民と対話、検討が必要だ。拙速に進めるのでなく、利用者も入れた検討会議をつくって検討するよう強く要望する。