第21回「高齢者の味覚障害」 | ほっこり 知恵袋

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第21回、市民と介護を考えるカフェ「オリーブの木」は「高齢者の味覚障害」について、主宰の脇濱由佳がお話させて頂きました。高齢者の味覚障害は、放置しておくと、栄養障害となりフレイル(虚弱)を引き起こし、サルコペニアになり、要介護状態になってしまいます。そうです、摂食嚥下障害になってしまうのです。食事を美味しく食べるというのは、とても重要なことなのです。



サルコペニア
 サルコペニアとは、加齢や病気により、筋肉量が減少することで、握力や下肢筋・体幹筋など全身の「筋力低下が起こること」を言います。または、歩くスピードが遅くなったり、杖や手すりが必要になるなど、「身体機能の低下が起こる」ことを言います。

歯科と味覚障害の関係
なぜ、お口の状態と味覚障害が関係するのでしょうか?
それは、お口の不快症状があると味が感じなくなるからです。
こんな症状はありませんか?
▪美味しくない→「脳」
▪食欲がない→「脳」
▪舌が真っ白→「口」→舌苔→口腔カンジダ症
▪口がねばねばする→「口」→唾液の質(交感神経優位の時に出る唾液)、唾液量の低下
▪口がひりひりする→「口」→唾液の量の減少→舌痛症など
▪口がしみる→「口」→お口の傷、炎症など
▪入れ歯があたって痛い→「口」→義歯性口内炎、義歯性潰瘍など
▪口が乾く→「口」→口腔乾燥症
▪味が判らない→「神経」
味覚は、「口」という味覚受容器が味覚神経繊維による「神経」の伝達によって、「脳で情報が整理され、味として認識されるのです。ですから、味覚障害は「口」「神経」「脳」のどこか1ヶ所でも障害があると起きるのです。



お口の病気と味覚障害
味覚センサー(味蕾:みらい)のダメージよって起きる
味蕾が…「届かない」→口腔乾燥(唾液の分泌が少ない)
   …「傷つく」→口内炎、口腔カンジダ症、義歯性潰瘍など
   …「作られない」または「少ない」→摂食障害(亜鉛欠乏、鉄欠乏など)

ワークショップ
「美味しく食べるための工夫は?」~私たちが日常できること~
グループディスカッション
・五感を使うこと…見た目が美味しそう(視覚)、香りがよい(嗅覚)、歯触り(触覚、聴覚)、旨味など(味覚)
・おしゃれな食器、テーブルコーディネート
・気の合う人とのおしゃべり
・時間…食べたいと思う時間に、好きなものを。
・季節感を出す…旬の食材を使った料理
・旅する
・運動すると美味しく感じる
・新たな出合いが刺激的…交流会
・趣味…センスを磨く
・笑顔でリラックス
・ちょいわる生活習慣もたまにはOK ✌…お酒🍺🎶🍺🎶🍺、ちょい好きなものをたらふく💕
・優等生過ぎない😄


まとめ
味覚障害といわれても、体調によって変化することもあります。
高齢者に限ったことではありません。美味しく食べるため工夫、とてもユニークで多彩なご意見を伺いました。😄
恐らく、これほどの発想ができるのも人間だからでしょうか?

・味覚障害を単一でとらえない❗
・五感をふる活用して、相対的に美味しく感じるようにすること。😄
・楽しい雰囲気や演出の工夫を🎵
・リラックスできる環境を進んで取り入れよう❗
・お口で気になることがあったら、歯科へ行こう
・旨味、薬味、香りを上手く取り入れて食欲をそそる工夫をしよう

本日も楽しい雰囲気のなかのカフェでした💕😘
医療職では絶対に出てこないご意見、やはり一般市民との対話はとても勉強になります。お口は食を支える器官です。喜怒哀楽も伝えるところです。
そう考えると、お口は幸せを運んでくる入り口と言えるでしょう。
そんな「カフェ」を今後も作っていきたいと思います。
市民と介護を考えるカフェ「オリーブの木」も今回で21回目となりました。
教会の庭にある「オリーブの木」と共に、この「カフェ」も成長していきたいと思います。今後ともよろしくお願いいたします。😄