ご来場くださいました皆様、誠にありがとうございました!また、この公演のためにご協力くださいました皆様、心から感謝申し上げます。

 

今回、12年前に初演した本作の、極めて難解な作品構成を少しだけ分かりやすく、そして楽しくご覧いただけるよう様々な部分を変更致しました。(オリジナルにはサーカス団の団長である時田も太鼓のキャロリーもトランペット吹きの三根山も出てきません)

その上でオリジナルにあるミステリアスなテイストを失わないよう、自分自身かなり慎重に進めてきました。

竹口耕輔は謎のモダン館に入団しておよそ二年半、常に野望に燃えながら頑張ってきました。

時に怒られ、時に鼻をへし折られ、それでも誰よりも早くセリフを入れて稽古に臨む姿はとても立派だったと思います。が、思うところがあり、これまで脇を担当することが多かった彼に主役をやらせることにしました。そして「噓偽りなき化身」のとてつもなく大変な旅が始まることになりましたww

うちの作品は激しく切ない物語が多いのですが、彼の台本の読み解き方は独特で、僕が「普通はさぁ」と思うところでも妙なアクションを入れてみたり、下手したら一言単位で説明・確認をする必要があるほど難しい役者です。

今まで彼が出演した作品であれば、彼に当ててセリフを書くので大きく違わなかったものでも、今回のような再演モノに関してはそもそもが別の役者に書いたセリフなので難しかったのもあるかもしれません。

毎度、良かったり悪かったり、良かったり悪かったりを繰り返します。誰でもあることかもしれませんが、その振り幅が大き過ぎて困り果てることもしばしばでした。

しかし、僕が不在時や居残り稽古で座組みの面々が竹口に助言してくれたり稽古に付き合ってくれたりしてくれたことで、少しずつ作品自体が変化し始めました。

演出以外の部分での変化は、時に演出するよりももっと大事な瞬間を生み出すことがあるのだと知りました。

彼にとっても、謎のモダン館にとっても、僕自身にとってもこの公演を打てたことは素晴らしい体験となりました。

「次は新作!!」とカーテンコールで宣言しましたが、リバイバルっていいなぁ。などとも考えてww

大きな出来事の後には寂しさが付きまといます。
その寂しさの大きさが充実した稽古の裏返しだとすれば、それはそれで良いのかもしれません。

最後に、竹口をど真ん中に据えたこと、そしてこの座組でやれたことに感謝致します!
ありがとう、お疲れ様でした!
次の稽古ではダメ出しから始まると思いますが(笑)