何十年も演劇に携わって来て、創る側の自分の中にひとつの柱があるとすれば、それは「俺自身がオモシロイと思うかどうか」ということになる。

そこを軸に成功と失敗を見極める。

当然オモシロイの中にはいろんな要素が含まれている。

それはこれまでの経験で培ってjきたものや勉強してきたことなわけだけど、頂戴する入場料金に見合うものであるかどうか、ということに尽きる。

あくまでも自分の中の成功と失敗。

他の人が観たら真逆の感想になることもあるかもしれない。

ただ、ここを自分の感覚で見極める必要はあると思っている。

 

自分が客として観に行く時にも明確ではないものの、何か柱らしきものがある。

一言で言えば「完成したものであるか」ということ。

僕の場合、自分の趣味であるかどうかはあまり関係なく、稽古・演出に裏打ちされたものが板に乗っているかどうかを観ているような気がする。

その上で抜くところがあったり、盛るところがある分には良いと思う。

結果オモシロカッタらそれは最高。それが一番いい。

ただ、観ていてしんどかったり、つまらないと思うことはある。

これは上演している側が一生懸命だとか頑張ってるとか、そういう問題ではなく、僕が感じたり思ったりしてしまうこと。

これも、他の人が観たら真逆の感想になることもあるかもしれない。

完成なのか限界なのかという問題もある。

 

気を付けなければならないと思う。

自分が創る側にいる限りは、表現することは観てもらうこととワンセットなのだということを忘れないようにしたい。