今業界が大注目!サンタモニカ出身のユダヤ系白人が作る京都仕込の本格派割烹の店「渋味」に潜入 | ロスめし

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Hello, Los Angeles. I'm very hungry.


みなさま、こんにちは。

今週もやっと花金と言っても数日前にテキサスのオースティンから帰ってきたばかりなんですけどね。笑)いや~、今回もテキサスを食べつくしてきました。でもやっぱり暑かった~

汗だくになりながら、BBQ頬張ってました
詳しいレポートは後日楽しみにしててくださいねー。

サンタモニカ出身のユダヤ系白人が作る京都仕込の本格派割烹の店「渋味」に潜入

さて先日、ダウンタウンにオープンしたばかりの割烹「Shibumi(渋味)」に行ってきました。ここはオープンする前から媒体でも注目を浴びている今話題のお店です。

Shibumi

店構えは和風ですが、

Shibumi

場所は「え、本当にここにあるの?」って思ってしまうほどゲトーな場所にいきなり忽然と現れます。

Shibumi

中に入ると左手にながーいカウンターがあり、

Shibumi

右手はダイニングエリア。壁がコンクリートで黒が基調のシックでオシャレな店内です。

Shibumi

この方がこの店のオーナーシェフ・David Schlosser氏。そう、割烹と言えどもサンタモニカ生まれのユダヤ系アメリカ人がこの店のオーナーシェフを勤めます。

「なんだ。。。なんちゃって割烹か?」とこの時点で思う方も多いと思いますが、いやいや、そんなことはないんです。

まず、彼のこれまでの経歴をご説明すると。

シェフSchlosser氏の経歴:
サンタモニカで生まれ育ったSchlosser氏は高校時代はベニスビーチのオイスターバーで働き始め、その後料理学校に入学。2年後に卒業した後は渡仏し、フランス料理を学ぶ。ロサンゼルスに戻ってきてからは、L'Orangerieで働き始めたのち、Balthazarでヘッドシェフを務めるようになる。その後はプライベートシェフを務めながら、2001年にタイに旅行に出かけるが、その途中で東京に立ち寄り、その時食べた寿司が彼の人生を変えることとなった。

2002年にロサンゼルスにその当時ビバリーヒルズにあった「銀座すし幸
(現在の浦澤)
」で知人の紹介により、初のノンジャパニーズとして働くこととなった。そしてその腕が認められ、ニューヨークに移転する際の「Masa」のオープンで立ち上げの手伝いを任されることになった。その後、「Masa」を任されるチャンスを断り、ニューヨークを離れ、東京に移住。東京のアメリカ大使館で数年間シェフを務めたあと、京都嵐山にある「吉兆」で修行することとなった。その間彼は茶道と華道の修行も重ね、徹底的に和の心を学ぶ。

その後またロサンゼルスに戻り、自分の店を立ち上げる準備をしながら、「座禅」という割烹スタイルのポップアップレストランのホストを始める。そのあとは日本やニューヨークを転々とし、去年の11月にこの「Shibumi(渋味)」の立ち上げをスタート。そしてオープン直前にSushi NozawaのNozawa氏に料理を披露した。


とまあ、すばらしい経歴の持ち主で、私はこの彼の経歴を読んで、
「彼の作る料理はいったいどんなものなんだろう?」と一気に興味を持ち、すぐにこの店に予約を入れました。

Shibumi

料理のメニューはこちら。品数はまだ少ないですが、どれも美味しそうです。今回人数が4人だったので、ほぼ全てのメニューをオーダーしました。

Shibumi

ドリンクはアイスティーを頼んだら冷たいほうじ茶が出てきました。しっかりとした風味が出ていて、美味しかった。

Shibumi

cucumbers
stuffed with shiso leaf, seeds umeboshi & bonito
まずはきゅうりの前菜。中に紫蘇、梅干、鰹節が入ってて、さっぱりしてておつまみに良い一品。お家でも作ってみたいかも。

そして驚いたのが、この器がキンキンに冷やされていた事。冷たい料理を最後まで冷たく食べて欲しいという気配りが感じられていきなり1品目から感動。

Shibumi

chilled corn soup
yuba, puffed rice
2品目は冷たいコーンスープ。今ちょうど旬のとうもろこしを使った冷たいスープですが、これが

絶品!

クリーミーなスープは軽く泡立てられているので、ふわっとした食感がまず味わえ、凝縮されたとうもろこしの旨みが濃厚だけどさわやか。中に入っている湯葉やカリカリの食感のあられや出汁のジュレがスープと合わさっていろいろな相乗効果を出しています。また、味付けがとても繊細で、素材それぞれの旨みが極限に引き出されているので、とうもろこしの甘みや出汁の旨み、湯葉のコクなどが味わえ、口の中で味のハーモニーを奏でています。

Shibumi

summer vegerable
koji rice dip
シェフの友人がやっているというサンタバーバラの農家から採りたて新鮮な野菜を直送。それらの野菜を塩麹につけて食べるんですが、どれも味が濃くて美味しい!塩麹のソースも野菜に合い、より旨みを引き出させていてなかなかの美味しさでした。

Shibumi

silky egg tofu
uni fresh nori & wasabi
次はたまご豆腐。ウニと生海苔が乗っていて、わさびはもちろん本わさびを使用しています。ほんのり香る程度のたまご風味のお豆腐はぎりぎり固まっているぐらいの柔らかさでめちゃめちゃプルプル。豆腐に合わせた生海苔とウニはほんのり潮の香りがして、優しい味がしました。本わさびの鼻に抜けるさわやかな香りも心地よく、良いアクセントとなっています。

Shibumi

japanese sea-bream sashimi
ginger, okra & sansho pepper
お造りは日本の鯛。盛り付けが和というよりも、今流行りのニューアメリカンのプレートのようでとっても美しいです。このお造りはすでに味つけされており、醤油などを付ける必要はありません。その味付けも本当に最小限に抑えられていて、上にちょっとずつ乗っているガリや昆布、煮こごりなどで鯛の旨みを味わう感じです。あまりに味つけが繊細すぎて、これ本当にアメリカ人でもわかるの???と疑問に思ってしまうほどの繊細さでした。

Shibumi

salmon trout
smoked with cherry bark
メインのお料理一品目は焼きスモークサーモン。口に入れると燻製の香ばしい香りがひろがり、その後サーモンの旨味と合わさり鼻に抜けていきます。サーモンはやや脂身が強い魚なので、スモークすることで少しさっぱり感が出る気がします。通常こういった魚の焼き物って塩加減がきつい場合が多くありますが、このサーモンは塩加減の塩梅がちょうど良く、燻製もほんのりなので、サーモン自体の旨味も味わえ、とっても美味しい。上に乗ったサーモンスキンのお煎餅もカリカリで食感のコントラストが楽しめます。サーモンって皮が一番美味しいんだよねー。これをおかずに白いごはん、お味噌汁で定食とか作って欲しいです。ランチやってくれないかなー…。

ちなみに添えてあるお漬物ももちろん自家製で美味しい。

Shibumi

crispy monkfish
"kara-age", cirtrus, kelp salt
こちらはアンコウの唐揚げ。揚げたてなので、衣がサクサクで中がジューシー。ライムをぎゅっと絞って食べると、爽やかさも加わり美味。

Shibumi

golden beets
broiled with barley miso
こちらは焼いた黄色いビーツに麦味噌をのせたもの。ビーツを和食に使った料理を食べるのは初めてですが、ほんのり土臭い香りに麦味噌が良く合う!ちゃんと和食に成り立ってます。日本人にはなかなかない発想ですごく面白いし、しかも完成度が高いです。ビーツ好きにはぜひ食べて欲しい一品。

Shibumi

Black Cod
with Uni
こちらはこの日のスペシャルの銀ダラのウニ焼き。シェフが一押ししていたので、頼んだのですが、さすがおすすめしているだけあって、めちゃくちゃ美味しい!というか、口に入れた瞬間にあまりの柔らかさにびっくりしました。そのフワフワ感は完全に魚じゃない!まるでメレンゲを食べているかのような柔らかさで、生ギリギリな焼き加減で絶妙。ちょっと前に別のレストランでサーモンのお料理で同じようなふわふわ感を味わったことがありますが、その時の感動と同じかもしかしたら上だったかも。(そのレストランについては後日ご紹介します。)

添えられたお漬物が毎回違うのが驚き!さすが京都で修業しただけのことはありますね。

Shibumi

今回は4人だったので、話しにくいかと思ってカウンターに座らなかったんですが、カウンターに座るとシェフの作っている姿を目の前で見ることが出来るので、カウンターで予約を取ることをおすすめします。彼のプレゼンテーションを見ているだけでも楽しめます。

Shibumi

grilled heritage pork
in koji rice, pickled daikon, leek
こちらは塩麹につけこまれたポークのグリル。麹の甘味がほんのり口に広がり、肉がとても柔らかくてこちらも美味。添えられた大根のお漬物もほんのり甘くて豚肉と良く合います。

Shibumi

カウンターに登場したお肉の塊。これは次に出てくる牛肉のお料理ですが、お肉はカリフォルニア産のホルスタイン牛を使っています。ホルスタイン牛って通常は乳牛として育てられるので、食用になるのは珍しいですよね。でももともとドイツの牛であるこのホルスタイン牛がアメリカに渡り、その後日本に入ってきて今の和牛の原点となったようです。北海道ではホルスタイン牛がメインみたいですね。

Shibumi

california holstein beef strip
grilled, fresh wasabi, nara-zuke pickle
という訳で、ホルスタイン牛のグリル2種。1つは生わさびをのせたもの(手前)で、もう1つは奈良漬を刻んだものをのせたもの(奥)。奈良漬を使うところが京都っぽいですが、牛肉と一緒に食べて合うのか?とちょっと疑問に思うのもつかの間、食べてみると、奈良漬独特の風味と牛肉のコクがと~っても良く合っていました。奈良漬を買ってきて自分でのせて食べても良いかも!生わさびは言わずともこれは美味しいの当たり前ですよね。

またホルスタイン牛も程よい脂が乗っていて、柔らかくて美味しい牛肉です。

Shibumi

omusubi
grilled rice with mushroom burdock & ground
最後の〆は焼きおにぎり。キノコやごぼうが入った炊き込みご飯をおにぎりにして軽く炭火であぶっているので香ばしい。周りのカリカリ感や海苔のパリパリ感で食感も楽しめました。やっぱり日本人ならこういう炊き込みご飯のおにぎりって最後に食べるとほっこりしますよね。そういう和の心をしっかり捉えているシェフの心遣いにとても感動しました。

Shibumi

koji (r)ice cream
strawberry & elderflower
デザートは3種類あったので全部頼む事に。最近ニューアメリカ系のレストランでも麹を使ったアイスや料理が目に付くようになってきたので、次のアメリカでの食材ブームは「麹」になる予感がしますが、こちらでも麹を使ったアイスクリームが置いてありました。

麹独特の風味がアイスと混ざり合うと、不思議な風味で最初「ん?」と考え込んでしまいますが、食べ進んでいくにつれて、癖になる味です。でもちょっと癖があるので、好き嫌いはあるかも。

Shibumi

chilled apricot seed tofu
apricots
2つ目は杏仁豆腐。トッピングにアプリコットの種の芯を使ってあるのが私的にツボ!トロトロの杏仁豆腐はほんのりの甘さで優しいお味で美味しかったです。

Shibumi

classic warabi mochi
3つ目はアメリカではなかなか見ることのない「わらび餅」!もちろん自家製で作られているわらび餅ですが、モチモチの食感ときな粉の風味、黒蜜の甘みが加わって、日本人には懐かしい味が心に染みました。日本人経営のレストランでもほぼ見ることのないわらび餅がこんなところで出会えるなんて感激です。でもこういうのってアメリカ人に理解出来るんだろうか?

点 点 点 点 点 点 

というわけで、初の「Shibumi」体験は想像を超えるすばらしいものでした。どのお料理もはずれがなく、一口食べる度に驚きもあります。また、目にも美しいので、全ての五感を使って楽しめる料理の数々。まるで日本のちょっとした高級割烹で同じ料理が出されてもぜんぜん驚かないレベルの高さです。そして、David Schlosser氏自ら何度もテーブルに様子を見に来てくれ、全てに気を使いながらも、気さくな対応で本当に居心地の良いお店でした。

こんなに褒めると、「ノンジャパニーズが作ってるから甘い点数つけてるんじゃないの?」と思われるかもしれませんが、いやいや、そんなことは全くありません。

その証拠に今回一緒に訪れた4人全員が同じ感動を受け、ひとりの食通の友人は「私の中でこの店はロサンゼルスで一番好きな和食レストランになりました。」と感想を述べていたほどです。その意見に私もある種同感。だって和食のるつぼのロサンゼルスでさえも、こういう種類の和食レストランって今ロサンゼルスにはありませんもの。

もちろんロサンゼルスには他にもすばらしい和食のレストランが沢山あり、それぞれ違うオリジナリティーを出しているのでそれらと比べることはできませんが、たとえ比べたとしても全く引けをとらないレベルの高さに私たち全員本当に驚かされたのです。それは味だけでなく、店の雰囲気、サービス全てに於いてでした。

実はこの店は割と賛否両論な意見もあるようで、私たちがこんなに感動したのに「二度と行かない」と思う人も居るんだーとかなり疑問に思ったんですが、たしかにこれだけの繊細な味付けだと、ちょっと物足りないと思う人も少なくないのかもしれません。特に濃い味付けの好きなアメリカ人にはそうかも。でもここまで繊細だからこそ、この繊細さに絶対の自信を持っているシェフのセンスと舌の感覚に私は本当に感動を覚えたのです。アメリカ人も遂にここまでのレベルに来たか!と。(すいません、上から目線でw)

ちなみに、全てが本当に美味しかったですが、私の中で一番印象に残っているお料理はコーンスープとこの日のスペシャルだった銀だらの焼き物。味だけでなく、食感や温度など、全てが細部にまで気を使われていて、ひとつひとつ計算しつくされたお料理に圧巻でした。

シェフ曰く、メニューは基本四季折々で変えて行くようですが、お店が起動にのって少し落ち着いたらおまかせメニューも導入するそうです。また、9月末または10月ぐらいが新そばの季節なので、その時期には蕎麦を打ってお店で提供するそうですよ。新そばを日本以外のロサンゼルスで食べれるなんて、絶対に見逃すことの出来ないチャンスです!その時期は絶対にまた訪れたいですね。

ただ、一つだけ注意したいのが、今回4人で来たのでほぼ全メニューをいろいろ試すことが出来、一人あたりのお値段が税・チップ込みで80ドルぐらいと割とリーズナブルでしたが、2人ぐらいで来ると、当然頼む品数も限られ、割高になってしまうところが難点です。いずれおまかせコースが導入されれば、それを頼む事が出来ますが、それまではなるべく4人ぐらいの人数で来る事をおすすめします。それか、メニューが頻繁に変わらないので、2人で数品ずつ頼んで、何回も通うってのもありかもしれません。

とにかく日本人で和食が好きな人には是非1度行ってもらいたい今一番おすすめのレストランです。数少ない日曜日オープンなところも良いですね。

Shibumi

シェフと一緒に記念撮影
すばらしいお料理の数々、ごちそうさまでしたラブ




Shibumi
815 S Hill St
Los Angeles, CA 90014 
地図
Phone: (213) 265-7923
http://www.shibumidtla.com/
評価:★★★










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