出版の方法 -812ページ目

出版に著書は有利か?不利か?

出版業界では、著書があり、その著書が売れた実績を残していれば、比較的、次の企画は通りやすくなる傾向があります。

しかし、その著書が、共同出版や自費出版では意味がありません。

基本的に、他社の書籍の部数は分かりませんが、共同出版や自費出版だと初版部数が少ないことは知られています。
必ずしも少ないわけではありませんが、「少ないだろう」という先入観で見られるため、増刷したとしても評価されにくいのです。

また、共同出版や自費出版の場合、お金を出せば発行することはそれほど難しい話ではありません。
逆に言えば、お金を出して発刊した本だと認識されるため、実績としては認められにくいのです。

共同出版や自費出版をメインにしている出版社でも、たまに出版社側から依頼されて執筆する(お金を出さずに、逆に印税をもらえる)場合があります。
しかし、その実態は、外からは分かりません。
つまり、依頼されて執筆した原稿であっても、共同出版や自費出版をメインにしている出版社から発刊された本は、実績として認められづらいことになります。

もし、お金を出してでも書籍にしたいのであれば、やや割高ではありますが、商業出版をメインにしている出版社に依頼した方が良いでしょう。
どうせお金を出すのであれば、その方が実績として認められることになるはずです。

もちろん、共同出版や自費出版を否定するつもりはありません。
お金を出してでも書籍にされたい方もいらっしゃると思いますし、書籍になることを目的にされている方もいらっしゃると思います。
そういう方には、共同出版や自費出版は最適な方法と言えるからです。

ただ、この日記で綴っていることは、あくまでもブランディングの一環として商業出版で書籍を出したい人のための内容なので、そこにズレが生じることは、ご理解ください。

昔のタイプに多い出版社の編集者さん。

本を書くとしたら、企画は読者の顔を思い浮かべて考えよう

本を書きたいと思ったら、まず、何の本を書こうかと考えると思います。
その時、最初に「書きたいこと」を考えてしまいがちですが、それは大きな落とし穴です。

書籍は出版社の商品です。
出版社は企業である以上、営利団体なので、売れる商品しか作りたくありません。
当然ですね。

もし、自分の「書きたいこと」が売れる内容であれば、問題ありませんが、ほとんどの場合がそうではありません。

では、どう考えれば良いかというと、答えは簡単です。
自分が書けることで「売れそうなこと」を考えれば、良いのです。

読者は、お金を出して本を買います。
お金を出す以上、その金額に見合った情報が盛り込まれていなければ、本は売れません。
そのことを念頭に企画を考えてみましょう。

そして、本を出す以上、そのことは読まなくては、理解できないことであった方が良いでしょう。
そうすることで、本にする意義が出てきます。
一言で済むような内容をわざわざ一冊になるようにまわりくどく説明するような本や目次を見ただけで言いたいことが分かってしまうような本は、売れませんし、紙の無駄です。
また、立ち読みで理解できる内容では、手に取ってはもらえても、立ち読みで済まして買ってはもらえません。

企画を考える場合には、必ず、読者の視点で考えるようにしてください。
売れそうなことで、本の定価以上のお得感のある内容で、本にしなければ伝わらないことであれば、企画は通ります(通らない場合は、企画を提案する手法の問題だと思います)。
そして、その本は、きっと売れるでしょう。

もし、それでは書く意味がないとか、書きたいことで本にしたいと思うのであれば、自費出版をオススメします。
お金を払えば、たいていの内容は本にすることができます。